予防医療

予防接種は英語でimmunization。ワクチンの英語綴りはVaccine。ワクチンではなく英語ではヴァクシン(カタカナ表記をするなら)となります。

NP学生の頃予防接種を推奨する1番短い一文で表現すると
Vaccine is the best medication in the syringe
と言っていました。もちろんワクチンの中には経口薬もあるのでシリンジの部分は正しくありませんが。

で、何度か書いていますが全ての薬には作用もあれば副作用もあります。その発生率と度合いを天秤にかけ、薬は認定され、処方者により個人的な効果と負の効果を天秤にかけて処方します。よって治療薬というのは万人にとって完全なものでない事を良く理解してください。

で、ワクチンの話に戻って。ワクチンは上記の治療薬に比べてその天秤にかける作用と副作用の可能性が抜群に良いモノなのをご存知ですか？人間の免疫システムに作用する予防ですから、治療薬とは異なるのです。だから副作用の発生率の視点からベストな薬と言われているのです。

で、各地で始まったコロナの予防接種。コロナに罹患していない人もした人も接種を推奨されています。ただ今３つの製薬会社から治験結果の論文が出ています。どれも有効性を示しています。新しい技術によって作られたワクチン。心強い存在です。カナダではカナダ政府と州政府の公衆衛生の医師により、どの人口層からワクチンを開始するのか、どのようにと決められて先週から始まり、来週からはマダーナのワクチンが開始され、ファイザーのものより管理運搬が容易なため、過疎地域への接種も開始できるようになります。3月までに人口の10％を目指していましたが、その計画は修正され1月の末までに人口の10％を達成する事ができるようです。

で、私の働く保健機構でも予防接種を受けた患者のビデオが作られました。何故でしょう？それは州民に接種を促すためです。どこの国でも予防接種に反対をする団体や思想があります。こちらでは過去の摂取率の統計の報告書です。地域によって差が出るのは個人の選択により予防接種を拒否する人がいるためです。

もちろん免疫力が病的に低い人(これは個人が風邪にかかりやすいから私は免疫力が低いと信じているのとは異なります)やワクチンのアレルギー反応が過去にある人は摂取できないのでその数も含まれています。しかしそのような人たちの確率は人口の30〜40％ではないのです。よって医学的に予防接種ができない人の他に個人的な理由(思想)で拒否している人の確率となるわけです。感染力の高いコロナ。それを防ぐためには多くの人が予防接種をしないと、今の規制の生活は続きます。よって予防接種反対派の人たちを説得する事が重大だからです。

サイエンス。科学の目で予防医療を理解してほしいと強く強く願います。

冒頭写真:先日の大雪の翌日。湿気の多い雪であちこちで枝が折れていました。これは我家の枝垂れ紅葉。重そうにガラージへ行く道を塞いでいました。出勤前にパシャリ。