美容形成

週に一度、業者の方が診療所に来てランチョンセッションをすることがあります。新薬だったり、新設された理学療法クリニックだったり、保険機構の新設されたセクションだったり。

で、先日見慣れぬ名前の方がやってきた(最近は全てオンラインです)。なんと美容形成関連の機器会社。？？？？と医師も私も唖然となる。なんでも毎年大きな学会などでベンダー(学会へ寄付して学会会場に隣接する場所でセールスや商品説明ができる)に利用する費用がコロナのために使えず何億と余っている。それを利用してプライマリーケアのプラクティショナーがレーザー治療を始めるために使いたい、と。

はあああああああ？

普段はそれなりの金額がなければ購入できない機械を余ったお金で補填するから機械を買ってくれと言うお話。物凄いセールスピッチで、どれだけ州民がレーザー治療を待ち望んでいるか、お金儲けできるおいしい話だと言わんばかりの勢い。思いもよらないコロナ余波。

美容形成は全くの個人負担。政府の保険は効かない。よってサイドビジネスとして行う家庭医がいることは確か。しかしそちらが主流になってプライマリーから離れてしまうのも事実。私はナースプラクティショナー(NP)でカレッジ(免許を管理している団体)のレギュレーションでは美容形成関連の手技や処方はできないようのになっている。できるようになっていても私は興味なし。

診療所で働く医師たちは誰一人興味を示さず、丁寧にお断りして終わり。オンラインを切ってから、仲間内で話ていた時の、一人の医師の発言に、、、、

自分の体が気に入らない人が美容形成するでしょ。それさえすれば人はハッピーになる！なんて言ってたけど、逆よ。そんな事をする人たちは文句ばかり言う人。これ以上文句を言う患者なんて要らないわ！

と。んんんんんん確かに一理あり。人間は結局貪欲なんですよ。どんなにお金があってももっと欲しがるし、美も同じ。そして健康へ対する欲求も。プライマリーケアに不満を抱えている人は少人数ではないのも確か。この医師の発言は違う角度で面白いなと思った。