走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

緩和ケアへのアクセス

2020年07月28日 | 仕事
ALSの患者さんが医師による行為で亡くなられた事件について。私のバックグラウンド(ナースプラクティショナーNPになる前の看護師時代の専門)は緩和ケアです。なので医療者による自殺幇助についても過去に書いてきました。

緩和ケアと自殺幇助
心肺蘇生を拒否する意思表明
愛する人と一緒に逝く
安楽死についての会話
自分の最期を考える  

ホスピス緩和ケア看護師時代に書いたALS関係のブログはこちら

この方のブログを長年フォローしています。
15年前、ALSの患者さんからの質問

ハワイで老年/緩和ケア医をされている植村健司 医師のTW



こちらのPDFを許可を頂き添付しています。じっくり読んでくださいませ。的確に日本への課題を書かれています。


カナダではMedial Assist in Dying (MAiD) と言いアメリカではPhysician Assisted Suicide (PAS) と言うこの医療行為は日本にはありません。よって正式な用語もありません。私はブログの中で自殺幇助と書いたり安楽死(日本で言う、、と注釈付きの点では間違っていませんが、誤解を招く原因となる)と書いた事を今反省しています。医療や法曹界の歴史上海外のそれと日本語の安楽死、尊厳死は異なる事をまず理解してください。

で、私、有賀医師、植村医師、3人で共通しているのは「会話」「緩和ケアへのアクセス」「選択肢」だと思います。

一事件で終わらせず、ここから会話や議論を始める事が、貴方の将来にとても重要であると思います。賛成か反対かの二極化論ではなく、いろいろなシナリオや立場でこの事象を議論する事です。国民、医療界、法曹界、政治家がそれぞれのレベルで始めましょう。


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