走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

ジョーク

2022年10月25日 | 仕事

外回りを終えて診療所に戻ると、予防接種出先に置き忘れしたと気づく。慌てて戻り受付で診療室の鍵をもらおうとするとスタッフの一人が何か言ってきた。周りがうるさくて聞こえない。その旨を伝えて、3度目にようやく何を言われたかわかった。しかし何故そう言われたか分からなかった。受付の人に

美加、この人のジョークは聞かなくていいから

と言われて初めてジョークだとわかった。わかった途端に笑いが止まらなかった。ジョークが面白いから笑ったのではなく、全くジョークの通じない自分を笑ったのだ。

英語圏に住むようになって、一番難しいと思うのはジョークを理解すること。

付き合い出した時、相方がジョークを言っても全然笑わない私にジョークを説明する様になった。笑いのネタバレをしなければならない状態ほどつまらないものはない。相方はいつしかジョークを披露するのをやめた。

何故ジョークの理解が難しいか?それは言葉遊びだったり、文化の背景がないと理解できないから。

Hair とHareは同じ発音。しかし前者は髪の毛で後者はうさぎ。

これが分からないとHairとHareを混乱させるジョークの落とし所はわからない。落語に近いものがあるかな???

長く診察をしている患者は私のジョーク話を理解している。だから社交辞令のジョークもなし。今回もそう伝えた。

しかし彼は言う。美加の笑顔を初めて見た。もう一度見たいから、これからも僕は挑戦するよ!と言う。日本だったら口説き文句に聞こえるかもしれないが、こちらでは社交辞令みたいなもの。

帰宅しながら思った。え?もしかして私って笑わない???
まあ、医療者ですからヘラヘラ笑いながら仕事できませんから。それに私は日本人。白人系の方に比べたら愛想がないかも(いやいや、顔が地味なのかも、いややっぱり態度か?人を褒めること苦手だし、ましてや嘘もつけない。しかし白人系の方々は褒めるのが上手。キラキラ、キャッキャと明るい方も多い)。これでも日本へ戻ると顔がしっかりしている、と言われるんですけどね〜。外国に住むって言うことは、慣れ親しんでいない価値観とか文化を押しつけられることもあるんだ、と改めて考えた日でした。

冒頭写真: 急に秋になりました。山間部では雪も降っています。


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