外出支援サービス 最終回
これは私が非常に大切にしているのですが、受けた教育や免許に対する対価。対価というのは払われる給料もですが、それに値する仕事内容も含まれています。これに関しては過去に何度も書いています。
で、この外出支援サービスはそのように区別がついているのか?料金形態を見ると誰が付き添うのかにより値段が変わるので、その辺りを考慮してあると推測しています。
じゃあ、なぜわざわざ書いているか?
それは看護師が運転手になっていないか?そこに疑問を抱くからです。状態が不安定で看護師がモニターしたりケアをしなければならないケースは多くないはず。運転中はそれをしないで良いのなら、本当に看護師が必要なのか?と疑問が湧きます。しかし運転手と看護師のペアを作ると人件費が上がります。その辺のバランスをどうシステム化されたのか?興味を持ちます。
私は自分の業務を自分で変更する事ができる立場で、患者と雇用主にメリットが最大限でるように時代に合わせて業務を変化させています。その時に第一に考えることが「私にしかしできない仕事か?」です。私はナースプラクティショナーです。看護師でもなく、医師でもなく、ピアサポートワーカーでもないのです。何故私がこの業務をしなければならないのか?その答え、つまり利点が明確にならない場合は絶対しません。私の時給は看護師のそれよりずっと高い。税金を無駄に使うわけにはいきません。しかし世の中全てに白黒つけることはできません。状況によってはこの私にしかできない仕事が100%ではなくて75%まで下がる時があります。例えばアウトリーチ中に新患者を受け入れる時はEMR(電子カルテ)の作成を自分でしなければなりません。この業務は普通MOA(メディカルオフィスアシスタント)によって行われます。MOAの教育は6ヶ月。私のそれとは大きく異なります。でも私の患者層の特徴を考えると、「今」を逃せばいつ「次」があるのかわからない患者層です。診察をするためには、タイムリーにEMRを作成し診察を始めなければならないのです。そのためにはMOAがするべき仕事をすることは必要なことだと考えています。
もしこのような思考過程を止めてしまうと上から言われたまま、いつのまにか自分でなくてもできる仕事に溺れてしまう状況に陥ります。特に新規事業には頻回に起こります。川添さんのことだから、きっちりされていると思います。しかし同じような事業をやって行きたいと思う方がいらっしゃったら、このようなことも覚えておいてほしいな、と思い書いてみました。
シリーズ終わり。
冒頭写真:はーるよ来い!