走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

アストロゼニカ

2021年05月20日 | 仕事
週に一度の病院での早朝ラウンド。今週はVITTの症例報告。既に家族により個人情報がSNSが流れているが医療的な知見でと始まった。外科医と内科医と放射線科医の3人によるとても興味深い内容だった。こちらがその方の新聞記事。日本語でYahooニュースでも書かれていました

で、現在アストロゼニカのワクチン使用はBC州で中止された。なぜかと言うと今は十分な量のmRNAワクチンが確保できているからだ。

んんんんんん?ついこの間まで使われていたものが中止へ???

と思う人もいるかもしれない。危険なものを注射しやがって!と怒る人もいるかもしれない。我が家の相方もそのうちの1人。つい最近まで使用されていた理由は十分な数のmRNAワクチンがなかったから。そして感染率は鰻登りで上昇していたから。ワクチンをせずにコロナに罹患した時の血栓症の確率がとても高かったから。副作用があると知っていても最悪の事態を回避する為に手段として使用していた。

しかし今は違う。人命に関わる副作用が少ないワクチンの使用が選ばれるのは当然。

医療ではcontext がとても重要。同じ治療や診断でも状況によって意味が変わっていくからだ。これについては実習中にNP学生さんにしつこく指導することの一つ。

このVITTとTTSは接種後4〜28日目の間に起こる。見落とさないように鑑別診断に入れなければと肝にめいじた。相方もあと1週間。何も起きずにすぎて欲しい、、、、

ラウンドの時に医師が言っていた。発生率は発表されているものより高い可能性を。
確かに今でこそ救急も家庭医もNPも注意を払っているが、見落としやすい臨床症例だとラウンドに参加していて思った。よって報告されていないケースがもっとあるという事。

さあ、日本の厚労省はアストロゼニカの認可についてどう判断するのでしょうかね?


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