走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

血液型

2022年02月24日 | 仕事
血液型を知りたい、調べて欲しいと頼んでくる人は結構いる。子供の頃血液検査の結果をカードサイズのもので持っていた記憶がある。しかしそんなことは昔のこと。今は血液型を証明するものを持っていても、それは何の役にも立ちません。

輸血が必要な場合は必ずクロスマッチをしなければいけないから。何型なのかもその場で調べなければならないのです。よって妊娠の検査もしくは輸血の指示なし以外では血液型の検査はできない(保険でカバーされない)。

この方にも同じような説明を以前しました。

で、今回も同じことで来ます。献血をしようと、質問の電話をかけたら、服薬が多いので血液型によっては考えると言われたから調べて欲しい、と。

え?輸血をするんですか?!

若い頃は毎月献血をしてたんだ。だからそれを再開しようと思って、と。

おおおお、献血は重要です。世の中で必要なものです。献血しようと思ってくださる方は貴重です。

でもこの方は重度の心不全と呼吸器不全で酸素治療も24時間必要で、顔色はお化けのように真っ白。ちょっと動くだけで息切れをする方。どこをどう考えたって、献血は自殺行為のようなもの。献血センターでもこんな姿の人が現れたら受け付けないですよ。

医療者として献血は勧めません。だから血液型の検査は必要ありません、と伝えました。

残念そうに帰っていった、、、。きっとそこまでしても血液型を知りたかったんだろうな。占いでもするのかな?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。