走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

リサーチの承諾書

2024年10月14日 | 仕事

先日BC州の職場であった勉強会。リサーチ部門によるもので、お題はリサーチの承諾書とリサーチ倫理委員会についてでした。


で、質疑応答時に参加者から、


承諾書が長くなり過ぎて、そのためにリサーチ参加を諦める参加者がいる。どうにかならないか?


と言うものだった。確かにリサーチによっては承諾書が長くなる。 質問された方はSANE プログラムのNP。


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研究したい仮説があったけどこの承諾書のところで引っかかったとか。


倫理委員会側は研究参加による二次的被害を受けないために必要なプロセスとして承諾書はどんどん長くなっていったとか。でも、そのために参加者が集まらない、承諾書そのものがネガティブに働いている。わかる気がする。しかし二次的被害の防止もわかる。難しいところだ。


メンタルヘス系、依存系、ホームレス系などの研究が少ない理由も承諾書の難しさに起因するところもあり。


で、話は戻って、トラウマインフォームドケアでよく言われる二次的被害の防止。何があったのか?聞くことが悪い、と勘違いする人がいるけれど、何の目的で、と聞く側の配慮が最も重要と私は経験的に思います。


で、条件が揃えば患者さんは多くを語るし、「聞いてくれてありがとう」と感謝までされるのが私の経験。質問したNPもきっと同じ経験をしているのではないか?と思いました。でも倫理委員会はそのような人たちと接したことが希薄なわけでポリシーや教科書的なことのみで判断をするわけで、机上と臨床の違いかな、とも思いました。


しかし、1人でも守れない人が出てしまうと研究全体に影響を与えてしまう。その代償は大きい。ならばそれを防ぐために慎重には慎重を重ねて、、、となるのだから、と私は結論づけた。ま、そんなことを質問したNPも知っているだろうから、わかっていてあえてチャレンジする。これもまた大事な行動。そんなチャレンジ精神が多い彼女に拍手を送ったのだ。


冒頭写真: ウイスキーツアーの休憩場所。スペイサイドエリアで一番古い橋。15世紀ぐらいに建造されたもの。その近くでやっぱりウイスキーで乾杯。










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