走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

不定愁訴

2020年03月04日 | 仕事

OOの病気かもしれない、と不安に感じる事は誰にでもある事。しかし調べても何も異常がない。そう聞いて安心するのか?それとも検査が悪いのかもしれないから、他の検査をしてとすがるのか?

彼女は統合性失調障害で治療が上手く行っていた。しかし副作用が嫌で精神科医に内緒で内服量を減らしていた。そして最近の不安の種が胸痛。何度も私の元へ診察にくるし、救急室へも行っている。毎回大丈夫と言われても、信じられない。腕も痛い。血流を感じるのよ、首とか足に。これもおかしくない?と彼女は来る。精神科の薬を減らしているからではないですか?トライアルとして元の量に戻したらどうですか?と言っても聞く耳持たない。

私、精神科医、ケアマネ、救急室、そして最近は薬局の薬剤師にも同じ主訴を続ける。毎回、正常だろうな、、、と思いつつも一つづつ検査を足して行く。いつまで続くんだろう、、、

統合失調障害が悪化して入院が必要になるまで続くんだろうなと。

しかしプライマリーケアとして主訴を無視するわけにはいかない。こういう時に落とし穴が待っている 場合がある。だから毎回問診と所見をしっかり取るように、、、だけど客観的になれない自分がいる今日この頃なのでした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。