走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

人間の習性

2016年05月16日 | 仕事
先日の新患は51歳の女性。拒食症を診断されて何十年来。そのための入院経験も数知れず。何度も命を落としそうになった経験者。その彼女が興味深いことを言った。グループ治療は苦手。参加者全員が私が一番悲惨なのよって競い合うからと。

グループ治療を嫌う私の患者は大勢いる。ほとんどは不安症からだ。人前で話せない。緊張する、心拍数が上がって耐えられない。イライラして座っていられないなどなど。しかし彼女は違うことを言う。

私が一番悲惨な過去を持っていて、拒食症も酷い、、、

人間って不思議だ。群れを作ると必ずリーダー格が生まれ、いじめられる、いじめられやすい人が生まれる。必ずと言って良いほど階級というかランク付けみたいなものが生まれる。
私が一番可愛いとか、強いとか、人気があるとか、頭が良いかとか、収入が多いとか。

拒食症のグループ治療だけではない。他の病気でも同じようなことが起こる。

確かにお年寄りの寄り合いでも、心筋梗塞で何個ステントを入れてもらったとか、心臓機能が何パーセントとか自慢げに話すグループを見たことがある。

がんセンターのサポートグループでも、悪性の度合いや部位、年齢や家族状況で誰が涙をそそるのか、、、、みたいな雰囲気もあった(がんと生きている方気分を悪くしないでくださいね。私が参加したがんサポートグループの経験ですから)。

改めて、人間って面白い生き物だと思った。



週末は末娘の誕生会で友達4人がお泊りでした。24時間の滞在中子供達は休むことなく仲良く遊んでいました。写真を撮ったのは夜8時。庭の飛び石にチョークで飾り付け中。なかなかアートな出来栄えでした。さすが芸術学校に通う5人娘!

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