走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

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2019年07月05日 | 仕事
潜入感を持って診察へ行くことは勧めません。患者の中にはDrグーグルで診断を決め診察者を誘導することもあります。しかしそれらの行為は診察者のプロセスを歪め誤診に繋がります。問診中は聞かれた事のみに答え、自分の意見をごちゃごちゃ言わないのが1番です。

で、彼はメキシカンレストランに行って以来お腹の調子が悪い。食あたりだと言います。私は彼のこの最初の一言で染まってしまいました。客観的な問診に至らず、食中毒症状があるかないかに舵を取ってしまいました。

漠然とした腹痛以外、これと言った症状がないため、経過観察としました。もちろん回復しなければ再診に来るように伝えて。数日後彼は救急室を訪れていました。同じく腹痛です。とっととレントゲンを撮い、便秘による腹痛が判明。

だあああああ、しまったああああああ、と救急室から送られてきたファックスを見てがっくり。

なんてこったい。うかつにも潜入感で診察した自分に気づく。下痢があるかないかに注目して、便秘と言う鑑別診断を見逃していた。とても初歩的なミス。いくら経験を重ねても初心忘るべからず。診断とはそう言うものと喝が入った気分でした。



自然の露天風呂はあちこちに。手前が温泉です。気持ちいい〜〜

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2 コメント

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こんにちは (とんがらしおかん)
2019-07-05 09:41:30
勝手にコメントさせていただきました

そこそこ歳をとって来ると色んな症状があり
昔ならばお医者様に「オマカセ」だったのでしょうが

最近はテレビ・インターネットと様々な情報が気軽に得られるようになり
受診の際つい症状ではなく自分の意見を述べていることがあり
本日の記事を拝見して 反省しきりです
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Unknown (美加)
2019-07-06 08:08:49
とんがらしおかんさんへ

看護学生の時にちょうど喉頭癌について学んだ時、当時のBFが同じような症状があり、耳鼻科に付き添って行った時、問診票に授業で学んだことばかりの症状を書き込みました。お陰で彼は同日にスコープをする羽目に。 結果は風邪です。 風邪のために鼻からスコープを入れられた彼はおお怒りでした。 先入観は百害あって一利なしですよーははは
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