走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

理想と現実

2018年08月30日 | 仕事
先週の医師会主催の食事会 兼勉強会。場所はゴルフコース。相変わらず豪華な会だこと。

大きなグループセッションから小さなグループセッションに別れた時の事。ある家庭医(GP)が「私の治療がうまくいかないから紹介しているの。自分より高い位の医師に診て欲しい。それ以外の者には診てもらう必要はないわ!」

と言った。これ精神科への紹介の話。精神科医の数は少ない地元。なので直ぐには診てもらえない。そして診断や治療が緊急に要する受け入れ先は病院の救急の場合が多い。それ以外はカウンセラーやソーシャルワーカー、精神科看護師でなんとかなる場合が多い。よって精神科医ではなくて他のチームメンバーが診ることも。それを気に入らない、と言ったのだ。

あらまあ珍しい。チーム医療を真っ向から否定する医師。

彼女は中東で生まれ、育ち、医師免許を取って移民後カナダの医師免許を取った方。もしかして、そのせいかな????

カナダの医師免許には人種問題や、LGBTQ偏見などの問題が多く出てくるので、それに戸惑う外国人医師が多いとか。カナダは移民の国。人種のモザイクの国。様々な人種、宗教、価値観の違うものが集まる国。そして誰もがお互いを尊敬して平等に生きる国。それを目指している国ですからね。こればっかりは自国のアイデアを持ち込むと医師免許が取れない事だってありますよ(あ、この方はもらえたんだった)。国も変われば医療も変わる。


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