走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

言葉の暴力

2015年09月12日 | 仕事
今月から違う学生さんが来ています。母校から来ているからか、なかなかの優れもの。飲み込みも早いし、貪欲に食らいついてくる。しかし、まだ2回目の実習。頭がいっぱいなのか患者の反応が見えていない。自分のアジェンダが最優先になりがち。主訴を聞いても他の事にフォーカスしたり、、、

で、受診時間あと半分しか残っていないよ、フォーカスして、と警告を入れたが修正なし。しばらくしてから申し訳ないけど明日もう一度再診してもらいましょう、と私が言ったら患者が切れた。私はこれを(婦人科検診)してもらいたくて来たのに、明日戻ってこいなんて(シェルターの患者さんでシェルターのクリニックなので遠出でもなんでもないからと私は軽く考えていた)!と切れまくり。話には尾びれ背びれがどんどん付き彼女の声はどんどんエスカレートする。

しかし患者の方にも責任はある。保険証は無くして自分の番号も覚えていない。番号が分からなければ検査物は提出できない。ま、こういう患者は多いから番号を見つけるのを手伝ったりするが、最後の薬を処方してもらった薬局を聞いても名前も電話番号も出てこない。その上検査をねじり入れたら、診察は時間内に絶対終わらない。次の患者はすでに外で待っているのだ。

私も一度は謝った。しかしネチネチ続くし、あれこれと脅しも始まった。終いには虐待だとも言いだした(学生の実験台にされたと言う意味で)。こちら側の理由は伝えたのにそれは言い過ぎだ。境界線を越えている。幾らこちら側に不手際があっても言葉の暴力を受けなければならない理由はどこにもない。

部屋を退室するように伝えた。明日の診察なんて絶対来ないから!と捨て台詞を吐いて彼女は出て行った。しばらくしてからドアをノックする彼女。謝りに来た。明日の診察にくるからキャンセルしないで。言いすぎたわ、と。

良かったー。ハイ、私も今後気をつけます。



夏日になりました。

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