外出支援サービス シリーズ2日目。
昨日の最後にカナダBC州では公共サービスからボランティアまで、行政からの支援、と書きました。理由は州民の健康向上に繋がるから。医療の潮流は病気になってからの対応だけではなくて、病気にならないようにする事業への投資が随分前から始まっています。高い医療機器と人件費よりこのような投資が安くつくのは一目瞭然。
高齢の方が出かけるチャンスがなければ足腰が弱まり、脳への刺激も減少します。不安症があっても一緒に出かけてくれる人がいれば買い物へ行ける人だっています。薬物依存という名のレッテルを貼られて医療機関を避けている人に、その気持ちを経験した人がついてくれると、診察に来て絵くれたり、プラス面は非常に大きい分野です。
最近はチーム医療がメインストリームですから、専門性を活かすメンバーが集まってチームが作られています。医療チームと言うと医療職のみを想像される方が多いと思いますが、患者会代表者とか、ボランティアコーディネーターとか、ピアサポートワーカーなどなど。これらはボランティアではありません。お給料をもらっています。私の患者の中でも統合性失調症の方の症状がコントロール下となり、ピアサポートワーカーになるためのトレーニングを終了して、採用されて1日4時間、週3回のペースで働かれています。雇用主は私の雇用主でもある保健機構です。勤務時間は長くありません。しかし疾病手当を既に受給されているので生活には困りません。自分の経験を社会へ還元。やりがいを持って勤めておられます。
ピアサポートワーカーのトレーニングは誰がしているのか?どの分野か?にもよりますが、保健機構や州の行政と提携しているNPO団体がほとんどです。基準やトレーニング内容も決められていて、どこで受けても同じような内容となります。
ボランティアも同じような仕組みです。ボランティアのトレーニングをする方は委託業務を請け負い、教育とスクリーニングをする。そしてのボランティアの管理もする。
そうでないと、もし何かあった時の責任の所在が明らかではありませんからね。コロナ禍に食材や出前のデリバリーが盛んになりました。一緒に買い物へ行きましょう、と言ったサービスを提供する個人も出てきました。しかし注意したいのは信頼性。車は動くし、ドアを開けて知らない人を家に入れるのはリスクがあります。そのようなサービスを偽装して犯罪に利用する輩も増えてきました。
一人暮らしの義姉が癌の治療に通っていて、機会があるときは買物などに付き合っていますが、もっと気軽に頼める人を探したい、と漏らしています。がんセンターのボランティアドライバーの利用は治療や検査のための利用に限られているので、買物には利用できません。年齢的に高齢者に入らないのでシニアサービスには手をつけられません。よって家族とご近所さん以外に頼れる人がいない。探すとあるようなのですが高額だったり、安ければ信頼性がはっきりしない。車も家も密室だけに気をつけたい点です。
続く
冒頭写真: 母なる川。フレーザー川の支流。鏡のようになって流れがないように見える。