走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

赤ちゃんを守る

2015年05月31日 | 仕事
19才のハナを診察する。1月に赤ちゃんを産んだとは思えない細さ、44kg。身長は165cmもあるのに。

彼女を担当する保健師さんが紹介してきた。拒食症があるのではと。

ハナはそれを否定する。沢山の質問事項の中でもちろん拒食症の姿が浮かび上がる。

拒食症専門の機関がある。看護師、栄養士、カウンセラー、精神科医、ソーシャルワーカー。統合的前治療が受けれる素晴らしい施設だ。そこへの紹介を勧めるとあっさりOkする彼女。「治りたい」と。あら、否定してたけど本当はわかっていたのね、、、。

ハナは只今ホームレス。赤ちゃんの父親と今でも付き合っているが一緒に暮らすことはない。赤ちゃんはおばさんが預かっている。保健師が付き添い、赤ちゃんのケアを学びにおばさんの家へ時々行く。

これからの目標は?鬱などの病気があるから疾病給付金をもらえるようになったら住む家を見つけて、治療に専念したい。そうハナは鬱や不安症もある。
赤ちゃんのことは?
子供が5才ぐらいになる時に母親になれるように治療に励むと。

5年か、、、長い。でもちゃんと目標がある。大丈夫よ。いつか独立した母親になれるよ、、、、

このようにして、赤旗が上がる妊婦さんの状況を把握して赤ちゃんが安全に発育できるように審査、サポートすることが整っているこの国は凄いと思う。両親に虐待を受けたり、ニグレクトされる子供が減るように、昔にはなかったシステムです。


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