走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

他人ごとでは無い

2014年12月19日 | 仕事
薬物依存。大まかに分けると5種類。

覚醒系~神経を興奮させる薬物、カフェイン。ニコチンはここに入る。コカイン
鎮静系~ リラックスさせる薬物。アルコールはここに入る。ベンゾジアゼピン、
幻覚系~幻覚を起こさせる薬物。LSD、エクスタシー
オピオイド系~ 術後や癌の疼痛治療に使われる(急性期や癌疼痛に使われる場合は依存性は起こらない。厄介なのは慢性の痛みに対し不必要に使用している時)
大麻系~ハシシュとかマリファナ

この中には医療薬として使われているものもある。治療に必要で処方されているのだから指示通りに服用していれば依存にはならないのだが、患者の中には自分勝手に使用しだし知らぬ間に依存への道をたどる人がいる。不安症状に対しベンゾジアゼピン系の薬を処方される。一日2回までの服用と書かれているのに3回4回と服用、退薬症状が出る。それが不安が高まってると勘違いしもっと服用すると、いうような具合で。

症状があると嘘をついて大量にその薬を処方してもらい、それを売ってお金にする。
不法に薬物を製造し売る。マフィアとか大規模な組織が関わり市場に出回る。

自分は絶対そんなことはしないと思っていてもどこでどう出会うのかわからないものだ。バンクーバーに来た頃パーティーに参加すれば必ずと言っていいほどドラッグパーティーに出会す。友達Aさんに誘われAさんの友達Bさんのホームパーティーへ行く。普通のパーティー。そこで出会ったCさんに誘われ次のパーティー会場へ行く、、、とパーティーハシゴは当たり前。世が更ける頃ぐらいからだんだん怪しくなる。2度ほどヤバイ!と思うようなところへ行ってしまった事がある。ハシゴの連続で居場所も分からなくなるし、真夜中一人で帰るのも怖いのでズルズルと引きずられてしまう。あの時誘いを頑固として断って良かったと思っている。何せ興味本位から初めてはまってしまった人を今の仕事で診ているからだ。

あなたが知らないだけで、きちんとした会社や地位の元で働いている人も薬物依存者であることもある。週末外泊でパーティーでしかしない人。別荘でしかしない人たち。そういう人たちも診ている。

うまく両立できているときは良いがそのバランスが崩れ家族も仕事も失った人も診ている。

対岸の火事ではない。歴史的にも薬物がなくなる世はこない。大事なのは正しい知識を子供達に伝えていくことだ。早期教育、これに限ります。





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