走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

ロジカル

2022年09月01日 | 仕事
ロジカルって、大事だと思う。特に問題に直面した時どう対応するか。

近所に子猫が5匹生まれました。どの猫も病気っぽい。特に特徴的な発疹が出ています。獣医に連れて行けば?と言います。ご近所さんは野良猫同然。放っておけば良いと何もしません。母猫は回虫があるようで母子感染を起こすと言われていることを知ります。見かねたあなたは私が預かると5匹を引き受け獣医に連れて行きます。

検査料は1匹につき9千円と言われました。そんなお金は診察料を支払った後に残っていてません。これはカンジダによる発疹と貴方は思い、市販の薬を購入して塗ります。少しは回復したようですが完全ではありません。特に1匹は重症さが増していると言います。

そして子猫の世話をしているうちに自分にも似たような発疹が出だして体中痒くてたまりません。カンジダのような発疹の他にも違う形の発疹があちこちに出ています。市販薬を使用しても良くなりません。

そして彼女は受診に来ました。どうにかして欲しい、と。

仔猫をご近所へ返す気はゼロです。しかし仔猫に必要なワクチンや治療費を持ち合わせていません。小さなトレラーの中で仔猫5匹と暮らしていると。仔猫に引っ掻かれたり噛みつかれた痕も無数にあります。

貴方を治療しても、仔猫が感染している限り、貴方への感染は繰り返し起こります。

仔猫を見殺しになんかできない!と彼女は叫びます。

私の仕事は何がベストなのか伝えること。貴方は自分がどうしたいか決めること。私は強制してませんよ。仔猫を持ち主に返却して自分の治療に専念することがベストだと言っているのです。決めるのは貴方。

動物を保護してくれるNPO団体はある。

渦中にいると何も見えなくなる。ロジカルが吹っ飛ぶ時。例え自分が不健康になろうとも。ああああああ。

冒頭写真: 吊り橋の向こうに桜島の展望台があるらしいけど、あまりの暑さに断念。吊り橋からも見えました。あとこの橋センサーがついていて音楽が流れます。


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