走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

自分の使命は明確ですか?

2018年07月24日 | 仕事
タスクシフティングもタスクシェアリングも医療の高度化に伴って始まった事です。しかしNPの発生は少し意味合いが異なります。アメリカでもカナダでも諸外国でもNPの発生は医師不足です。

都市集中型医療が生んだ副産物、医療過疎が原因です。

都市には専門医を含む大勢の医師が存在するのに、過疎には医師がいないため健康が損なわれる村民や町民。その人たちを助けるために立ち上がったのが看護師。ナースプラクティショナー(NP)だったのです。

それに加えアメリカでは医療費高騰、住民の所得格差、医療難民が増え、安い医療を行う策の一つとして注目を受けたのがNP。医療難民は過疎に限らず都市部にも存在しNPの活動の場が都市部にも広がりました。

カナダBC州の例は以前にも書きました。このようになんらかのニーズがあるから需要が増えるのです。

不足している医師を補う、医療費を安価に行うから始まったNPの使用。しかしながら各国もそれだけではない副産物を知る事になるのです。

NPは医師の代わりではなく、医師とは違ったアプローチで国民の健康を保つ。NPの良さを知る事になったからNPを医師や看護師と異なる新しい職業として認めるようになったのです。

今回の旅で私は、自分が「なぜ」今の職場で働いているのか不明確な診療看護師が多いと、感じました。

医療過疎も医療難民もない中で (過疎で働かれる人は自分の使命を十分理解していると思います)雇われている目的もわからないまま。本人がわかっていないのです。直属の上司や同僚がわかるはずがないのです。前例のない職業が存在する事に意味があるのかどうかもわからない状態で暖かく迎えてもらえるなんて甘い考えにもほどがあります。

誰も教えてくれないし、どこにも書かれていない、などの言い訳も聞きました。何度も書きますが道を切り開くというのは誰かにお膳立てをしてもらうのを待つことではありません。誰も教えてくれないのなら自分で考えてはどうですか?職場で自分は診療看護師として何ができるのか?誰が恩恵を受けるのか?経済的なメリットは?患者のアウトカムだけではなく、もっと大きな視野を持って医療を考えてはいかがですか?必ずニーズが見つかると思います。



和菓子屋さんで和菓子作り体験をしました。なかなかの力作。実家に戻って自分でお茶をたててお茶の時間。幸せ。

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