走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

ちょっとだけ

2018年08月19日 | 仕事
アルコール依存症でホームレスの彼を肝機能不全、腹水貯留、呼吸困難で入院してもらい、1週間後に退院した彼。

病院から送られてきた入院中の経過と退院指導の内容には心臓エコー予定と専門医の内科への紹介状の旨が。

普通の患者だったら、このことを覚えていてカレンダーに書き込むとかしているけど、彼がそんな事をしているとは思えない。と言うかどこまで今回の入院の事を理解しているのか?紹介された専門医のクリニックは電話を持っていない彼とどうやって連絡をするのか?

外回りの日に彼を探す。見つけると上記の事を聞く。知らねえよ、そんな事、と簡単に言われる。電話は持っていないよね、と一応確認。では専門医やエコーの検査科から連絡をホームレス アウトリーチの事務所に行くようにして良い?と許可をもらう。

事務所に連絡が入ればアウトリーチのワーカーが運転をして患者を連れて行ってくれる。

と、こんなアレンジをするのも私の仕事のうち。社会で当たり前とされている活動が出来ない人を相手にプライマリーケアを提供しているから、そのギャップを埋めるのも私の仕事。

それが本当にNPがやらねばならない事?NPしかできない事?

社会的る人はいないから、、、そうなると私しかいないじゃん、と言う事になる。もちろん社会的機能の低下が重度になれば施設に入所、もしくは在宅で色々なサービスが必要になればケアマネが付いてくれるようになる。

そうでない人、ちょっとだけ手助けが必要な人。そのちょっとだけの手助けなら、喜んでしますよ。


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