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「ひな工房 八重の衣」で仲間とチクチクお雛様作りやっています♪

茨木のり子…廃屋

2008年03月23日 19時41分34秒 | 本・映画・TV
お彼岸も過ぎて3月ももう残りわずか…。

ここに来て大きなミスをしていたことに気付きました。

先日から何度も紹介していた茨木のり子さんの詩。

しょうもないことにお名前を変換ミスしていました。

正しくは「茨木のり子さん」なのに
茨城のり子さんと間違って入力してしまっていました。

本当に失礼致しました。

お詫びに(?)もう一編の詩をご紹介します。
金八先生でも紹介されていた「廃屋」です。

ごめんなさい



    ~~~~~ 茨木のり子 廃屋 ~~~~~~~

 
    人が 棲まなくなると
    家は たちまちに蚕食される
    何者かの手によって
    待ってました! とばかりに

    つるばらは伸び放題
    樹々はふてくされていやらしく繁茂
    ふしぎなことに柱さえ はや投げの表情だ
    頑丈そうにみえた木戸 ひきちぎられ
    あっというまに草ぼうぼう 温気にむれ
    魑魅魍魎をひきつれて
    何者かの手荒く占拠する気配

    戸さえなく吹きさらしの
    囲炉裏の在りかのみ それと知られる
    山中の廃居
    ゆくりなく ゆきあたり 寒気だつ
    波の底にかつての関所跡を
    見てしまったときのように

    人が家に 棲む
    それは絶えず何者かと
    果敢に闘っていることかもしれぬ




この「廃屋」ですが…。

道東の奥地を車で走っていると
こういった廃屋をたくさん目にします。

その姿はとても物悲しく…。

おそらく北海道の開拓を夢見て
内地(北海道では本州のことをこう呼びます)から移り住んだ人たちが
その自然の厳しさに夢を打ち砕かれ
やむなくその地を離れざるを得なかったのでしょうね。

その無念さが伝わってくるような住居跡が無数にあり
朽ち果て、家屋としての姿を留めているのに必死なくらいです。

その姿もあと数年、数十年で跡形もなくなってしまうのかもしれません。
先人の苦労が偲ばれる風景です。

それくらい北海道の開拓は
寒さと雪と厳しい原始の森に阻まれていたのだと思います。

そして僅かな期間開拓されていたのだろうその地も
原始の森に還ろうとしているところなのでしょう。

やはり自然の力に挑むということは並みの力では
戦えないということでしょうね。

こうした「廃屋」にならないために
たゆまぬ努力をしていかねば
その戦いには敗れてしまうわけで…。

こういう姿は都心や内地にお住まいの方には
ちょっと理解しがたいかも知れません。

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8 コメント

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金八先生♪ (motomaru)
2008-03-23 21:12:47
miyさんこんばんは♪
僕も学びました、金八先生から!
いい感じですよね、踏みとどまって
戦いなさい、その言葉ジーンときました。

「特派員報告のこと」
僕もどこかお出かけしたときには、
報告しますね~!!
返信する
金八先生 (miy)
2008-03-23 21:54:32
motomaruさん☆も金八先生のファンだったのね?
本当に戦うのって大変よね!

特派員報告、motomaruブログで報告楽しみにしてますね!
そのときはmiyブログにリンクしますよぉ~!
返信する
Unknown (chie)
2008-03-24 13:19:52
廃屋の傍にスモモやルピナス・ユリなどが咲いているのを目にすると、自然の強靭さに感心すると同時にちょっと切なくなりますね。
返信する
ほんとです! (miy)
2008-03-24 19:48:03
chieさん☆その風景はほんとに切ない風景ですね。
人間の頑張りよりも植物のほうが力強いってことかしらね
返信する
Unknown (takakura)
2008-03-28 00:07:55
ご無沙汰ですー(^^)

ある番組で、夕張で暮らす人が
「石炭が出たから、こんな場所が突然『マチ』になったのだ。
石炭が出なくなった今、昔と同じようにたくさんの人が
ここに住んで、あの頃みたいな豊かな暮らしをしようと
することが、そもそもおかしいのだ」
みたいなことを言っていました。

地球の長い歴史の中で、自然のリズムに比べたら、
いま生きてる人の人生の長さなんてほんの一瞬。

いっとき人が家を建て、人の営みがあった場所も、
人が居なくなればあっという間に自然に還る、
ってことですよね。
返信する
おひさです~♪ (miy)
2008-03-28 09:51:30
takakuraさん☆そうなのよ。
katakuraさんのいうとおり…。
悲しいかな北海道の大自然に立ち向かうのは並大抵のことじゃないのよね。

まぁこれは北海道に限らずでしょうが…
やっぱりtakakuraさんって北海道の住人のような気がしちゃうわ(笑)
返信する
Unknown (takakura)
2008-03-30 02:07:45
『静かな大地』 池澤夏樹
『羆嵐』 吉村昭

こういうの読むから、コメントが北海道人っぽく
なっちゃうんですかねぇ?
どっちも、名作ですよね。
返信する
あらら… (miy)
2008-03-30 13:44:48
takakuraさん☆うきゃぁ~
2冊とも知らなかったわ!
図書館に捜しにいこっと!
ちょっと楽しみになってきました!
返信する

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