12/13
守宮(やもり)との出会い。
メキシコ旅行から帰ってきて、洗濯の山を片づけてる夜に機内持ち込み用のバックの中から飛び出してきた。
私は虫が大嫌いで、もちろん爬虫類、両生類も嫌い。
この手のヤモリも、バリやタイでよく見てたけど、気持ち悪かった。じっくり見たことはなかった。
30度のメキシコから来たヤモリを-30度のカナダで家の外に出すこともできず、この日はブラッドが捕まえてタッパーに入れた。
旅の片付けが終わらず夜中まで続く。
タッパーが目に入るたびに嫌な気になった。キッチンから玄関に移した。
朝方は死んだ魚の匂いがしてきたから、もうすぐ死ぬんだと思ってた。
お店が開くと同時にブラッドがペットショップ行って飼育セットを買ってきた。
店員に言われるがまま一通り揃えた。
タンクに入って初めての写真。
名前はゲッキー。8㎝くらい
訳が分からなくて恐怖を隠せない体勢してるね。
こんなに手足の指開いちゃって。
このタンクに入ってる時は安全だから外からじーっと見れる。
見てるうちに可愛くなってきた。
どんな生き物なのか、寝不足になるまで調べた。
調べれば調べるほど、効果が違う電気や、ヒーターを買うことになった。
これはゲッキー一番の写真だね。
普段は上の蓋の隙間に狭そうに隠れて、懐中電灯で照らさなきゃ見えないから。
姿を見せないなんてつまらない奴だ。
12/25
タンクの上のカバーの通気口からゲッキーが脱走した。
外は-20度、外に逃げたとは思わなかったが、
乾燥か、飢えで死ぬんだな思った。
12/26
お金かけたタンクが役立たずのゴミにみえる。
それならばと、ヤモリを買いに行った。
ゲッキーサイズのやもり(house gecko)は日本のペットショップで蛇などのえさとして
100円から200円で売ってて、
冷凍で12匹入りで売ってる事を知ってすごくショックだった。
小さいヤモリが欲しかったが、ハウスゲッコーをペットとして売ってるところはなく、
ペットショップ3軒回ってゲッキーに一番近い形の大型守宮を買う。
名前はゲリー。20cmくらい
ゲッキーに比べて姿を見せてくれるし、目の前でコウロギをハントして食べてくれるし、
子供に触らせてくれるし、ペットとしての価値はある。
この家に来て初めての写真。
恐竜みたいな顔。
気持ち悪くて私は触れない。
この中にいる時はじっくり観察できる。
まだお腹がいい感じに締まってるね。
12/27
ガーゴイルゲッコーって種類の大型やもり。
ドジで動きもゆっくりでかわいい。いろいろ調べてこの子について知りたくなった。
いろんなポーズしてくれて、
特に夜はよく動くから飲みながら観察してた。
脱走したゲッキーはいても姿見せないから観察も何もない。
観察は餌と便の様子だけ。
12/28
オーマイガー!
おもちゃ入れる引き出し整理整頓してたら、カードや、レゴの説明書が入ってる
引き出しの紙の間から出てきたよ。
慌ててブラッドに電話してもう一つタンク買ってきてもらう。
驚いてるからしっぽがいつでも切れる準備してる。色がかわってるもんね。
脱走しても帰ってきて、これは運命なのねと一人熱い絆を感じていた。
でもこの写真以外姿を見せることはない。
その点このペットショップで生まれたお坊ちゃまは、
カッコいい!
1/1
ゲッキーのタンクに白い物体が。
よく見ると、脱皮した皮。
そういうの大好きなベンはすぐに顕微鏡でみてたよ。
タンクが2つあるのも悪くないなーって。思ってる時期。
1/4
1日に1回も姿を見せないゲッキーが珍しくガラスにへばりついてる。
裏は気持ち悪いね。
1/6
バナナあげてみた。好きみたい。
皮が剥がれそうな色してる。
1/12
うちに来てから初の脱皮。
脱皮中は見られず、朝、皮が指にくっついてるのを発見できただけ。
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2/1
私が爬虫類にハマりだしたら、ブラッドまで魚の用意し始めて揃えてる。
2/5
ゲーリーのいいところは
ペットとして、触れて癒されること。
2/7
寒い日でした。
朝9時から脱皮が始まり、約6時間かけてすべて終わった。
朝ジム行って帰ってきてからこのタンクに私がへばりついてた。
少しづつ口で手の方から引っ張りながらはがしていくのね。
脱皮した皮は食べてた。
なんとも神秘的。
もちろん皮はベンの為に少しもらった。
学校帰ってきてスキーウェアも脱がずに顕微鏡。
これまた細かく殻に色までしっかりついた綺麗な脱皮殻でした。
2/12
珍しくガラスにペタ
どんなポーズでも来い!
2/20
この日がゲッキーの人生の分かれ目。
ブラッドはもうタンクを買う時から言ってた。
姿は見せない、触れない。電気代ばかりかかるヤモリにお金をかける価値はあるのか。
でも子供と私はメキシコヤモリを大型ヤモリとは別々で見てきた。
この夜、私は爬虫類をつまみに、赤ワインを一人で飲んでた。
ゲーリーが動くたびに嬉しくて真っ暗な部屋で赤いライトだけ点けて
いい感じに酔ってた。
ゲッキーなんて触ったことないのに、気持ちが大きくなって触りだし、
ゲッキーをゲーリーのタンクに入れて「友達だよー。仲良くするんだよー」
なんて言って、写真撮った。
この写真を見たブラッドは、「そうだよ、2匹一緒にしてみよう」ってことになった。
ゲーリーは遊んでくれる。
2/27
一緒にする前に、子供達も触りたいってさわった。
可愛い目してるよね。
ゲッキーのしっぽ!ビビってる。
こんなに近くにいても、食べられないのかな。
って思ってた。
2/28
すぐにしっぽがストレスで切れて、跡形もない
ゲーリーが食べた。
しっぽが切れても2日間一緒にいた。昼間なんて体をくっつけて休んでる.
しっぽも伸びてきて、このままの関係で一緒に住めるのかと思ってた。
でもダメだった。
2回目のしっぽの切り口濡れてるの見た時あたりから、
ゲッキーが餌になるのが予想ついた。
2日後。
最後見たときは顔と前足がすっぽり口の中に入って、身動き取れない状態。
タンク叩いたり、昼用の電気点けたり消したりして脅かしたけど、
口は動かないまま鼻呼吸して口開けない。離さない。
チーン。
さすがにその写真は撮れなかったけど、
食後のお腹ポッコリの写真は撮れた。
子供にはこれが弱肉強食の世界だよとまとめておいた。
悲しくて切ない気持ちと残酷な自分を責める気持ちで
複雑で感慨深い10日間でした。