OLYMPUSのSTYLUS SP-620UZ(2012年2月発売開始:現在生産終了)を中古で入手しました。
コンパクトデジタルカメラの出荷台数は2008年の約1億1,000万台をピークに2011年や2012年には8,000万台あたりだったようです(一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)より)
時代はまさにコンデジ成熟期に発売されたSP-620UZでしたが、この後に発売されたSP-820UZ(2012年9月発売開始:現在生産終了)やSP-720UZ(2012年8月発売開始:現在生産終了)を既に愛用している身としては、やはり性能の面では今一歩の製品でした。
10年以上前のカメラの性能をあれこれ言うこと自体、野暮なことですが他のラインナップ同様、オールドカメラとして御紹介しようと思います。
まずは主なスペックとなります。
画素数:1,600万画素(当時は1,200万画素が主流)
レンズ:35mm換算25mm~525mm
ISO最大感度:ISO1600相当
電源:単三電池4本
画像処理エンジン:TruePic III(SP-820UZはTruePic V、SP-720UZはTruePic III)
画像処理エンジンが「TruePic III」ですが、同様のTtuePic IIIを積んだSP-720UZよりも処理速度、画質が落ちていることが気になりました。これは搭載されているDSP(デジタルシグナルプロセッサ)の違いによるものだと予想されます。
上面図です。
電源ボタン・シャッターボタンとズームレバーのみのシンプルな構成です。
物理的なモードダイヤルは廃止されています。フルオート撮影が基本のカメラのため、応用撮影といわれる「絞り優先モード」や「シャッター優先モード」などが省かれています。「全自動」「プログラム」を始め「マジックフィルター」「パノラマ」「3D」といった多彩なモードは健在です。
電源は単三電池4本で稼働します。
デジカメ黎明期は乾電池タイプの充電池でも十数枚で電池切れになるデジカメも多かったですが、eneloopが発売されたことで、その心配はなくなりました。
背面です。十字キーにOKボタン。録画ボタンに再生ボタン、そしてメニューボタンの4つです。
特徴は十字キーとスクロールダイヤルが同心円状に配置されていることです。これは同時期の一眼カメラのPenシリーズにも見られます。
一つ目の作例です。
望遠の実力を図るために使う川崎駅前からの風景です。
画面中央にある「サミット」の緑色の看板までの距離は約600mもありますが、512mm相当の焦点距離はそれを感じさせず、車や案内標識の圧縮感はやはり凄まじいです。
※OLYMPUS STYLUS SP-620UZで撮影:525mm相当 1/400sec F5.8 ±0.0EV ISO100
二つ目の作例です。
隅田川大橋から最大望遠でスカイツリーを撮影しました。距離的には3kmほど離れているせいもありますが、解像感はかなり失われています。
※OLYMPUS STYLUS SP-620UZで撮影:525mm相当 1/500sec F5.8 ±0.0EV ISO80
SP-620UZが発売された頃は同社のE-P3を手に入れ有頂天になっていた頃で、コンデジからは完全に卒業状態でした。当時この機種がかなりの安値で販売されていたにもかかわらず(下手すると10,000円切っていた)見向きもしなかったことが非常に悔やまれます。
「時代とはホントに恐ろしい」