素朴な疑問について、カンマニアの考察(ウンチク)を書いておきたいと思います。
厨房の頃から愛して止まないカンですけど、直流機と交流機の取り付け方の差が何でできたのかは知る由もありません。
古くはSLですが、SLは挿すだけで固定はしていないようです。車みたいにポンポン跳ねるわけで無し、深めに挿せば外れはしないです。
いつだったか末期の「なは」のヘッドマークが盗難にあいましたね。門司でやられたそうですが、持ち上げたら簡単に持って行ける状態ですと
防ぐのは難しかったのだと思います。
東海道九州夜行はボルトでガッチリ固定。こちらは単純にスピードに対応するためだと思います。ゆうづるのEF80も同形状。
そこで両者(直流機と交直機)のカン寸法は同じであるのか否かが興味の対象です。
国鉄のカンとJRのカン、両者コンパチできるのか?をお題にします。
実情、そのままではできないです。ではどうしたらできるのでしょう。
近いところのご事情で田端機、ここでいう直流機とはPFです。
元はと言えば国鉄寸法から改造されたわけですが、改造内容を下記にまとめてみました。
改造に手間はかけられないので、現業で考え抜いてコレに至ったのでしょうね。
①マーク上ステーカット
②マーク裏バンドステーリベット留め
③マーク下ステーのリベット留め
④機関車側下L字ステーへ2箇所穴あけ
図示しますと↓こうです。見辛い?
キッチリと現物を当たったわけではないですが、直流機の取付け高さと交直機では、65~70mmほどの差ができる改造を交直機側がされてます。
↓国鉄時の直流機&交直機
※↓右クリック 「新しいタブ」にてお開き下さい
例えますと・・↓ 上のステーに引っ掛けて下で固定。ところがこれを直流機に付けると・・
64に改造カンを付けると座面にカンの底がつかないので納まりがおかしいです。固定してないのでこれでは走れません。
信州カシにカンを付けなかったのは、付けられなかった・・てことです。
比較します。
改造前の2013年10月カシオペアクルーズにカシオペアヘッドマークを64-1051に付けましたね。次位機81-133に付けたのは改造後のカン。
この時従来品と改造済みの仕様違いカンが同時に使われた最初で最後のイベントでした。
直流機は全て同じ寸法で座が溶接されています。EF60~66(除く61)、EF80~81。ちなみにEF58は取付けピッチは同じでも
上側ボルトにスペーサーカラーを用いませんとカンを垂直にできなかったようですね。
改造したら当たり前ですが簡単には元に戻せません。取付け方を工夫して安全な下側の作業だけで脱着可能にしたのでしょう。
機関車の座をいじるわけにはいきませんので、掲出を65〜70mmほど上方にあげることで違和感極小にて落ち着いたようです。
先日の「再度9112列車」でDetail"A"と"B"の詳細部撮影の通りですが、ボルトナット締結ではなく着座させて南京錠施錠のみ
とはいやはや、気付きませんでした。つまり「カシオペアヘッドマーク」は81にしか付けられないカンになってます。あと付けられるとしたら
EF510-500番台、300番台 ですね。(510-300番台なんかステーのボルト穴が開いてないです)
現存のカシカンをPF、つまり東海道直流機関車に実車で付けるとしたら、何をすればよいのでしょうかってところでいきますと、
下ステーをチョン切って座の切り欠きを復活させて、上側の取付け穴のプレートをリベットでもなんでもいいから貼り付けると可能です。
しかしですよ、もうこれで使わない!って言う見切りができなきゃ追い改造なんて無駄ですわ。今のままでも捨て値で売ったって
100万とか200万でも買っていくかたいらっしゃると思います。ならば綺麗な状態で売りたいですよね!
結論がボヤけましたが、PFにカシオペアヘッドマークは付けられなくなったと言う事です。
自作ヘッドマークを隅田川に持ち込んでPFに付けさせてくれるイベントありましたが、PF営業実車にモノホンが付いたら最高だったです。
夢は寝てみます。
では~
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