行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

中身が大事

2015年02月10日 | 法句経
心なお、けがれを去らず

ただ袈裟衣(きいろき)をまとわんとす

されど、心ととのわず

業(わざ)、真理(まこと)にそわずば

袈裟(きいろき)を身にまとわんに

彼はげにそのあたえあらず (法句経第9番)


自分の中身がしっかりしていない人が、

黄色の袈裟を着ていても

心がととのっていないのだから

自制心と真理を備えていないのだから

ふさわしくない


心すでにけがれを去り

心よくいましめに住し

自らおのれをととのえ

業(わざ)、真理(まこと)にそわば

袈裟(きいろき)をまとわんに

げにそのあたえあり (法句経第10番)


自分の中身がしっかりしている人なら

自制心もあり

真理に根ざしているのだから

袈裟を着ていても

それにふさわしいのだ


これは、出家するものは格好だけでなく、中身もそれな

りに整えておかなければならないことを言っていますが、
お坊さんに限らず、どんな職業でも、人間として優れて

いることは大事なのです。

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快楽におぼれるな

2015年02月06日 | 法句経
世のことすべて 美 うるわ しと 観

諸根 こころ ただおもむくにまかせ

口にするもの 節度 はかり なく

こころはよわく はげみ少なし


誘惑者 まよわし

はかかる人を

魔手 て にはとらえん

まことに、かのつよ風の

力よわき 樹木 き を吹き倒すごと (法句経第7番)



世間知らずで苦労知らず、この世は楽しいものだと思い込み、
快楽におぼれ、
食べたいものは、満腹になるまで食べ、
怠けてばかりいるものは、悪魔のささやきに苦しむことになる。
弱い樹木が風に倒されるように。 


世のことすべて 美 うるわ しとは見ず
諸根 こころ はよくととのえられ
口にするもの、 定量 ほど をこえず
心 信 しん に、はげみはつよし
誘惑者 まよわし もかかる人を
魔手 て にとらうすべなし
まこと、つよ風に
微動 ゆる がぬ岩山のごと (法句経第8番)


この世の本質は苦しみであると知り、
快楽におぼれることなく、
食べ過ぎずに腹八分目にし、
自分を信じて、勤めはげむ者は、
悪魔も逃げていくことになるだろう。
岩山が風にびくともしないように。
 

苦しいことの中から楽しみを見つけていくのが人生です。快楽ばかり追い求めていると、あとはむなしさと苦しみだけが残ってしまいます。

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恨みをリセットしよう

2015年02月03日 | 法句経
まこと、怨みごころは

いかなるすべをもつとも

怨みを 懐 いだ くその日まで

ひとの世にはやみがたし

うらみなさによりてのみ

うらみはついに消ゆるべし

こは 易 かわ らざる 真理 まこと なり(法句経第5番)


怨みを抱き続けていれば、

また相手も怨み続け、

怨みが終わるときはない。

水に流して怨みを忘れることによって

怨みは消えるものじゃ

これはわかりやすい真理なのです。


われらはここ

死の 領域 さかい にあり

道を 異 こと にする人々は

このことわりを知らず

このことわりを知る

人々にこそ

かくていさかいは止まん(法句経第6番)


私たちは、いつかは死ぬ存在のものであることを自覚しよう。

しかし、この真理を他の人は知らない。

この真理を知る人々によってこそ

争いはなくなるのじゃ。


いつまでも恨んでいると、自分自身も苦しむことになります。どこかで気持ちをリセットしましょう。
この世の中は怨みや憎しみの言葉であふれかえっています。この怨みや憎しみは自分がまず絶つしかないことを考えましょう。

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