MOONLIT STORY ~月夜の物語~

月明かりに照らされた惑星地球をテーマに星空の写真を撮り続けています。

いま、光害が注目されています。

2008-11-30 21:41:22 | Weblog
今月の「JAF Mate」に、“光害を実感、「夜のピクニック」”というタイトルの環境ニュースが載っていました。

星に興味のある人以外は、光害(公害と区別するために、ヒカリガイと読む)という言葉を聞きなれないかもしれません。
簡単に言うと、人工照明によってもたらされる環境や人体に及ぼす害のこと。

かつては、増加する一方の照明によって、星が年々見えづらくなることに対する訴えが中心でした。
「JAF Mate」の記事は、フランスのパリ天文台の「夜のピクニック」で人工照明の過剰使用による光害を観測し知ってもらう企画をとっかかりに、大都市では星の90%以上が見えなくなっている現状がエネルギーの無駄遣いと生態系や人間の健康に害を与えているとし、フランスでは、今秋から光害の規制を盛り込んだ法案が審議されることを伝えています。

さらに、人工衛星の夜の画像から、際立って明るい地域はアメリカ東部・ヨーロッパ・日本の3地域で、それは先進国がエネルギーを浪費していることの証で、すなわち温暖化の主役であるとしています。


一方、時を同じくして「ナショナルジオグラフィックス誌」11月号では、「星空をとりもどせ」と題して、光害の特集記事が組まれていました。
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0811/feature04/

こちらはJAFと切り口がやや異なり、様々な夜行性動物の生態系に、人工照明がいかに害を及ぼしているかが紹介されています。


日本は、たった一国でヨーロッパに匹敵するほどの光を放っています。
世界一治安がいいのに、世界一街灯が立ち並んでいます。
もうすぐクリスマスですね。
近頃のエスカレートする一方のクリスマスイルミネーションに、違和感を感じるのは私だけでしょうか。