きょうは父の95回目の誕生日です。
もう認知症が進んでいて、私が誰かもあまりわかっていないようなので会いには行きませんが、それ以外はまだまだ元気でもしかすると百まで生きるかもしれません。
いつまでも元気で長生きしてほしいものです。
実はきょうは「正式な」誕生日ではありません。
本当は大正 14 年の 12 月生まれです。
当時は数え年、つまり正月でひとつ年齢が加算されてしまうので、12 月生まれの子供はわざと出生届(「しゅっしょうとどけ」が正しい。「しゅっせいとどけ」は間違い)を1月生まれとして出すことが多かったそうです。
父方の家紋は、三つ柏(みつかしわ)です。丸のない、葉っぱ3枚だけの柏。
三つ柏といえば土佐藩の山内家、そして三菱グループを連想してしまいますが、もともとは日本十大家紋にも選ばれるほど多い、つまり名前でいえば佐藤さんや鈴木さんのようにありふれたもので、それだけで出自はわかりません。
父は若い頃に両親を亡くし、長男としてとても苦労して育ちました。
そして歳がいってから公務員になり、当時の文部省でノンキャリアとしては最高位の職を勤めてから早期退職しました。
その後はいわゆる天下りで某大学で勤務しました。美智子さん(現在の上皇后)の出身大学です。
彼女は時折、お忍びで大学を訪れることがあり、父がお話のお相手として同席させてもらったこともあるそうです。
そこで語られたのは主に「皇室の愚痴」で、とてもここで書くわけにはいきませんが、いやー皇室のダークサイドは、えぐいほど根が深い。
ここで書いたら速攻でその記事が、もしかすると私自身が消されるでしょう。
それくらい世間に知られるとまずいことが、皇室には渦巻いているのです。
雅子さん(現在の皇后)が心労で病んでしまったのも充分にうなずけます。
まあ話を戻すと、認知症になる前の父はとても頭がよく、聞かせてくれる話はどれもおもしろく、私が単行本を執筆中にわからないことがあると、電話をしたら何でも教えてくれました。
血圧が高いのと耳が遠いのを除けば、年齢にしては健康体といえます。
認知症の中で、父は「自分にしかわからない幸せな日常」を、心の中で過ごしているのではないでしょうか。