以前、消してしまったブログで「8」さんという、まあちょっと不思議な名前ですが実は私はこの人を直接知っていて、中の人がものすごいことを認識しているのですが、この人にリクエストされて綴った書き込みのことをいま突然に思い出したので、同じ形にはできませんが似たようなものを、残しておきます。
この人は双子の女の子でね、まあ片方だけでピンでも世間に充分通用する子が双子で双発の重機関砲、実に物騒な子たちなんですよ。
いま事情があって連絡できないんで、できるようになる日を待ち望んでいるんですけどね。
この子のリクエストは「心霊体験の話を、ぜひ聞かせてください」でした。
私は「何々が見える」とかいう病原菌は持っていないので、そっち系の体験はありません。
本当に見える人はおそらく世界で万にひとり億にひとりで、そんな希有なもんが中学高校あるいは身近にいると本気で信じるほどお気楽でもありません。
だからこの体験が心霊現象だと決めつけるつもりはないし、うちのにゃんころが夜な夜な身長 8m くらい(それと同じくらいの尻尾もある)の黒豹に変身して狭そうに部屋で丸くなっていることなど、説明して誰に通じるはずもないでしょう。
その夜は、地を抉るほどの、雨でした。
仕事で遅くなった私は JR を降り、自宅に向かうバスに乗りました。
私の家は、海の埋め立て地にありました。
いまは政治的理由で幕張メッセができてしまい、もう存在価値もなくなって廃止されてしまいましたが、当時は「展示会といえばここ」の存在でした。
そのすぐ手前が、私の降りる停留所でした。
ところが連日の疲れで車中で眠ってしまい、私は乗り過ごしてしまったのです。
この先はその展示場の前、そして終点の埠頭です。
夜中に展示場に行く奴なぞおらず、まして展示場の近くに住みたいという物好きもおりません。
住宅も何もない中を、バスは展示場の横を、走っていました。
見えるのは隣の埠頭の、倉庫の明かりだけです。
私は終点から、折り返しのバスがまだあることを祈りながら、流れる倉庫の明かりを眺めていました。
そのとき対向車線から、バスがきました。
普段から自家用車も通らない時間帯です。バスは、暗闇の中を照らす旅人の提灯のように、存在意義を主張しながらすれ違っていきました。
まさに1秒もなかったでしょう。ほんの一瞬の出来事です。
バスの後部座席にひとりだけ、乗客がいました。
膝上ちょっと上のタイトな白いワンピースと、とても大きい鍔の白い帽子でした。
いわゆる「レトロな服装」の女性。
改めて見る時間もなく、バスは去っていきました。
終点に着いた私は、運転手に訊ねました。
「折り返しのバス、まだありますか」
「そりゃ無理ですよ、とっくに終わってます」
「え、でもついさっき、バスとすれ違いましたよね」
「そんなもん、ありませんでしたよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
そこから1時間くらいかけ、傘なんぞ何の役にも立たない豪雨の中をずぶ濡れになりながら、歩いて家に帰りました。
あれは、何だったんだろう。
それからの私は、地元の図書館などを徹底的に洗いました。
いまどきあのようなファッションで、しかも夜中にバスに乗るような人がいるはずがない。
しかも服装から見て、それなりの身分の女性。そこらの女性の着る服ではない。
ならば「過去にこの地で命を落とした、そういう身分の女性」しか考えられないではないか。
何も見つかりません。
埋め立て地なら工事中に何かあってもおかしくないのに、それなりの婦人が事故に巻き込まれた記録が、どこにもないのです。
あの体験を曲がりなりにも説明してくれるデータが、何ひとつないのです。
あれは、何だったんだろうか。
繰り返しますが、私は心霊現象だのなんだの主張するつもりは、毛頭ありません。
「不思議なことがあった」のを話したかっただけです。
な、プロが語ると、それなりに引き込まれるだろ?
この人は双子の女の子でね、まあ片方だけでピンでも世間に充分通用する子が双子で双発の重機関砲、実に物騒な子たちなんですよ。
いま事情があって連絡できないんで、できるようになる日を待ち望んでいるんですけどね。
この子のリクエストは「心霊体験の話を、ぜひ聞かせてください」でした。
私は「何々が見える」とかいう病原菌は持っていないので、そっち系の体験はありません。
本当に見える人はおそらく世界で万にひとり億にひとりで、そんな希有なもんが中学高校あるいは身近にいると本気で信じるほどお気楽でもありません。
だからこの体験が心霊現象だと決めつけるつもりはないし、うちのにゃんころが夜な夜な身長 8m くらい(それと同じくらいの尻尾もある)の黒豹に変身して狭そうに部屋で丸くなっていることなど、説明して誰に通じるはずもないでしょう。
その夜は、地を抉るほどの、雨でした。
仕事で遅くなった私は JR を降り、自宅に向かうバスに乗りました。
私の家は、海の埋め立て地にありました。
いまは政治的理由で幕張メッセができてしまい、もう存在価値もなくなって廃止されてしまいましたが、当時は「展示会といえばここ」の存在でした。
そのすぐ手前が、私の降りる停留所でした。
ところが連日の疲れで車中で眠ってしまい、私は乗り過ごしてしまったのです。
この先はその展示場の前、そして終点の埠頭です。
夜中に展示場に行く奴なぞおらず、まして展示場の近くに住みたいという物好きもおりません。
住宅も何もない中を、バスは展示場の横を、走っていました。
見えるのは隣の埠頭の、倉庫の明かりだけです。
私は終点から、折り返しのバスがまだあることを祈りながら、流れる倉庫の明かりを眺めていました。
そのとき対向車線から、バスがきました。
普段から自家用車も通らない時間帯です。バスは、暗闇の中を照らす旅人の提灯のように、存在意義を主張しながらすれ違っていきました。
まさに1秒もなかったでしょう。ほんの一瞬の出来事です。
バスの後部座席にひとりだけ、乗客がいました。
膝上ちょっと上のタイトな白いワンピースと、とても大きい鍔の白い帽子でした。
いわゆる「レトロな服装」の女性。
改めて見る時間もなく、バスは去っていきました。
終点に着いた私は、運転手に訊ねました。
「折り返しのバス、まだありますか」
「そりゃ無理ですよ、とっくに終わってます」
「え、でもついさっき、バスとすれ違いましたよね」
「そんなもん、ありませんでしたよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
そこから1時間くらいかけ、傘なんぞ何の役にも立たない豪雨の中をずぶ濡れになりながら、歩いて家に帰りました。
あれは、何だったんだろう。
それからの私は、地元の図書館などを徹底的に洗いました。
いまどきあのようなファッションで、しかも夜中にバスに乗るような人がいるはずがない。
しかも服装から見て、それなりの身分の女性。そこらの女性の着る服ではない。
ならば「過去にこの地で命を落とした、そういう身分の女性」しか考えられないではないか。
何も見つかりません。
埋め立て地なら工事中に何かあってもおかしくないのに、それなりの婦人が事故に巻き込まれた記録が、どこにもないのです。
あの体験を曲がりなりにも説明してくれるデータが、何ひとつないのです。
あれは、何だったんだろうか。
繰り返しますが、私は心霊現象だのなんだの主張するつもりは、毛頭ありません。
「不思議なことがあった」のを話したかっただけです。
な、プロが語ると、それなりに引き込まれるだろ?