盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

自分で守るという概念

2013-01-08 18:07:08 | にゃんころ

アレルギーの給食で死んだ児童の話の続報が、ニュースで流れました。
それによると、「アレルギー持ちの児童がおかわりをする場合、担任が献立を確認せねばならない決まりだが、担任がそれを怠ったのが原因」と結論づけたとの発表でした。

「担任だけが悪い」という話の進め方に、ものすごく強い懸念を覚えます。

理由は山ほどある。
1.なぜ事件(決して事故ではない)が起きて1ヶ月も過ぎてから、そのように「新たな事実」が発表されたのか
2.なぜ献立表に「アレルギー持ちはおかわり禁止」のマークがつけられていなかったのか(その責任は誰にあるのか)
3.なぜいまだに教育委員会の調査ばかりで、外部の第三者による調査が行われていないのか
4.なぜその児童がアレルギー持ちで危険だという認識が、クラスの中で共通認識になっていなかったのか(誰かが諌言するでしょ?)

そして、いちばん大きいのは、

5.なぜ親が「お前は安易におかわりをしてはいけない、命に関わる体質だ」と、厳しく躾けていなかったのか

1から4はどうでもいい。問題は5です。
アレルギーを葵の印籠か何かと勘違いしてるんじゃないでしょうかね。

そりゃ、お子さんが亡くなったのは、気の毒ですよ。
しかし「命を落とさないための躾け」を、この親が厳しくやっていたとは、とても思えない。
お腹がすくかもしれないなら、安全な副食を持たせるのが当然でしょ。
お前は危険な体質だからおかわりをするな、お腹がすいたらこの副食を食え、というのが親の仕事でしょ。
そして、事前にアレルギー持ちがいるとわかっているなら、学校も教育委員会もそれを周知徹底して「この子には安易に食べ物を与えてはいけない」と厳命するのが当然の話でしょ。

つまり報道の範囲で解釈する限り、これらの義務がなされていたとは到底思えず、この担任ひとりにすべての責任を押し付けようとしている姿勢にしか見えないのですよ。
学校や教育委員会は、いまだに「調査の結果いじめはなかったと結論づけられた」などと平気で口にする輩なので、いまさら言及する価値もありません。
問題は、親です。
家庭でやるべきことを、すべて学校に丸投げしたら、責任を負わされるのは現場の教員なのです。

現場の誰かを尻尾切りすれば話が丸く収まる時代ではありません。
親が親の責務を果たさない、それが当たり前だとわめいて通用する昨今、学校も教育委員会も文部科学省も、「親に責任があるだろ」と声を大きくしなければいけない、そうしなければ「無理が通れば道理が引っ込む」状態に、いまの日本はなっているのです。
もしもこれで「担任だけが悪い」で済まされてしまったら、また同じことが何度でも起こり、詰め腹を切らされた現場の人間が何度も理不尽な不幸を背負わされていき、それで話が終わってしまいます。

「親が悪い!」
この事件に関しては、私は何度でも繰り返し、これを大声でいい続けます。


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