盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

プラネテス

2018-09-24 13:15:24 | にゃんころ
このところ日本の宇宙活動が賑やかです。

はやぶさ2から切り離されたセンサーユニットは無事にリュウグウに着陸し、ISS への輸送機こうのとり7号は H2B ロケットで軌道投入に成功しました。
これで日本のロケット H2 シリーズの成功率は 97.8%、おそらく世界最高となりました。
アメリカ、ロシア、中国なども高いのですが、彼らはこっそり打ち上げて失敗したら公表しない(勘定に含めない)こともあるので、いまひとつ信用できません。

インドのロケット成功、スペースXの参入、小型衛星の需要増加、そして火星移住計画などで、人類はどんどん宇宙への進出をすすめています。
ここで問題になるのが、スペースデブリの増加です。

スペースデブリとは文字どおり「宇宙ごみ」。
打ち上げ時に切り離されたものの大部分は、重力で落下して燃え尽きるか海上に落下します。
しかし無重力の場所で切り離されたタンクやフェアリング、ボルト、使用済みの人工衛星、爆発や衝突で飛び散った破片などはそのまま約 8km/s で宇宙を彷徨い続けます。
これがスペースデブリです。

現在、地球から追跡できる 10cm 以上のデブリは、少なくとも5兆 8,000 億個あるといわれています。
国際宇宙ステーション ISS も、デブリ群が接近する時は軌道を修正するそうです。
これからもデブリは増え続けて行くでしょう。


幸村誠「ブラネテス」というコミック(&アニメ)があります。
舞台は 21 世紀後半、人間が月に進出し、巨大な宇宙ステーションに大勢の人が暮らしている、という設定です。
主人公は「デブリ屋」。
宇宙ステーションからデブリ回収船を出して、大小さまざまなデブリを回収したり、大気圏に落として燃え尽きさせる、宇宙の掃除屋です。

20 年ほど前の作品ですが、そろそろ現実的にデブリを増やさない、減らす具体的な対処が必要な時代になってきました。
宇宙開発も結構ですが、たとえばデブリが衝突して新たなデブリを生み、それがまた衝突、を繰り返すと地球はデブリに覆われ、宇宙から孤立してしまいます。
これを「ケスラーシンドローム」といいます。


地球上でもプラスチックのストローを禁止したり、日光で分解されるペットボトルの開発など、ごみ問題が深刻になっています。
中秋の名月に、デブリも深刻であることを頭に入れながら、夜空を眺めてください。

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