昨年末から秋田や近くの山の姿形について順次語っている。
焼石岳(こちら)の次はその南西にある東山だ。
このお山、秋田でも南東の端っこ、岩手との県境にあり、
奥地なので平地からは見えにくい。
秋田では国道13号線を南下、横手市十文字町から平地を少しだけ、
西側に移動すると(十文字町植田付近まで行くと)
南東の山あいにラクダのコブのような変わった姿を現す。
ラクダは確かフタコブまでと聞いているが、このお山はミツコブだ。
2017/12/31 十文字町植田付近から東山を望む。
東山やそれが見える十文字町植田の位置は次のマップで確認いただきたい。
参考マップ
ところで同じ場所(十文字町植田)からは東山のすぐ左側(北側)に焼石の山なみが望まれる。
2017/12/31 十文字町植田付近から焼石岳の山塊を望む。
東山の読みは変わっている。
私はずっと「ひがしやま」と思っていたが、
約十年前、山と渓谷社・発行の新分県登山ガイド4「秋田県の山」を読んだところ、
「とうざん」と読むことを知った。
山と溪谷オンラインの解説によると、
「正式名は、東山(とうざん) 標高1,116m」
「栗駒山群の北端に位置する山で、三角点のある下東山と高峰の上東山の2つの峰からなる。
山腹のブナ林は特定植物群落に指定されている。
東山の古名は「東山森(どやもり)」で、2つの峰を仲間(ドヤク)に見立てたことと、
東方にあることに由来するという。
三角点のある下東山へは道はなく、やぶこぎが強要される。」
とあった。
こんなお山だが、私は登山をする遥か前、子供の頃から知っていた。
何故ならば、私の実家の玄関前からこの山が見えるのだ。
それは真人山(まとやま)という地元の有名な低山の右奥にちょろっと見える。
名前を知りたかったが、私の家族も近所の大人たちも誰もわからなかった。
再び、十文字町植田付近からの東山の眺め。
2016/02/18
こんな姿の山は珍しいと思う。
近くから見たいと思うのは私だけだろうか。この日は山麓まで行ってみた。
十文字町から国道342号線を東進、東成瀬村に入り、
焼石岳の山裾に突き当たったら、国道を南進、
谷地の集落が近づくと、東山がまた見えて来る。
椿川の休憩所、確かビューポイント栗駒に登るとよく見える。
左が下東山(1117m)、真ん中が上東山(1116m)、右の山は名前がわからない。
下東山(1117m)と上東山(1116m)
下東山(1117m)をアップで。
同じ山々の春風景。撮影日は2015年4月23日。
新緑の頃。撮影日は2016年5月14日。
秋、紅葉が始まった頃。撮影日は2017年10月11日。
ところでこのお山に私はまだ登ったことが無い。
先のガイドブック(新分県登山ガイド4「秋田県の山」)によると、
この山に登るには、西山麓の天江(てんごう)集落の国道端にある
NTT関連設備から始まる林道に入る。
そして三合目のアンテナ塔付近の駐車場に車を置き、
そこから歩きとなるとのこと。
なお登山道は上東山(1116m)までで、コースタイムは約2時間とあった。
1m高いだけの最高峰・下東山(1117m)に至る道は無いようだ。
参考マップ
私の場合、マイカーの車高(最低地上高)が低く、この林道の走行は難しいと聞いている。
そのためいまだに登頂を果たせていない。
単独だとクマも不安だし、生きている間に登頂できるのだろうか。
このお山、東の岩手側から望むことは難しいようだが、
北東にある焼石岳からは見えた。
2021/10/14 焼石岳山頂付近から東山方面を眺める。
以上。
「栗駒山」に続く。
(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)
11月2日はあまり好い天気ではなかったが、秋田県南にある未踏の低山二座に登ってみた。
このお山は私の実家(横手市十文字町)からも北に見える。
子供の頃からよく親しんだ山だったが、登山するのは今回が初めて。60年目での登頂となる。
下山後の帰り道、大森町から眺めた黒森山と御嶽山
最初の黒森山(763m)は
美郷町六郷から山頂近くにある登山口、黒森峠まで舗装道路(主要地方道12号線)が走っている。
黒森峠の標高は既に約660mなので、登山口との標高差は僅か100m、
登山口から歩くこと30分弱で山頂に到着することが出来る。
黒森峠から黒森山の広葉樹林を望む。
約100mの標高差を一気に登ると、平らな山頂部に達する。
田んぼの畔のようなまっすぐな道の途中に標識が有り、右折。
杉林や灌木の藪の中を五分ほど歩いたら山頂だった。
黒森山頂への分岐
黒森山頂の三角点
ここは一応、一等三角点だった。
山頂は広く平らで南側と西側が開けている。
今日は雲が多く、視程も良くないが、栗駒山と泥湯三山が微かに見えた。
黒森山頂から栗駒山
泥湯三山
西側には鳥海山。
これではあまりにも呆気ないので、稜線続きの御嶽山にも足を伸ばしてみた。
初っ端、一ヶ所だけ急坂があり、そこを過ぎると、748m峰の稜線になる。
急坂
道はよく整備されており、眺めがとても良かった。
748m峰の稜線から横手盆地を望む。
748m峰の稜線から横手盆地を望む。鳥海山は雲に隠れてしまった。
とてもいい眺めだが、残念なことに紅葉はほとんど終わっていた。
御嶽山
御嶽山のブナ林
メインルート(一本杉登山口)への降り口
御嶽山の山頂(751m)はブナやスギの森林に包まれ、展望は皆無だった。
山頂の塩湯彦神社は厳重に冬囲いされていた。
というわけで御嶽山の方はちょっとがっかりだった。
同じルートを引き返すと、途中の748m峰稜線から奥羽山脈脊梁の女神山の眺めが良かった。
左から秋田女神、真昼岳、女神山。
秋田女神と真昼岳
女神山
東側には焼石岳の山並みがあるが、この日は雲をかぶっていた。
この日はこの後、横手市山内の南郷岳に登ってみた(⇒ こちら)。
以上。
本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイク、再アップしたものである。
ここは5月連休明けの東成瀬村某所。先のレポート(東成瀬のスプリングエフェメラル1)よりは少し奥地になる。
標高はやはり200m程度だが、奥羽山脈脊梁にもろ接しており、豪雪地帯なので雪消えはすこぶる遅い。
同じ秋田でも沿岸部の男鹿半島などと較べると、一ヶ月くらい開花が遅くなる。
このスポットは人家裏の段丘だが、カタクリの花筵やミズバショウ、山桜、春紅葉など雪国の春の風物詩が一箇所に圧縮されていた。
土手斜面にはキクザキイチゲやカタクリ、土手下の小川にはミズバショウ。
ミズバショウ
クリの木の下にはカタクリ。木の上にはヤドリギ。
カタクリ カタクリとオトメエンゴサク(エゾエンゴサク)?
落ちていた枝はヤドリギ。
キクザキイチゲ キクザキイチゲとカタクリ蕾
キクザキイチゲとカタクリ
この土手から少しだけ歩くと奥羽山脈脊梁斜面に突き当たる。
この斜面、何気に見上げて( ̄π ̄;吃驚。
スプエフェの花筵がどこまでも続いてるぅぅぅぅう!
今まで見た中では最大スケールか。
まだ咲き出して日が浅く、疎らな感もあるが、もう二、三日したらもっと密な花筵になることだろう。
カタクリの大株
11月5日は水心苑の紅葉を見て機嫌が好かったのか、
家内から、明日(11月6日)はお好きな山にどうぞとお許しが出た。
急な話なのでどこへ行こうか迷ったものの、(11月6日は)三年前の春、一度行った国見岳に行くことにした。
国見岳と言ってもどこのお山かわからんと思う。
秋田県の南部、湯沢市の辺境にある低山で高さは587m。
山頂からの眺めがとても素晴らしいお山で、特にここから眺める鳥海山は素晴らしい。
下の写真は三年前の春、国見岳山頂から見た鳥海山だ(詳細はこちら)。
2018年5月21日撮影
今回は先月下旬から冠雪した鳥海山や対面にある長子内(ちょしね)連山を山頂から眺めることを目的とした。
ただ心配なのは国見岳の登山道。三年前行ったときはちゃんと道が有った。
しかし此処は登山者が極めて稀な山なので、登山道はたぶん手入れされていないだろう。
どうなっているものやら。これは行ってみないとわからない。
更に山頂に着いても鳥海山が雲に隠れていたら、(T_T)アウトだ。
そのため、この日は保険の意味で、別場所で早朝の鳥海山を拝してから、国見岳に向かった。
早朝6時頃、由利本荘市猿倉・亀ケ森橋から眺めた鳥海山
一瞬だが、中腹の森が朝日を受けて紅く燃え上がり、紅(くれない)の鳥海山になった。
今年、この辺りから見た鳥海山としては最も好い姿だった。
6時半頃、猿倉の集落から。
今日は朝早く四時前に家を出て、由利本荘市猿倉地区で鳥海山を眺めてから、湯沢市に入っている。
ところが湯沢市が近づいたら、急に濃霧に包まれた。
ちょっと心配になったが、国見岳の山麓に着いたら霧は晴れていた。
これが国見岳(下山してから撮影)。
ここで一応、参考マップ。
前回同様、下宿集落から入山し、杉林の空きスペースに駐車。
ここで道は二股に分かれており、初め真っすぐに進んだところ、途中で道は消失していた。
しかたなく踏み跡のような分かれ道に入り、林の中を藪漕ぎしていたら、
なんとか見覚えのある正規の登山道に辿り着いた。
下山してからの話だが、上写真、右の林道を最初から進むのが正しかったと分かった。
杉林の中の正規の登山道を進む。目の前にホオノキの落ち葉がびっしりの道の向こうにお堂が現れた。
ここまではしっかりした道だった。
その後の登山道は荒れ放題。右上写真のような草藪をかき分けて進む。
草藪がワラビやゼンマイなど羊歯ばかりのところは楽だったが、
ミツバアケビのような蔓ものやモミジイチゴのように棘のある灌木が茂ったところは通過するのに難儀した。
夏場ならば鉈を携行した方が良いだろう。
迷わなければ一時間と少々、しかし今回は 初っ端から迷ってしまったので
約二時間かかって見覚えのある山頂草原に到着した。杉の木はもう花を咲かせていた。
山頂草原から西側の眺め
国見岳の山頂部は西に開けた草原になっており、素晴らしい眺めだった。
しかし鳥海山には残念ながら、雲がまとわりついていた。
対岸には雄長子内(おちょしね)、雌長子内(めちょしね)山、奥に鳥海山。
雌長子内(めちょしね)山のアップ
雄長子内(おちょしね)山のアップ
東鳥海山。中ほど奥のこぶのような山は甑山。
山頂から西側、旧稲川町や湯沢市方面を眺める。
来る途中、湯沢市は濃霧だったが、上から見るとまだ雲海だった。
山頂で景色を眺めながら、早い昼飯(握り飯)を食べていたら、初老の男性が一人登ってきた。
私の姿を見てかなり驚いていた。聞くと、その御方は山麓で三梨牛を飼っており、
地元の山なので、年に二、三回のペースで登っているが、ここ数年来で鹿や狸ではなく、人に会ったのは今回が初めてだ。
南西側の大沢から始まる林道を歩いて登ってきたが、そちらの林道も手入れされていないので、藪がひどかった。
・・・とのこと。
東の焼石岳も見たかったので、その男性と一緒に大沢の林道を少しだけ下ってみたが、
道はススキやヨモギに覆われ、惨憺たる状況だった。
大沢林道の状況。 参考までに2018年5月21日の大沢林道
このままだと、国見岳はもうじき夏場に登れない山になる。と嘆いていた。
東側、焼石岳を望む。
下山してから、さっきまで居た国見岳の山頂広場を仰ぎ見る。
下山してから、雄長子内(おちょしね)、雌長子内(めちょしね)山を望む。
雄長子内(おちょしね)山をアップで。
県南のマッターホルンと呼ぶ人も居る。
雄長子内山は国見岳山頂で会った御方からも登るようしきりに勧められたが、
ワタシは遠慮しておく。((((((逃geru
国見岳の帰り道、横手実家付近を掠め、実家からもよく見える二山、真人山と金峰山を見ながら帰った。
この二山は小学、中学時代はよく登ったが、本格的に山歩きするようになってからはずっとご無沙汰してる。
真人山(390m)
金峰山(450m)
なお先月末、登ったばかりの保呂羽山(登山記録はこちら)も遠くに見えたので、付け加えておく。
保呂羽山(438m)
今回は国見岳山頂から鳥海山は見えなかったし、紅葉も無かったが、
予想外のことが多く、愉しい山行きとなった。
以上。
この日は午前中、秋田県南の未踏峰、黒森山と御嶽山に登ったが、
時間が余ったので、未踏三座目として横手市山内にある南郷岳(681m)に午後から登ってみた。
山麓から南郷岳
非合法マップ
(手持ちの登山ガイド書「山と渓谷社 新・分県登山ガイド【改訂版】4秋田県の山」に掲載マップに加筆)
このお山、手持ちの登山ガイド書には五合目までクルマで行け、一時間程度の登りと書いてあったが、
いざ行ってみたら、奥の方の林道はわだちが深く、クルマの腹がもろに擦れた。
これはたまらんと思い、慌ててバックで数百メートル引き返した。
そしたら途中で脱輪してしまったが、根気強く慎重に対処したら、ナントカ危機を脱することが出来た。
結局、手前の林道分岐付近に自車(柿の種号)を置いてテクテク歩くことにした。
林道分岐付近の空き地に駐車。 林道赤渕線をテクテク歩く。
それでも一時間半もかからず、山頂に到着できた。
何故ならば登山道は林道よりもよく整備されており、歩きやすかった。
しかし期待していた紅葉はさっぱりだった。
五合目から先はアカマツ並木?が続いたりして、ちょっと驚く。
なお登山道(参拝道)は異常なほど広かったが、両側が樹林で視界は利かなかった。
アカマツ並木
やがて杉と広葉樹が現れる。
この杉の木は(´π`;)なんかヤバい雰囲気だ。
途中、樹間からちらと山が見えた。焼石連峰の前衛、三森山のようだ。
八合目・お隣堂を過ぎたら、風景は一変した。
狛犬のすぐ後ろには大黒様や恵比寿様だろうか。
一対の狛犬より先は素晴らしいブナの参道に変わっていた。
このような参道は見るのも歩くのも初めての経験だ。
参道はかなりの急勾配だ。
ここのブナは紅葉がたけなわだった。
山頂部は平らで樹木はブナから杉に変わっていた。
ブナ林の下はユキツバキの群生地。 山頂の金峰山神社。ブルーシートは冬囲いだろう。
金峰山神社の裏、西側は伐採され、草地になっていて展望も良好だった。
まずは北側から。
横手の街並みや大曲方面の眺め。
午前中登った御嶽山が見える。
女神山と真昼岳
よく見ると岩手山まで見えるじゃないか。
南郷岳山頂から岩手山。
この日の雲の多さと視程の悪さはしょうがないとして、西側には鳥海山。
朧気ながらも鳥海山
南郷岳は奥まった場所に有るというのに展望はなかなかのものだった。
春、ユキツバキの咲く頃、しかも鳥海山が見える晴れた日に再度チャレンジしたいものだ。
というわけで、春の南郷岳に行った時の記録は
こちら↓
新緑の南郷岳に登る。(2021年5月12日)
この日は山頂から遠くの山々もよく見えた。