(本頁は「男鹿寒風山の花図鑑(1)春」の続きです。)
この山では初夏に咲く花が意外に少なかった。
六月に咲く数少ない花はタニウツギ。
寒風山は草刈りや火入れで草原を維持しているので、草原内に樹木は少ないが、
タニウツギは例外のようだ。ここでは丈低く、草花のように見えた。
タニウツギ Weigela hortensis
2010/06/03
寒風山では真夏が近づくと、いろいろな花がワッと咲き出す。
ノハナショウブ Iris ensata var. spontanea
2009/08/24
(右上)カキラン Epipactis thunbergii
2009/08/24
夏の草刈りの際はヤマユリを上手く避けて刈っている。
そのおかげかこの山にはヤマユリがけっこう多く残っている。
ヤマユリ Lilium auratum
2009/08/24
(右上)カセンソウ Inula salicina var. asiatica
2009/08/24
カワラナデシコ Dianthus superbus var. longicalycinus
2009/08/24
キバナノマツバニンジンは 北米原産、アマ科の帰化植物で
ごく最近、秋田市内の造成地などでも見かけるようになった(例えばこちら)が、
寒風山ではけっこう早い時期(少なくとも20年以上前)から見い出されている。
大噴火口の芝地に群生しているが、ここはパラグライダー愛好家の多い場所。
彼らと何か関係があるのだろうか。
キバナノマツバニンジン Linum dedium var. medium
2008/09/01
(右上)ヒキヨモギ Siphonostegia chinensis
2017/08/20
ヒキヨモギはハマウツボ科の半寄生植物で一年草。
秋田県内では新しく作られた道路のり面などでときどき見かけるが、長続きせずすぐに消えてしまう。
常に見られるのは寒風山くらいだろうか。
個人的には、寒風山の真夏の代表花はオオナンバンギセルではないかと思っている。
ヒキヨモギ同様、ハマウツボ科だが、こちらは完全な寄生植物。
寒風山大火口の草原には昔から多い。
2009/08/24
オオナンバンギセル Aeginetia sinensis
2009/08/24
スズサイコは各地で絶滅危惧種として扱われているが、寒風山には多い。
ところがこの花の開いたものにはまだ出会ったことが無かった。
調べてみたところ、夜間に咲く性質だと知り、だとしたら当然かなとも思った。
スズサイコ Vincetoxicum pycnostelma
2007/08/25
(右上)ウツボグサ Prunella vulgaris subsp. asiatica
2009/08/24
この花は夏枯草(カゴソウ)とも呼ばれるように花の終わった後に立ち枯れる性質がある。
私が子供時代(50数年前)は平地の道端でも当たり前に見かけたものだが、
近頃は帰化植物に押されてしまったのか、滅多に見かけなくなった。
山あいでも自然度の高いところに限られているような気がする。
コマツナギ Indigofera pseudotinctoria
2017/08/20
コマツナギは草のように見えるが、実は低木。和名は「駒繋ぎ」の意味、茎が丈夫で、
馬をつなぎとめることができることから名付けられたと言われる。
クサフジ Vicia cracca
2017/08/20
(右上)ツルフジバカマ Vicia amoena
2017/08/20
「(3)晩夏~秋」へ続く。
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