モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

スプリング・エフェメラルの花筵・前編

2023年03月28日 | 野草/春

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)

花は一輪でも美しいものだが、いっぱい集まって咲いてたら、
更に美しく、愉しい気分になってしまう。

日本の自然界で見られる花の集団、しかも綺麗なものとなれば、
高山のお花畑が浮かぶが、

私のように時間や体力の無い者はなかなか見に行けるものではない。
もっと身近なところで見られるお花畑は無いだろうか。

実は・・・( ̄π ̄;有るのだ。
場所は意外にも人里に近い低山。雑木林の下や沢筋などに特定の季節にだけ現れる。
その規模は北国や雪国に行くほど大きくなり、個々の花も元気に咲く傾向がある。
お花畑の出来る時期は、雪が融けて数日後から桜の咲く頃までの約半月間。
この限られた期間に、あっという間に芽を出し、葉を広げるよりも素早くよく目立つ花を一斉に咲かせる。
だから綺麗なお花畑が突然現れたように感じるのだが、
花が終わると、後から生えてきた丈の高い草や木に覆われてしまい、変哲の無い草藪になってしまう。
この花達の多くは花が終わるとすぐに実をつけ、わずか一ニヶ月後には葉も茎も融けてしまう。
斯様な慌しい人生(?)を繰り返す一群の植物を、
スプリング・エフェメラル Spring ephemeral(春の妖精 or 蜻蛉、春植物)と言う。

キクザキイチゲとカタクリ。西和賀町にて。



スプエフェ(スプリング・エフェメラルの略)の代表と言えば、
誰もがカタクリの名を挙げるが、

秋田や岩手のような北国では、カタクリと並んで、
或いはそれ以上にキクザキイチゲ(キンポウゲ科)の姿を見かける。
花色は白と薄青紫の2タイプあり、
場所によっては、混生したり、花筵を敷いたように群生したりと、なかなかみごとなものである。

キクザキイチゲ。西和賀町にて。
   



色違いは園芸植物では当たり前のことだが、野生植物では珍しい。
カタクリとキクザキイチゲがほどよく混じっている花筵シーンをいくつか。




西和賀町にて。



東成瀬村にて。



西和賀町にて。



エンレイソウやエゾエンゴサクも少し混じっている。西和賀町にて。



こんな綺麗な花筵の中で、おにぎりを食べたらさぞかし美味しいだろなと思う。
しかし座るときは、( ̄π ̄;要注意。
冬眠から覚めたニョロニョロが彼方此方で日向ぼっこをしている。




そろそろカタクリに焦点をあててみよう。
この林はボランテアが定期的に笹刈りをしている。

西和賀町にて。



次のカタクリ群生地は水田に面しており、やはり定期的に草刈しているようだ。
カタクリの群生を維持するにはある程度、人手が必要と見た。

鳥海山麓にて。






カタクリは単品、クローズアップでも十分絵になる。

白花タイプ。西和賀町にて。
   

                                           花被の「蜜標」が見える。西和賀町にて。


カタクリの群生と言えば、仙北市西木地区が有名だ。

仙北市西木のカタクリ園にて。






このカタクリ群生地はクリの栽培地。
立派なクリを育てようと笹や下草を刈り、堆肥を与えていたら、

いつのまにかカタクリが増えて花筵になったと聞く。
したがって、この地のカタクリ群生は完璧に人為的なものと言える。




西和賀(岩手県)にもそういう場所がある。

西和賀町にて。



カタクリは圧倒的な群生も素晴らしいが、疎らに楚々と咲く姿もいいものだ。

西和賀町にて。



後編」へ続く。


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2 コメント

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Unknown (サクラ母)
2023-03-28 18:18:51
いつも素敵な写真ありがとうございます
あまり素敵なのでリンクさせていただきました
これからもよろしくお願いします
返信する
サクラ母さんへ。 (モウズイカ)
2023-03-28 20:58:18
コメントありがとうございます。
旧ホームページ(モウズイカのガーデニング狂時代他)が近く無くなりますので、
コンテンツを移行中の一環です。続きもありますのでよろしくお願いします。
返信する

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