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見慣れない人

(画像は、5月に広尾で撮ったもの:本文との関連はなし)

仕事の都合で、いつもとは違う帰り道を歩いていく。
ちょっと疲れ気味の身体で、通りを歩いていると、
スーパーマーケットが見えてきた。
店頭に並んだ商品ポップの値段は、お手頃な価格だった。
ガラスドアから、店内の様子を見ると、夕方の混雑も去っているように見える。
帰り道のついでに生活用品を買っていくことにした。

数点の食品を持ってレジ前で並んでいると、
前の男性客がレジの女性店員に訊ねていた。
「タバコって扱ってませんか?」
「いえぇ、ちょっと扱ってないんですよ」
レジを打ちながら、女性店員は、失礼ではないが、
あっさりとした口調で応えていた。
男性客は、がっかりしたような表情を浮かべて去っていった。
NAは、タバコを吸わないほうだけど、
近年の禁煙ブームには、ちょっと神経質気味なものを感じてしまう。
同情はしないけど・・・。
しみじみとした気分になってしまう。
男性客が去ると、すぐに順番となった。
このスーパーマーケットでは、ビニール袋は、要望しないともらえないらしい。
大きなバッグを持っていたこともあって、ちょうどよかった。
「喫煙者には、またキツい”ご時世”なのかな?」
ぼそっと、つぶやいた言葉に女性店員の表情が変化した。
笑いをかみ殺したような表情を浮かべていた。
「まあ、そんな時代なんじゃないかしら・・・」
精算は、手早かった。
「ありがとうございました」
女性店員の声には、どこか愉快そうな響きを含んでいた。



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