昨日の「資生堂レディスオープン」では、三日目に首位に立った青木瀬令奈プロ(29)が、
期待通り69とアンダーで廻り、通算14アンダーで逃げ切り、昨年6月の「サントリー
レディス」以来の通算三勝目を挙げました。四日間を68 69 68 69 のスコアは立派でした。
女子プロの29歳は、レギュラーツアーに出場し続けていればベテランと呼ばれる昨今です。
二勝目以降は勝てずにいると、アッという間に時間が過ぎ、ズルズルとシード権なども失って
<キャディも務めた大西翔太コーチと>
しまう年齢ですよネ。そのような選手、結構います。30歳になる前に勝てたことは、彼女が
言う、“人生が変わる三勝目” になるでしょうネ。その年齢以上の選手達の励みにもなります。
でも この一年間、“なぜ勝てないか、どうしたら勝てるのか、それだけを考えてきた” と
いいます。それには、自分自身の気持ちを整理してゴルフに対して向き合う時間を作る為に、
「懺悔(ざんげ)ノート」を書き始めたそうです。多い日は5・6ページ書くこともあり、
一年経った今では6冊目に突入したとか。プロゴルファーとしては稀な復活方法ですよネ。
現在、青木瀬令奈プロは日本女子プロゴルフツアー(JLPGA)の選手会に当たる「プレーヤーズ
委員会」の委員長に就任(20年)して二年目。この役職においても彼女の優勝は意味深いですネ。
これまで歴代の委員長は、比嘉真美子・有村智恵プロらプロ入り当初からレギュラーツアーで
活躍していたエリート選手でしたが、彼女はプロ入りから三年半、下部ツアーで下積み生活を
送っている苦労人です。下部ツアー出身の異色のリーダーと呼ばれました。 委員長に就任
した際は、2017年の「ヨネックスレディス」で、やっとツアー初優勝しただけの実績でした。
しかも2020年は、新型コロナウイルス感染拡大という、かつてない逆境の真っ只中でした。
<小柄(153センチ)で飛距離(230ヤード)も出ないのに3勝目は立派です>
下部ツアーで戦っている時代、燃料代の捻出に窮し、自宅から車でわずか10分の練習場に
通うのをためらった経験も味わっています。コロナ禍により苦境に立っている仲間に寄り
添い、代わりに声を上げる事ができるのは自分だという強い思いもあって引き受けたといいます。
そして、もう一つの強みは事務処理能力でした。青木プロは、群馬・前橋商高時代に簿記や
情報処理を専門的に学んでおり、その時の学業も今の「プレーヤーズ委員長」としての業務に
活きているといいます。そんな青木瀬令奈プロの優勝もゴルフファンとして嬉しいですネ。
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