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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-01】2年目の光熱費-省エネ狭小住宅-

2016-07-19 10:41:12 | ministock-01
1年ほど前にミニストック-01の1年間の光熱費をご紹介しました。
そして、毎度毎度私のわがままにお付き合いしてくれるYさん(もうイニシャルじゃなくて神と書きたいくらいです)から、再び2年目の光熱費を教えていただきましたので、比較も踏まえてご紹介いたします。

まず、今回の記録の期間は2015年5月から2016年4月までの期間となり、これを2年目と表記します。ちなみに1年目は2014年6月から20015年5月までなので、2015年の5月だけラップしているのはご了承ください。
そして、前回と同じように1年間の光熱費ですから、空調、換気、給湯、照明、家電すべてを含めた電気とガスの使用料金となります。
もちろん空調は原則24時間運転です。(中間期の一部は運転を止めて、冷房期、暖房期は連続運転ですので、ON-OFFを繰り返す作業はありません)

それでは電気代からですが、1年目の¥90,014に対して、2年目は¥83,900でした。¥6,114減っています。
次にガス代は、1年目の¥51,405に対して、2年目は¥44,760でした。¥6,645減っています。
つまり光熱費は、1年目の¥141,419に対して、2年目は¥128,600でした。
1年目と比べて¥12,759光熱費が下がっています。


原因は、
1.生活パターンの変化
2.気象条件の変化
3.建物内の水分が気化した
4.基礎下地盤の温度変化が少なくなってきている
辺りが考えられます。

1と2は毎年変化するので、言うならば当たり年と外れ年があります。
3については、基礎や木材に含まれていた水分が1年目に抜けたために、2年目は気化熱で奪われる分が少なくなるので、今後この部分については、変化が少なくなるはずです。
4は、今まで外気の影響を受けていた地盤は、建物が建ったせいで直射日光も当たらなくなり、雨や雪も直接浸透することもなくなりました。加えて、基礎断熱にすることでその地盤は床下空間の熱を奪っていましたが、時間が経つにつれて、地盤と床下の温度差が減るので、この部分も変化が少なくなります。

つまり、1年目より2年目の方が光熱費が下がるのは、家族の人数が変わらなければある程度想定の範囲内になります。
さすがに家族が増えるとお湯や家電製品を使う時間が増えるので、光熱費はふえる傾向にあります。

それにしても、¥12,759も減るのはうれしい誤算です。

だって、1年目の光熱費は1カ月当たりに均すと¥11,785でしたが、2年目は¥10,722です。
要は、丸々1か月分の光熱費が減っちゃいました

すげっす。

そして、ミニストック-01はまだ終わらない。
シャア風に言えば、「まだだ、まだ終わらんよ」ってやつです。

1年目の太陽光発電の売電額は¥87,400でしたが、2年目は¥93,138にアップ。
¥5,738増えてくれました。

実際、気象庁データを調べると2年目の日照時間は、1年目より25時間増えています。
また、先ほどの3と4の理由から、日中の電気使用量が減っているとすれば、より売電に回すことができるので、結果的に増えたのだと考えられます。

これらの結果から、1年間の光熱費から太陽光の売電額を差し引くと、

1年目の¥54,019に対して、2年目は¥35,522と大幅減。

つまり実質1カ月当たりの光熱費は、1年目の¥4,502も大したものでしたが、2年目は¥2,960になってしまいました。

うーん、¥2,960と若干¥3,000を切っている辺りが、怪しい通販番組に似ていますが、本当にこの金額です。

結論として、

この2年間の光熱費を比較してみて、建物が徐々に安定してきていることが分かりました。
ミニストックが本領を発揮し始めたという事ですね。

ちなみに補足ですが、

10年間限定の太陽光発電買い取り期間のため、実質光熱費が¥3,000を切る異常事態(!?)になっていますが、載せている太陽光発電はわずか3.04kWです。パネルを載せられるだけ載せたゼロエネ住宅とは本質が違います。

このため、特別な買い取り期間が終わったとしても、そもそも太陽光発電に頼り切った設計をしていないので、影響は少ないことでしょう。

将来も見据えてのミニストックの本領と言えます。


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