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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

省エネへのモチベーション

2011-12-20 13:35:27 | 建築法規・施策

ちょっと前ですけど、資源エネルギー庁より「今後の省エネルギー政策の展開について」という資料が公開されています。

掻い摘んで説明すると、住宅におけるエネルギーの消費量は1973年と比較すると2.4倍に増えているが、エネルギー効率は過去30年間で4割改善されており、それは世界最高水準にあるとの事です。この中で今ある問題点としては、震災においてさらなる省エネが必要になり、今後制度の強化が必要だということです。

人口が~、世界水準が~の前段の後に、震災があったから省エネしようという内容です。

分かったような、分からない様な。

約40年前から日本の人口は1600万人増えただけなのに、エネルギー消費量は住宅だけで2.4倍に増えているわけですから、それはそれは問題だとなるわけです。

道具は省エネ品がどんどん増えているのに、道具が便利になるばっかりに、家中が道具に溢れ、エネルギーを使っている様です。

Photo

しかし、世界から見た日本のエネルギー消費量は、正直、これっぽっちというレベルです。

このグラフは、一単位のGDPを算出するのに使っている一次エネルギーの量を比較したものです。

環境先進国と言われているヨーロッパ諸国の約半分。

今や飛ぶ鳥落とす勢いの中国やインドの1/8です。

ここまですごいのになぜさらに省エネに取り組まなければいけないのでしょうか。

理由は簡単ですよね。

まず一つ目は、今年の夏の節電対策。

ニュース、新聞さまざまな所で節電を目にしましたが、その内容の半分くらいは、結局のところ「我慢すること」でした。

ある意味、日本人に一番ピッタリな節電対策と言えますが、ものには限度がある、それだけでは決定的な有効打にならないという事です。

そして、もう一つの理由は、世界は持っているのに、日本は持っていない2つのもののため。

それは、エネルギーと労働力。

エネルギーを自給自足できていませんから、世界水準がどうのこうのじゃなくて、効率よくエネルギーを使わなければいけないんです。

もう、有無も言わせないほど必然ですね。

さらに労働力の減少も深刻です。

世界は人口が増え続けているのに、日本は人口が減り始めています。そして、15歳から64歳までの生産年齢についても40年後には、戦前レベルにまで落ち込んでしまう予想です。

世界がエネルギーと労働力で勢い付けようとする中、日本だけが、あれもない、これもないで置いてかれる寸前です。

私たちが考えているより実のところ国が一番焦っていると思います。「2位じゃだめですか」とかのレベルじゃないですね。圏外に行きそうですから。

税制改正大綱が閣議決定された事ですし、来年以降、住宅に関する事がどんどん変わっていくはずです。それに乗り遅れない選択が最低限で、未来を見た選択が住宅建築に必要になってきます。

話が大きくなりましたが、例えばネイティブディメンションズの提案はというと、

30年とか35年で住宅ローンを組むと思います。長期の固定金利でローンを組んで返済額を変えない工夫は可能です。

しかし、住んでからの電気代、ガス代はこれから先、どれほど変動するのか予想もつきません。ありえない値上げがあっても不思議じゃない時代になると思われます。

省エネの実践というキーワードがイメージできなくても、それを生活に置き換えればこんなに分かりやすい話になります。

つまり、建物総額も大切ですが、同等かそれ以上に住宅と生活の維持費に重点を置いた計画が必要ということです。

もちろん最低限ではなく、未来を見据えて。


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