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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

まじめなほどダメージ大きい場合。

2019-11-22 21:28:18 | 建築法規・施策
今日は朱鷺メッセにて全国9都市の主要都市説明会に指定されている「改正建築物省エネ法説明会及び省エネ技術講習会」に参加してきました。

私はおしゃべりする方でしたので、開催前は優雅に控室に待機。
45分前に必ず会場入りしてと言われて行ったけど、打ち合わせは5秒で終了。

する事ないので、控室で煙突から流れる煙を見てたそがれていました。



そして、今日のお話は盛沢山。

この資料の山。
それぞれが100ページくらいあるんですよ。

法律の話と、設計の話、施工の話ぜーんぶを一気に話すわけですが、

元々数年前までは、それぞれ一日かけて別々にお話してたんです。
つまり、昔は二日半くらい使ってたのに、今日は3時間で一気にまくしたてる感じ。

くー、時代はスピード化されています。

なーんて、ビビる必要はなくて、伝えたいのは1点のみ。
余りの速さにその話は埋もれていましたけど。

それは、

来年の法改正で、一般的な住宅の省エネ基準適合の義務化は見送られましたが、「建築士から建築主への説明義務」が加えられます。

来年公布ですので、実施は再来年からという事になります。

当初くだらないと思ってたんですが、とっても嫌味な書類なんです。

適合は義務化されていないので、適合していてもしていなくてもどちらでも構わないんですが、

それを建築主に書面にて報告しないとなんです。

しかも、

しかもですよ。

適合してればなんてことないんですが、

適合していない場合、

適合するためには、あとどの位補強しなければいけなくて、

しかも、

その補強に必要な金額を報告書に明記しなければいけないんです。

面白くないですか。

つまり、

適合していなくても、適合させるための計算や積算をしなけばいけなんです。

適合するための準備をするのに、適合しないことを報告する。

もし、

建築主が、「私がアンチ省エネなんです。省エネ住宅なんて作る必要ないよ!」と思っている場合、
建築主はそれを書面で建築士に伝えれば、建築士は説明をする必要がなくなります。

分かりますか?

つまり建築主が基準適合を希望していなければ、分からなくもない話ですが、

建築主は適合を希望しているんだけど、適合させない場合は、適合するための仕様と金額を提示してから、適合しない工事をするっていう。

こんな日本語あったっけ?みたいな、ちょっと何言ってるか分からない感じですけど、



まじめな建築士(※)であれば、そんな作業がばかばかしいと考えて、適合した住宅を作ることでしょう。

不真面目な建築士(※)であれば、そんな説明すらばかばかしいと考えて、書類すら作らずに報告をしないことでしょう。

これから建築される皆さんが、「書類にて報告が必要なんだ」という事さえ知っていれば、

まじめか不真面目かが知ることができる様になります。
情けない法律ではありますが、はっきり分かるようになります。

うーん、だったら義務化すればいいのに。


(※)建築士とは誰の事を言うのか、国交省に確認中です。
というのも建築士は建築士事務所に所属している建築士と、建築士事務所に所属していない建築士がいます。
建築士法における建築士事務所の運営にも絡んできているので、建築士事務所に所属している建築士じゃないと報告できないという解釈ができるのですが、その様であるのならば、より工務店さんと設計事務所の立場が明確になってきます。

建築士の責任がだんだん(元々だけど)大きくなってきてるのかな。
より明確化されてきたってことか。









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