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断熱工事が一通り終わりました。
壁は外張り断熱の真骨頂。
建て物を継ぎ目なく、くるっと覆っちゃいます。
それに対して屋根は外張りですが、垂木間断熱という充填タイプの施工方法を採用しています。
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また、この画像は住居部分とラボの境目でもあるので、気密、断熱、防湿、防風、通風が複雑に絡み合うジャンクションのような場所。
このジャンクションはこの先の工程においても、とても丁寧な施工が必要になる場所ですが、大工さんはもう手慣れたもので粛々と作業が進んでいきます。
この施工方法のメリットは先ほど挙げた気密、断熱、防湿、防風、通風の層がすべてきっちり同じ材料で連続していること。
また、湿気を通しにくい耐力壁と水平構面の面材がどの層よりも内側にあるという理想的な断面構成です。
何が理想かというと、建物の断面構成は室内の湿気が壁に入らないようにすること。
そして、万が一入ってしまった場合は、速やかに外部に出せるようにすること。
これが原則です。
よって、湿気を通しにくい材料ほど内側に、湿気を通しやすい材料ほど外側に並べるのが基本(※)で、ネイティブディメンションズは壁も屋根もそのように並べられています。
また、屋根は垂木の間に充填していると述べましたが、屋根の断熱材の厚さは11cmあり、加えて通気層が3cm必要なため、14cmの垂木を使用しています。
一般的な垂木の大きさは6cm程度。
2倍以上の大きさの垂木を使用していますが、これには他の理由もあります。
ネイティブディメンションズは周辺環境の制約がなければ極力軒を出す設計を基本としています。
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75cm~1m20cmくらいまで軒を出すことがありますが、そこまで軒を出すには逆に14cmの垂木が必要になるんです。
雪が積もることを前提に構造計算した屋根にはこのくらいの垂木が実は必要なんです。
しかしこの垂木の採用には、大きな欠点があります。
通常、垂木の上に張る合板(一般的には野地板という)は水平構面という横方向の地震力に抵抗する材料でもあるんですが、この合板が有効に働くには垂木の大きさを9cm以下にしないといけないんです。
つまり、14cmの垂木を採用しているネイティブディメンションズの場合、垂木上に張る合板は地震に対してちっとも有効じゃない材料という事になります。
じゃぁ、どの材料で地震に抵抗しているかというと、
一番最初に書いた、湿気を通しにくくするために張った断熱材より内側の合板。
屋根の場合、垂木の下に張った合板という事になります。
そう、この天井に張られた合板。
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湿気を通しにくくする為に張られた合板は、地震に抵抗するための材料でもあり、
ネイティブディメンションズに詳しい方ならご存知かと思いますが、
その材料がそのまま2階の天井になります。
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意匠、構造、外皮性能の何かに偏りすぎると、知らぬ間に何かに対してのメリットが別の何かに対してのデメリットになってしまうことがあります。
このブログで常々書いていますが、意匠、構造、外皮性能を同時に考えるという事は、設計者にとって必要な作業なんです。
これが理由ある設計です。
(※)壁表面を吸放湿させるという考え方もあります。設計者の目的に適した方法が採用されているかが一番重要です。
壁は外張り断熱の真骨頂。
建て物を継ぎ目なく、くるっと覆っちゃいます。
それに対して屋根は外張りですが、垂木間断熱という充填タイプの施工方法を採用しています。
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また、この画像は住居部分とラボの境目でもあるので、気密、断熱、防湿、防風、通風が複雑に絡み合うジャンクションのような場所。
このジャンクションはこの先の工程においても、とても丁寧な施工が必要になる場所ですが、大工さんはもう手慣れたもので粛々と作業が進んでいきます。
この施工方法のメリットは先ほど挙げた気密、断熱、防湿、防風、通風の層がすべてきっちり同じ材料で連続していること。
また、湿気を通しにくい耐力壁と水平構面の面材がどの層よりも内側にあるという理想的な断面構成です。
何が理想かというと、建物の断面構成は室内の湿気が壁に入らないようにすること。
そして、万が一入ってしまった場合は、速やかに外部に出せるようにすること。
これが原則です。
よって、湿気を通しにくい材料ほど内側に、湿気を通しやすい材料ほど外側に並べるのが基本(※)で、ネイティブディメンションズは壁も屋根もそのように並べられています。
また、屋根は垂木の間に充填していると述べましたが、屋根の断熱材の厚さは11cmあり、加えて通気層が3cm必要なため、14cmの垂木を使用しています。
一般的な垂木の大きさは6cm程度。
2倍以上の大きさの垂木を使用していますが、これには他の理由もあります。
ネイティブディメンションズは周辺環境の制約がなければ極力軒を出す設計を基本としています。
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75cm~1m20cmくらいまで軒を出すことがありますが、そこまで軒を出すには逆に14cmの垂木が必要になるんです。
雪が積もることを前提に構造計算した屋根にはこのくらいの垂木が実は必要なんです。
しかしこの垂木の採用には、大きな欠点があります。
通常、垂木の上に張る合板(一般的には野地板という)は水平構面という横方向の地震力に抵抗する材料でもあるんですが、この合板が有効に働くには垂木の大きさを9cm以下にしないといけないんです。
つまり、14cmの垂木を採用しているネイティブディメンションズの場合、垂木上に張る合板は地震に対してちっとも有効じゃない材料という事になります。
じゃぁ、どの材料で地震に抵抗しているかというと、
一番最初に書いた、湿気を通しにくくするために張った断熱材より内側の合板。
屋根の場合、垂木の下に張った合板という事になります。
そう、この天井に張られた合板。
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湿気を通しにくくする為に張られた合板は、地震に抵抗するための材料でもあり、
ネイティブディメンションズに詳しい方ならご存知かと思いますが、
その材料がそのまま2階の天井になります。
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意匠、構造、外皮性能の何かに偏りすぎると、知らぬ間に何かに対してのメリットが別の何かに対してのデメリットになってしまうことがあります。
このブログで常々書いていますが、意匠、構造、外皮性能を同時に考えるという事は、設計者にとって必要な作業なんです。
これが理由ある設計です。
(※)壁表面を吸放湿させるという考え方もあります。設計者の目的に適した方法が採用されているかが一番重要です。
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