ミニストック-16は新潟市内で計画するお住まいです。
積雪1.0mで構造計算を行いますが、耐震等級ってどんな感じなんでしょう。
ネイティブディメンションズの標準等級は耐震等級2です。
耐震等級3が流行っている世の中ですが、私が耐震等級2を標準としている理由は、構造計画を取り入れたプランニングをして、耐力壁の配置をバランスよくするため。
逆を言うと構造計画されていない間取りで無理やり耐震等級3にするために耐力壁の配置バランスを崩すことはしていません。
とにかくバランスにこだわっています。
バランスです。
毎度毎度のことですが、0.3以下で合格のところ、どの階、どの方向もほぼ1/10以下の検定比。
つまりとってもバランスがいい建物ということ。
なぜバランスがいいかと言えば、間取りを考えるときに構造のゴールを意識しながら考えているから。
その方法は、先週より始まった構造実践塾にてお話ししていますので、興味がありましたらどうぞ。
(お申込みはすでに締め切られていますので、またいつか)
でも(毎回ですが)、ここでは終わりません。
耐震等級3までの道筋を考えます。
「あとどれくらいで耐震等級3になるんだろう」
設計のアイディアは常に疑問から生まれます。
まずは2階の壁から。
左が耐震等級2の耐力壁配置で、
右が耐震等級3の耐力壁配置。
まったく同じ。
釘の本数を増やしただけで、それ以外の材料は増えていません。
次に1階の壁
2階と同様釘の本数だけ増やして耐震等級3の計画をしました。
1か所だけ構造用合板を増やしました。
耐震等級計算はこれだけではありません。
梁の配置計画も変わってきます。
左が耐震等級2の梁配置で、
右が耐震等級3の梁配置。
大きな赤い囲みの中の梁配置で12cm×12cn長さ91cmの梁が3本、45cmの梁が3本増えました。
小さい赤い囲みの梁の寸法ですが、18cmから21cmに変わりました。
そして、バランスはどうなったのでしょうか。
耐震等級2の時よりもよくなっちゃいました。
耐震等級2のバランス配置と
耐震等級3のバランス配置。
性能を上げた分のコスト増が建物全体のコスト配分に見合っているかどうか。
釘の金物代と梁6本、合板1枚だけであれば、コスト的にも問題ないでしょう。
って、それよりも。
耐震等級2と耐震等級3ってそれしか違わないの?って思いませんでした?
そんなもんですという場合もあれば、そうでもないっていう場合もありますが、
全般的に構造計画が取り入れられて大きな吹き抜けがない間取りであれば耐震等級3は比較的簡単に取ることができます。
耐震等級3にするとコストが「とっても上がる」って言うのは構造計画を取り入れていない証拠。
構造って耐震性能の事だから、いざという時にしか分からない性能と思われがちですが、コストコントロールの第一歩でもあるんです。
だからとっても大事。
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