新潟で家を建てようと思い立った時、少しでも長持ちする家を望むのは自然な事です。
それではどういった住宅が長持ちするのでしょうか。
ほにゃらら工法で建てられた家でしょうか。
その家だけの特別に設計された家でしょうか。
世界と比較した場合、日本の住宅寿命は極端に短く、欧米では50年以上が当たり前です。つまり、長寿命住宅です。
結論が早そうですね。答えはそこにあります。
日本の住宅はたくさんの材料で作られています。細かく拾い出して見積書を作成すると70ページ以上にもなり、ちょっとした短編小説みたいになります。
そしてそれらの材料を生産するメーカーは日本全国無数にあり、それぞれが特徴を出すべくオリジナリティあふれた商品を売り出しています。(もちろん目的は売上を上げるため)
また、住宅メーカーや設計者も既製品に捉われずに独自の合理化やデザイン性を出し、他社との差別化を図る事でアピールを繰り返します。
一方欧米の住宅も当たり前ですがたくさんの材料で作られています。
そしてそれらの材料を生産するメーカーは無数にありますが、商品は基本的にメーカーが違えどもパーツが規格化されており、メーカーは販売地域を特定する事で共存しています。特定って言うと堅苦しいですが、要は地元で作って地元で販売しているという事。
つまり、どこで買っても、いつ買っても、形は同じなんです。
別にびっくりする事じゃありません。
日本だって釘やビスは全国どこに行っても同じものが売っています。それと同じ事。
長寿命住宅の秘訣ってすごく簡単なことなんです。
設計した内容、使っている材料が特別なものでない事。10年後、30年後、50年後もきっとある材料を使って、設計士であれば理解できる図面で簡単に手を加えられる事。
メンテナンスせずに何十年も住み続けられる家はありません。
定期的なメンテナンスこそ寿命を延ばす秘訣であり、そのメンテナンスする時に新築する時に使った材料がその時も流通しているかが重要なんです。
建材メーカーが毎年カタログを更新して、新商品を出す建材が何十年後も残っているとは思えません。むしろ、次の年に廃番になる事もあります。
ハウスメーカーが独自の合理化で開発した「ほにゃらら工法」が何十年後も残っているとは思えません。さらに言えばお客様に竣工図を不足なく渡しているのでしょうか。そして、その図面は数十年後にそのメーカー以外の設計士が見ても読み取ることができるのでしょうか。
当事務所では、特別変わった材料は使っていません。むしろ普遍的で昔からあって、たぶんこれからもあり続けるだろう材料でデザインをします。また、オリジナルな工法もありませんが、綿密に計算を行って耐震性や快適性をデザインします。そして、一番重要なのは、それをご説明して、図面に残しています。
住宅の寿命を延ばす事は難しい事ではありません。むしろ、難しいのはそこに住みたいと思い続ける気持ちじゃないでしょうか。
思い続けるには、どれだけ気持ちを込めて作れるか。
気持ちを込めた家が数回の打ち合わせで決まるとは思えません。そして、わずか何十日で建つとも思えません。
そこのお手伝いを当事務所は一番大切にしています。
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