世界的な建築家 手塚貴晴先生が4/10にfacebookに投稿した記事を思い出しました。
丸っと引用するのは失礼なので、原文は先生のfacebookを見ていただきたいのですが、
大雑把な内容は、模型ばかり作らされる若者が不満を漏らす。早く詳細図面を描きたい。もっと教えてくださいということに対して、先生が世の中は甘くない。もっと地道に仕事を覚えてこそ、その道で一生食べられる技術を身に着けられるものだというものでした。
私もそう思いました。
実際に、一つ一つの仕事を時間をかけて覚えてきました。
それが昨日の記事にもつながっているんだと思います。
その先生の記事が投稿された次の日から、ネイティブディメンションズにR女史が帰ってきました。
2度の産休育休を終えての復帰。
実は、育休は期限を設けずに働きたくなったら連絡してと伝えてありました。
そして、今年の2月に連絡が来て、
自分にとって建築をこのまま終わらせたくないと思ったそうです。
産休前は意匠図や外皮計算をお願いしていましたが、今回復帰してから「そういえば模型を作らせたことなかったな」と気が付きました。
いえ、知ってました。
だって、模型づくりって超楽しいからやらせたくなかったんです。
模型づくりって、自分が頭の中で想像したものを図面化して、その想像したものと描いた図面が本当に立体になるのかを確認する作業です。
つまり、エッシャーのような芸術ではなくて、頭の中でイメージしたことがこの世に存在できるかを知れるので「イメージ+図面+立体の成功」という3重の喜びとなって帰ってくるんです。
でも、それをいつまでも私が味わうわけにはいきませんよね。
終わらせたくないと思ったR女史にそれを覚えてもらわないと。
自分の図面が本当に立体になるのか。
模型作りは、設計力を育ててくれます。
製作途中に進捗を聞くと
今までの人生でここまでうまくいかない事ってなかった気がするとか、
想像と手と気持ちがなかなか揃わないとか、
相当へこたれていました。
そしてようやく完成
「室内から見たい必要な景色」や「光の入り方」、「風の取り入れ方」と「通りから見える窓の配置」を何週間もかけてディスカッションした外観
室内の抜けを意識しながらも隣家からは視線を感じにくいようにする窓の配置と建物の向き
使い勝手に超こだわりつつ、全体のデザインのバランスを整え、爆笑ポイントもしっかり押さえた室内。
などなど
Tさんとのご要望は過去のミニストックの集大成にさらにプラスαを加えたようなものなので、初めて作るにはハードル高いかなとは思っていましたが、
感想を聞くと
確かに模型の型紙を作っているときは頭がこんがらがって迷子になっていたけど、
型紙を切って組み立てる作業は、楽しくて仕方がなかったと言ってくれました。
自分で描いたものがカタチになる作業のすばらしさを感じてくれたようです。
私は模型作りを取られてすねていますが(小さっ)。
じゃなくて、
まだまだ丁稚ですが、どんな成長をしていくのか私も普通に楽しいです。
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