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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-10(lab)】はば-グランドピアノがある小さい家-

2019-12-18 12:38:41 | ministock-10(lab)
ネイティブディメンションズは、小さい住まいをご提案する設計事務所ですが、ミニストックという名前のつく建物とそうじゃない建物があります。

小さい建物の中でも、「そこそこの断熱性能」の建物をミニストックとしていて、「それなりの断熱性能」の建物はそれ以外という分け方をしています。「超すげー断熱性能」は、私が設計するサイズでは必要ありません。

その境目がどこにあるかというと、「そこそこの断熱性能」での年間光熱費のシミュレーションが¥240,000以下になるか、ならないか。
面積でいうと大体75㎡くらいだと思います。(経験知的な感想)

長期優良住宅は75㎡以上で認定を受けられますので、「そこそこ」では物足りないと国から言われているような感じ。
「やっぱ、いい住宅ってそれなりの断熱性能必要だよね~」って、そこそこ上から言われてる感じ。


でも、それを設計のアイディアで覆したのがミニストックなんだぞって事。
教科書通りがすべてじゃない。
違いの分かる男、鈴木です。



で、ミニストック-10はミニストックの中でも最大規模クラス。
冷暖房する範囲の床面積が70㎡。
(ちなみに一番小さいミニストック-11が57㎡なので、13㎡(約8帖)くらいの幅があるということ)


計算結果として、

建物の断熱性能は、Ua値0.36W/MKでやっぱりそこそこ
でも、建物の総熱損失量は、118.94W/Kとそれなりの性能。

この違いなんです。

と言っても、分かりにくいと思うのでこれを光熱費に換算してご提案します。
この性能の時、年間光熱費のシミュレーション結果は¥197,676になりました。
月々に均すと¥16,473
全館冷暖房してです。

目標よりも約¥40,000低くなっていますが、これ以上大きくすると「快適性」が下がる可能性が高くなります。
これも経験知的な感想で、条件付きで大きくする場合もあります。
もちろん、オーナーさんのご理解があればです。

他と比べるとそこそこでも、建物単体で検証するとそれなりの性能を持っている住まい。

単に他と競争して、性能が勝ってる負けてるじゃなくて、この住まいに必要な性能は何かをきちんと向き合う事。
この違いを理解しているか理解していないかで、温熱設計の見つめる先が変わってきます。
また、見つめていても、実際に実現できるかどうかのアイディアを持っているか。

加えて楽しくなっちゃうようなアイディアかどうか。

そればっかりを考えている設計事務所です。




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