navikuma のブログ 陽炎のようにゆらめく景色のなかを走行中です。

ユーラシア大陸の端っこからのたわごとです。

ウクライナ方面への旅-13

2006年12月24日 | 日記
多分このモーテルで一番大きな部屋のこれまた大きなベッドで長い忘れがたき出来事に満ちた一日の疲れを癒やすべくぐっすり眠った。*(ウインク)*

目覚めたのは太陽がすでに南ウクライナのぬけるように澄みきった蒼穹の高みに昇ってしまってからだった。
小窓にかけられた寸足らずで薄いカーテン越しに鋭い陽光が差し込んできていて,部屋の中はもうすっかり昼間の明るさに満たされていました。*(晴れ)*

窓の外には緑色を基調しているスコダのディーラーの建物がすぐ隣にありそこの駐車場にはたくさんの車が見えた。
東欧市場をベースに好調な商売を展開しているヴォルクスワーゲングループのスコダは西隣のチェコが本拠地だがここウクライナでもとってもたくさん見かける。
コスト・パホーマンスが高いのでEUに参加して急速に経済成長をする特に東欧市場で売りやすいのだろう。小型から中型車種に集中してラインアップしているようだ。

すこしねぼうしたので約束の11時に間に合うように朝食はパスした。

10時過ぎにフロントに行ってチェックアウトをしついでにタクシーを呼んでもらった。

やはり昨日と同じ大宇(数年前からシボレーブランドに替わっている)の小型車で運転手に行き先の名前と住所を書いた紙片を手渡して昨日のガレージへ向かってもらった。

この街の反対側にいくことになるがまだ時間は十分にあったのだが。*(時計)*

その30代ぐらいのトルコ人的風貌の運転手今日は虫のいどころが悪かったのか,はたまたそれがごく普通なのかくだんの修理屋に着くまでのハンドルさばきはWRC(ラリーレース世界選手権)かはたまたDTM(ドイツツーリングカーレース選手権)を戦うような気合の入ったものすごい突撃運転でした。
唯一信号だけは必ず守ったけれど,目の前を走る車はすべて追い越していく。
たえずアクセル全開フルブレーキングハードコーナリングの連続で全力疾走につぐ全力疾走で街の流れを突っ走っていく。
我々同乗者としてはもう暑さの熱と怖さの冷や冷やがちゃんぽんになって手のひらと額と背筋には大粒の汗が流れて落ちておりました。
いやーほんと怖かったぞ。*(青ざめ)*

鞭打たれどおしのこの非力なベージュの大宇タクシ-車が可哀そうでもありまた健気にも思えました。

そんな訳で朝の街の混雑を疾風のごとく走りぬけシェルソンの南端にある修理屋まで昨晩の往路よりずっと早くついてしまいました。
このわずか25分弱ほどのスプリントレース体験の料金はたったの20クリブナ(3.1ユーロ)でした。
無事送り届けてくれた感謝の気持ちを込めて小さく震える手で2クリブナチップを添えて運転手の大兄いさんに支払いました。*(ジロ)*

やれやれ今日も先が思いやられるぞ...

荷物を降ろしながらも我々の車が今どうなっているのかとても気になる。
隣のカフェ前に並んでいるテーブルの向こうに大型アウディや旧いオペルと並んで我々のシルバーボディの車が停まっているのが見えました。
さっと見たところではちゃんと4輪ぜんぶ揃っているようでした。
はやる気持ちを抑えつつ大きな荷物をぶら提げて急いで自分達の車のところまでよたよたと近づいていった。

もうとっくに修理は終わっているようでシートカバーさえ元通りきちんとかぶせてあった。

そんな我々をみとめてすぐに昨日のマネージャーと英語が話せる大兄いがやってきた。二人ともあかるい笑顔でした。
だいじょうぶだったのだろうか?

結果は上々のようだった。やっぱりもうすっかり修理が終わっているとの事。*(ニヤ)*

で修理代は?

“650クリブナ(約100ユーロ)”
安いな!*(グッド)*

中古のリアサス部品を使って修理したのだろうけどしかし安いな!
オランダだったら少なくとも300~400ユーロはかかるだろうに。

さてクリブナに両替しなけりゃならないのだが。一体どこに銀行あるいは両替所があるのだろうか? 

大兄いさんに聞いてみると“あそこだ!”と道路の向かい側を指差した。

“え どこ? あそこ?”

どうも今いるところの向かい側アパートビルの一番下に両替所があるらしい。
なんかよくわからないが事務所らしき構えでそれらしき控えめな看板が見える。

それではと,さっそくカフェの前にある横断歩道をわたってそこへ行ってみると確かに両替所がありました。
先客が二人いて用事がすむのを待って財布の中の残り少なくなった50ユーロ札4枚をクリブナに両替しました。
窓越しに受け皿に載ってかえってきたのは1260クリブナでした。

我々がピンチの時に一生懸命にしかもこんなに迅速に修理してくれた彼らへの感謝の気持ちで一杯だった。
そんんな思いを込めて料金にプラス50クリブナをお礼に差し出した。
彼らはとっても喜んでいた。*(ハート目)*

昨日から気がついていたのだが,この修理屋さんの建物の表看板には各社ブランドロゴマークがずらっと並んでいました。

そこについているロゴマークメーカーの車はすべて修理承りますと言うことだろうか。

左から順にシトロエン・ヒュンダイ・スズキ・フィアット・レクサス・KIA・ボォルボ・クライスラー・メルセデスベンツ・アルファロメオ・サーブ・マツダ・VW・アウディ・オペル・BMW・フォード・セアト・ルノー・プジョー・ミツビシ・スバル・トヨタ・ニッサン・ホンダ・ローバー・ジャガー・AV?とまあ何でもかんでもヨロズ修理請負屋さんですね。

言い換えればここウクライナにはそういう多様なブランドの車が走っているということでしょうか?
今までウクライナの西半分を走破してきた実体験から見ると確かにそのようです。

大きな都市の外ではこのような正規のディ-ラ-ではないこういったヨロズ修理請負屋さんがほとんどでその土地のお客の車の面倒を見ているのが現状でしょう。

とっても頼りがいのある腕の立つ修理屋さんたちですね。

“うまい?はやい安いの三拍子揃ったプロたちです。”
我々も今回たいへんお世話になりました。誠にありがとうございました。*(グッド)*
そんな訳で”お土産”に取り外した壊れたリアサス一式もいっしょにトランクに入れました。

今日走る予定の道路地図をそろえて11時すぎには笑顔で見送る修理屋のみんなに別れをつげて出発しました。

ポーランド国境をめざしてシェルソンの街を後にしました。*(車)**(ダッシュ)*
まだ故障はしていないけれど相当負担がかかっているとおもわれる右側のリアショックへ労わりつつ,特にここからポーランド国境までの運転は慎重に慎重を極めてと自分に言い聞かせながらね。

あいかわらず強い陽射しにに焼かれながらウクライナの悪路をひたすら走り続ける。今日は順調に距離が伸びていくようだ。

途中早めの昼食(と言おうかなんと30時間ぶりの食事というべきか)をとるために街道わきのレストランに飛び込んだ。*(カレー)*

車は修理されて調子がもどったが乗車している人間の方はまさにガス欠寸前でした。

おばちゃんにメニューを持ってきてもらったがロシア語で書かれていてどんなものがあるのかさっぱりわからないので何時ものようにミブテブ語を駆使して注文する。

待つこと10分ほどおばちゃんがおいしそうなにおいを漂わせる食事を持ってきてくれた。
しばらく振りにやっとナイフとフォークを使って食べる食事にありつけたのだった。

ウクライナ風とんかつとでもいうようなものがお皿にのって出てきました。
我々のすきっ腹にはとってもおいしくいただけました。
濃厚絞りたてローズベリー果汁100%みたいな良く冷えたジュースは3杯もおかわりしました。
これもまたうまかったな。*(ニヤ)*

そのあと用足しに行った外のトイレはなんとはなくある種の懐かしさに満ちていました。総石造りのシンプルなトイレでした。

発掘されたどこかの有名な古代遺跡にあるようなおもむきと情緒を漂わせていました。
誤って暗い穴に滑り落ちないように遠くから用を足しました。
小さな子供だったら絶対に一人では行かせられないほどのところでした。

十分に燃料(食料)補給し終わったのでこんどは元気に走り出した。

ヤルタで買った道路地図はなかなか見やすく今日はたった1度も道に迷わなかったぞ。
夕暮れ時になったが次の大きな街であるリヴィウはまだまだずっと先の方にある。

夕陽がちょうどフロントウインドウの真向いに落ちていく。
ちょうどその方角である真西に向かって走らなければならないのでめっぽう眩しくてとても運転しづらいことこの上ない。*(晴れ)**(すっぱい)*

何日もつづけて長時間運転し続けると必ず首筋のうっ血と肩こりからくる頭痛がおきてくる。
その頃もやはり頭痛がひどくなってきたのではやく今夜の宿泊先が見つかればいいのにと念じながら運転していた。

シェルソンから640KMもうすっかり暗くなった午後9時過ぎにケメルニキー郊外付近とおもわれるところで街道脇にモーテルがあったので迷わず飛び込んだ。
幸運にもわずかに残った2部屋のうちの一部屋だった。朝食なしで120クリブナ(約19ユーロなり)でした。

安全を考慮して車は大型の犬が徘徊するらしいモーテルの裏の駐車場へ入れた。
けっこう迫力のある犬のほえ声が近くの犬小屋から聞こえてくる。
これなら安心だ。*(ジョリー)**(OK)*

遅い夕食をとった後,暗くなっても街道を走リ続けるトレーラーのタイヤノイズを子守唄にすぐに眠りに落ちた。*(いっぷく)**(音符)*

ポーランド国境はまだ400KM以上先にある。
でもいよいよ往路で立ち寄ったリヴィウのあるガリチア地方へ入っていく。
復路は来た時とは違うすこし南の国境を目指して。*(映画)*