navikuma のブログ 陽炎のようにゆらめく景色のなかを走行中です。

ユーラシア大陸の端っこからのたわごとです。

欧州の蝉

2009年08月03日 | 日記
北ヨーロッパの人たちに蝉の話をしてもまず通じない。
姿かたちを一生懸命説明すると、
”なんだそれはゴキブリか?”なぞという始末になる。 

もっと南の地域へ行くと蝉という昆虫については知っているが日本の夏の蝉の話をしてもやっぱり話が合わない。
蝉しぐれなんていってもいっこうに興味を示してくれない。

ミンミン蝉やヒグラシあるいはツクツクホウシなんて美声(日本人にとっては)の蝉はちょっと見当たらない。
南欧や東地中海地域の蝉はあまり種類は多くないけれどたいていガラガラとかジャカジャカと色気のない鳴き声の蝉がほとんどであるからやもうえないか。

それとどうも彼らにとっては蝉の鳴き声はただうるさいだけで情緒とか風情とかの心への発露のようなものではないようだ。
秋の虫の音色もまたしかり。

こういう点からも言えるがやっぱり欧州世界は自然との共生については隔たりが大きい。
そういう欧州であるがはるか昔は南欧・東地中海諸国の方(ギリシャ・トルコ・シリア・レバノンなども)さへうっそうとした森林地帯に覆われていたそうである。
あのイベリア半島だって一面青々とした森林地帯だった!
そのころの地中海っておそらく今よりももっともっと”濃厚な海の香”に包まれて豊饒な海だったのだろう。

そしてそのころは夏になると美声の蝉が”欧州蝉しぐれ”を奏でていたのでは。*(山)**(波)**(音符)**(晴れ)*

静かな北欧州でふとそんなとりとめないことを思い浮かべてみた。*(地球)**(砂時計)*