先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ② 2023-09-13
今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
カモの仲間は日本で30種を越えますが、ほとんどが「冬鳥」なので春夏にはいなくなります。春夏もいて普通に繁殖するのは本種だけです。
くちばしの先が黄色いのも特徴。ひなは「ピヨピヨ」と鳴くが、成鳥はアヒルに似たしわがれ声です。くちばし以外で本種を見分けるには、腰の部分に見える白い三日月模様がポイントです。
<カルガモ カモ目カモ科 全長約61cm>
8/29 つくば実験植物園
常緑性で木本性の蔓植物で、乾くと黒く変色します。花は円錐状集散花序を出し、花は白色、径2.5-3cmで上を向いて全開します。 センニンソウに似て小葉が厚手でその基部に関節があります。
明治の末の頃まではブドウ科のウドカズラと混同されていたものが、牧野富太郎が同定、命名したものです。当初これが和歌山県で発見され、その地域特産と考えられたため、本種の名前が付いたとのことです。
<キイセンニンソウ(紀伊仙人草) キンポウゲ科センニンソウ属>
8/29 つくば実験植物園
日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに広く分布する多年草です。日当たりのよい草原に見られますが、国内ではそのような場所が激減したため絶滅危惧種になっています。
古来より美しい花が人々に愛され、万葉集のなかで秋の七草と歌われている朝貌と表記されています。秋の七草の始まりは奈良時代、山上憶良が万葉集で詠んだ歌が由来とされます。
「秋の野に咲いている花を、指を折って数えてみれば、七種類の花がある」といった内容の和歌です。
<キキョウ(桔梗) キキョウ科キキョウ属>
8/3 あけぼの山農業公園
北アメリカ原産の花で、明治時代中期に鑑賞用に導入された多年草ですが、栽培されていたものが野生化した植物です。
葉は少し光沢があり、対生し、葉身は5~15cmぐらいの大きさで、先が尖り、縁に鋸歯があります。キクイモに似てますが、茎塊が出来ないところから、本種の名前が付けられました。
<キクイモモドキ(菊芋擬き) キク科キクイモモドキ属>
8/5 近隣の路傍
揚子江以北の中国中部及び南部を原産とするノウゼンカズラ科の落葉樹。果実を薬用するため日本に渡来し、庭木として暖地に植栽されるほか、野生化したものが各地の川岸や林縁で見られます。
特徴は細くて長い豆果にあり、野菜として馴染みのササゲ(豆)のような実がなる木であるとして命名されました。別名はアズサ(梓)、ライデンボク(雷電木)など。
<キササゲ(木大角豆) ノウゼンカズラ科>
8/29 つくば実験植物園
キク科に属する一年草です。コスモスの仲間であること、花の色が黄色やオレンジしかなかったことから本種の名前で呼ばれるようになりました。
日本で育つ本種は草丈30~100cmほど。一般的なコスモスより背が低くて、深い切れ込みと幅のきいた葉っぱが特徴です。
もともと、黄色とオレンジ色の花しかなかった本種ですが、1966年以降品種改良によって赤色の品種も流通するようになりました。
<キバナコスモス(黄花コスモス) キク科コスモス属>
8/24 柏の葉公園
アジアの中でも特に日本に数多くの種類が自生しています。これらがヨーロッパに渡り、多くの改良品種が生まれました。
非常にたくさんの園芸品種があります。葉のサイズや色、斑入り、花色、花のサイズなどバリエーションが豊富でキリがありません。
名前の由来は、生長しかけの花茎の先端が、寺院や橋などの欄干の飾りに使われるタマネギのような形をした擬宝珠(ギボシ)に似ていたからだそうです。
<ギボウシ(擬宝珠) キジカクシ科ギボウシ属>
8/24 柏の葉公園
インド、マレーシア原産。ピンとした雄しべが猫のヒゲに似ていることから、和名がネコノヒゲです。白花が主流ですが、稀に淡い紫、淡いピンク花も出回る事があります。
沖縄などでは薬草として知られており、利尿、血圧低下、むくみ、関節炎やリウマチ、腎臓炎などに効果があるとして、クミスクチン茶が健康茶として飲まれているそうです。
<キャットウィスカー(猫の髭) シソ科オルトシフォン属>
8/24 柏の葉公園
甘みと酸味、ほのかな苦みを持ち合わせた柑橘で、皮ごと食べられます。「金冠」と当てて、より暮らしが豊かになるように、という願いが込められています。
他のミカン科の果樹は5月に開花するものが多いのに対して、本種は7月~9月と、少し遅いのが特徴です。花は葉の腋に咲きます。 花数が多く、1つの葉腋から2~3個の花を咲かせます。
<キンカン(金柑) ミカン科キンカン属>
つくば実験植物園
コロンビア、エクアドル、ペルーの原産。花の色は鮮やかな暖色。オレンジ、黄色、赤と鮮やかな色合いが中心です。観賞用として楽しまれています。
丸い形の葉が蓮に似ていることから、蓮の漢字を使った和名がついています。ナスタチウムとも呼ばれますが、オランダガラシ属を指す学名であって、似た味をもつために転用された通称です。
近年は鑑賞目的だけでなく、花や葉、蕾、若い果実がサラダやスープとして食べることができる「エディブルフラワー」としても用いられています。
<キンレンカ(金蓮花) ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属>
8/3 あけぼの山農業公園
本種は全てアジア原産であり、15〜20種が知られています。日本、中国、朝鮮、ロシア、東南アジアに分布します。繁殖力が高く、IUCNの定める世界の侵略的外来種ワースト100に選定されています。
日本では、塊根からデンプンをとり、葛粉として利用してきました。また、生薬や家畜の飼料、ツルから繊維をとって布にするなど、多くの用途に使われてきました。
アメリカでは、本種が高さ35mの材木用の樹木に這い登り、木材生産に壊滅的な影響を与えたり、電信柱に這い登って送電線を機能不全にする問題も起きています。
<クズ(葛) マメ科クズ属>
8/26 近隣の路傍
中~南アメリカに120~130種ほどが自生するパイナップルの仲間です。樹木の上などに着生し、草丈は20~60cmほどに生長します。
実際の花は中心にあり、花びらのように見える部分は葉っぱが変化した苞です。花は短命ですが、苞は色あせることなくおよそ3~5ヶ月の長い間楽しむことができます。
本種の花言葉には、「いつまでも健康で幸せ」、「理想の夫婦」、「情熱」、「あなたは完璧」という意味があります。
<グズマニア(鳳梨:アナナス) パイナップル科グズマニア属>
8/24 柏の葉公園
梅雨どきに大型で純白の6弁花を咲かせて強い香りを漂わせ、秋には橙赤色の果実をつけます。
秋には橙赤色の果実をつけますが、熟しても裂開しません。つまり口が開かないことから和名がつけられたとされています。
<クチナシ(梔子) アカネ科クチナシ属>
8/24 柏の葉公園
別名では「トリトマ・ルーペリー」とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草です。晩夏から晩秋にかけて開花します。
花は筒状の花が穂状に集まり「ボトルブラシ」や「トーチ(松明)」を連想させる様な個性的な花の形をしています。
花は下から上に向かって開花していき通常赤色(~橙色)から成熟するにつれて黄色(~黄緑色)へと色が変わっていきます。
<クニフォフィア ツルボラン科クニフォフィア(トリトマ)属>
8/28 つくば実験植物園
販売されている洋ランのなかでは、その株サイズが最大級です。鉢植えをうまく栽培していくと、草丈は入手時の2倍くらいまで大きくなる大型洋ランです。
バルブの頂部付近から花芽を伸ばして開花します。黄色系ベースの花弁に茶色から黒色の斑紋が入るため、東南アジアの英語圏ではタイガーオーキッドとも呼ばれます。
<グラマトフィラム ラン科グラマトフィラム属>
8/24 柏の葉公園
世界にたくさんの野生種、原種があり、これらの交配によって、多くの品種が生まれています。英国ではつる性植物の女王として位置づけられ、バラのパートナープランツとして親しまれています。
テッセンと呼ばれることもありますが、じつはテッセンとは、中国に自生している、6枚の乳白色の花弁をもち、雄しべが花弁化している一つの原種のことです。
1年に1回、スポット的に開花する一季咲きのグループのほかに、長期間にわたって花が次々と咲いたり、剪定すると繰り返し咲く四季咲きのグループがあります。
<クレマチス キンポウゲ科 センニンソウ属>
8/24 柏の葉公園
西アフリカ原産の常緑半つる性低木。青い蝶のような花を咲かせ、別名ブルーエルフィン(青い妖精)やブルーウイング(青い翼)などと呼ばれています。
本種の仲間は種類が多く、ゲンペイカズラ(源平葛)や花房が下がって咲くクラリンドウドウなどの種類もあります。
<クレロデンドルム シソ科クサギ(クレロデンドルム)属>
8/3 あけぼの山農業公園
「苦労がなく金持ち」に通じるネーミングから縁起木として知られます。モチノキの仲間で、若い枝や葉柄が黒紫色であることや、葉が乾くと鉄色になることから名前が付きました。
冬期に赤い実を付ける庭木としては最大級のもので、花の少ない冬を彩る存在になります。この実はヒヨドリ、ツグミ、ムクドリ、ヒレンジャクなどの野鳥が好んで食べます。
<クロガネモチ(黒鉄黐) モチノキ科モチノキ属>
8/24 柏の葉公園
本種は橙色や黄色の色鮮やかな花が普通ですが、本種はエキゾチックなターコイズブルー、もしくは神秘的な翡翠色を思わすブルーのちょっと珍しい色です。
園芸業者がクロサンドラの園芸新種として「リフレブルー」という名をつけて品種登録をしたようです。農水省の品種登録リストのクロサンドラにはそんな名称の品種はないようです。
本当の名前は、エクボリウム・ビリデ(キツネノマゴ科エクボリウム属)と言うようです。アフリカ中部原産で、アラビヤやインドにも分布しているようです。
<クロサンドラ・リフレブルー キツネノマゴ科ヘリトリオシベ属>
8/24 柏の葉公園
タイ原産で、ショウガ科グロッバ属の多年草で、シャムの舞姫とも呼ばれます。
地下に細い根茎があります。根茎の先端から葉鞘が巻き重なった偽茎を出し2列の広披針形~長楕円形の葉を互生に付けます。
夏から秋に、偽茎の先端から多数の花序を垂下し、赤紫色の苞から黄色い花弁を咲かせます。花言葉は「華やかな恋」です。
<グロッバ・ウィニティ ショウガ科グロッバ属>
8/29 つくば実験植物園
8月の花のアルバム ③ 20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ④」に続きます。
今日も楽しませていただきました。
特に猫の髭は蕊が長くてとても綺麗な花だと思いました。
ギボウシ 2枚目の写真 どうしてもラン科の花に見えてしまうのですが。
葉っぱもランの葉に似ているように思ってしまいます。
間違っていたらごめんなさいですが。
コメントありがとうございます。
私もネコノヒゲという花を初めて見た時は、びっくりすると同時にネーミング
に感心した覚えがあります。蕊が長くて猫のヒゲにそっくりだと思います。
ギボウシのご指摘ありがとうございました。hanahanaさんが言われるようにギ
ボウシではありません。何かの間違いで投稿してしまいました。さっそく該当
写真を削除しました。
15個分かりました。
センニンソウはキイが付くのですね。
トリトマも詳しい名前は分かりませんでした。
hanahanaさんも書かれておられますが、ギボウシの2枚目はランの仲間ですね。
リンコレアリアという名前のようです。
グロッパは忘れていましたが、見たことがあります。
飛ぶ出た蕊が面白いですね。
千葉市花の美術館の開館が待ち遠しいです。
今日も楽しませて頂きました。
絶滅危惧種なんですか、
勿論たくさん見るわけでは無いのですが、
毎年決まったところで見られるので、
蕊の変化を楽しんでいます^^
クズ
凄い生命力ですよね
昔の人は、ここから葛をとって、
くず餅とか作ったんだと考えると、
日本では昔からしたまれてきたんでしょうね
花も良くみると、不思議な形をしていますよね
クチナシ
どうも、5月頃に咲くイメージなんですが、今時期も見ますよね。
そして甘い香りがしますよね
暑さがまだまだ続き、コロナ、インフルエンザも流行っているとのこと
体調管理に気をつけて行きましょう
コメントありがとうございます。
今回も20品種中、15品種がご存じだったのですね。センニンソウに紀伊センイ
ンソウという品種があるのですね。私は名札を見た時、黄色いセンニンソウか
と思い、色が違うので調べたら紀伊とわかり納得しました。(笑)
ギボウシの2枚目の花の名前をお知らせいただきありがとうございます。リン
コレアリアと言うのですね。初めて聞く名前なので覚えておきます。(^.^)
グロッバ・ウィニティもつくば実験植物園で出会った花です。千葉市花の美術
館にも珍しい植物がたくさん見られると思いますが、そろそろ開館の時期で、
どのようにリニューアルしたのか楽しみですね。
コメントありがとうございます。
キキョウが絶滅危惧種だとは私も調べて初めて知りました。園芸品種がよく出
回っているのでわからなかったのですが、野生種は確かに少ないのでしょうね。
クチナシの花も花期が長いですね。最近は八重のクチナシをよく目にします。
クズと言えば、今日のなつみかんさんブログで、モンスタークズのいたオギロー
ドが久々に登場していましたね。(^.^)
新型コロナワクチン、私は昨年6月に3回目のワクチンを接種した直後の7月
に罹患してしまいました。それ以来、コロナワクチンは家内共々打つのを止め
ました。このワクチンは裏情報を入手するといろいろ問題がありそうです。
今回はどれだけ分からない花が出てくるかと思いましたが、最後の方の横文字名前以外は比較的分かりやすく助かりました。
キイセンニンソウはセンニンソウにしか見えませんでしたが・・・
桔梗の蕾は可愛いですね。
見るたびに、紙風船を思い出します。
温室系の花の名前は何度見ても覚えられません。
もっと通って頭に叩き込まないとダメですね。
でもすぐに抜けます・・・
コメントありがとうございます。
今回は恐怖のつくば実験植物園の花が4品種と少なかったようです。ですから、なつみかんさんにとっては楽勝でしたね。(^_^)
キイセンニンソウが紀伊センニンソウとは意外でした。やはり、日本の漢字は素晴らしい文字だと言うことがよくわかりました。
温室育ちの熱帯植物は園芸品種として作出が難しく、どうしても長ったらしい学名表記が多くなりますね。
私はもう覚えるのは諦めましたが、なつみかんさんの若さと、柔軟な頭脳でしっかり覚えてください。(^-^)
私もキイセンニンソウは黄色い花かと思いましたが感じで書くと
紀伊仙人草と書くのですね。成程と思いました。
北限は和歌山県というから逆立ちしてもこちらには無い花で見られません(笑)
ネコのひげ 立派なおひげ 私はまだ見たことがありません。
グロッバ・ウィニティも初めて聞く名前です。
コメントありがとうございます。
紀伊仙人草、この花の名前も今話題の牧野富太郎博士が名付け親のようで、和
歌山仙人草とせずに紀伊仙人草としたほうが趣がありそうですね。(^.^)
ネコノヒゲは熱帯植物なので、寒冷地ではあまり見る事が無いかもしれません。
花びらよりもシベの姿がユニークな姿で人気があるようです。
グロッバ・ウィニティにはシャムの舞姫という素敵な名前もいいですね。確か
に女性が華麗に踊っているように見えなくもありません。