2月26日定例議会本会議3日目、日本共産党区議団は子どもの貧困対策に効果がある現物給付にあたる医療費や保育料の助成の充実を求め、2つの条例案を提出しました。
「子ども医療費」は厚生委員会に、「保育料」は文教委員会で審議が行われます。
★子ども医療費助成の拡充を
ただいま議題となりました議員提出第2号議案、足立区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例案について、提出者の日本共産党足立区議団を代表して提案理由の説明を行います。
15歳から18歳に助成の拡充を
本条例案は、子どもの医療費助成の対象を「15歳に達した日以降の最初の3月31日まで」の「15歳」を「18歳」に拡充し、もって子育てに関する経済的負担を緩和し、安心して医療を受けられるようにするものです。
子育て世代を応援する医療費助成は、少子化や人口減少に歯止めをかける重要な制度です。足立区でも子どもの健やかな成長を願う世論と運動で中学生までの医療費の無料化が実現しました。しかし、高校生以降は3割負担で、親の経済事情によって必要な受診を控える状況もうまれています。
医療費の心配がなければ、受診率の向上、病気の早期発見・早期治療につながり、重症化を防ぎ、医療費を抑制する効果も生まれます。
千代田区では受診向上効果が
平成23年4月から高校生までの医療費助成に踏み切った千代田区では、「高校生の子どもがけがをしたが治療費が無料で助かった」と喜ばれ、当初1年間で、小中学生の3倍近い受診があったことが報告されています。
貧困対策に、現物給付が効果的
足立区の計画に深くかかわる阿部彩首都大学東京教授は、子どもの医療費助成は「貧困対策として最も効果的な現物給付」と語っています。
今年度「子どもの貧困対策元年」と位置付けて、全国の基礎的自治体に先駆けて「貧困の連鎖を断ち切る」意気込みを示している足立区であるならば、まず子ども医療費の拡充に踏み出すべきです。
足立区の15歳から18歳の子どもの人数は1万7446人で、医療費無料化のためには、年間で5億2千万円必要ですが、未来を担う子供のために施策の優先度を切りかえてでも実施すべき施策です。
子どもの健康を守り夢と希望をもって生きていけることをめざす自治体であるならば、誰もが同意していただけるのではないでしょうか。
議員各位におかれましては、本条例改正の趣旨にご賛同いただき、速やかにご決定くださいますようお願いいたしまして、提案理由の説明を終わります。
★保育料の負担軽減の実現を
本条例は、保育所等に入所する児童の保育料について、特に低所得世帯について軽減を図り、子育て支援と福祉の増進を図るものです。
具体的には、特定教育・保育施設、特定地域型保育事業等の利用者負担を、住民税非課税世帯のB階層については無料とし、住民税の均等割のみ課税世帯のC階層については、半額以下に引き下げます。
足立区の保育所等の保育料は、子ども・子育て支援新制度以前は、3歳児以上の全ての階層で23区一高く、とくに低所得世帯で高くなっていました。新制度になって、経過措置が各区で講じられる中で、一部足立区より高くなる区が生まれましたが低所得世帯は、やはり、押しなべて足立区が一番高い状況です。
その原因は、ひとつには国の指針でも無料としているB階層について、足立区は「食事はどこにいても取るだろう」という理屈で食費分として、それまで無料だったものを有料にしました。そしてそれに引きずられる形でC階層以上の保育料も引き上げられてきた経過があります。
新制度に移行するにあたって、保育ママの保育料を規定することになりましたが、足立区は給食を実施していないのに、食費に相当する保育料をB階層に求めるという矛盾も発生しています。
子ども重視と言い、子どもの貧困対策に取り組む自治体として、23区一高い保育料を引き下げ、B階層については国の指針でも示している無料として他区並みとし、C階層については、半額に引き下げることを基本に、応能負担の原則から保育標準時間、保育短時間ともに同額にし、低い方に合わせています。
条例案はお手元に配布のとおりです。議員各位におかれましては、子どもたちの健やかな成長と、子育て世帯の経済的負担を軽減して応援し、子どもの貧困対策としても効果のある保育料の負担軽減にぜひご賛同をいただき、速やかにご決定いただけますようお願い申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。