都立江北高校定時制の存続を求める意見書の提出を求める陳情」不採択に対しての反対討論

2016年04月05日 18時15分19秒 | 日記

3月24日、足立区議会第一回定例議会最終本会議で日本共産党足立区議団は7人全員が反対討論に立ちました。 

私の反対討論です。

ただ今議題となりました「受理番号5 都立江北高校定時制の存続を求める意見書の提出を求める陳情」について、日本共産党足立区議団を代表して委員会の不採択に反対し、採択を求めて討論を行います。

 東京都教育委員会が昨年11月に発表した「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」は江北高校をはじめ都内の4つの夜間定時制高校の廃止計画を示しましたが、かつては100校を超えていたものが現在は44校にまで減らされており、これを更に減らすというものです。こうした夜間定時制の廃止については、いっせいに疑問と反対の声があがりました。

都教委が昨年末に行った都民への意見募集でも、252件の意見が寄せられ、圧倒的多数が廃止に「反対」であり、「賛成」意見は3件だけでした。

映画監督の山田洋次さんをはじめ120人以上の著名人が廃止をすべきではないと名を連ね、東京弁護士会も廃止反対の声明を発表しています。

委員会質疑でも明らかになりましたが、定時制高校には現在、昼間働いている生徒や全日制に入れなかった生徒、高校を中退した生徒、高齢者や外国籍の生徒、夜間中学の卒業生などが学んでいます。まさに夜間定時制高校は様々な事情により、全日制に通うことが出来ない生徒の大切な受け皿です。

江北高校定時制は68年の歴史を持ち、足立区で通った人も多く、現在1年生~4年生までで180人が学んでいます。これが廃止されれば、夜間定時制に学ぶことを希望する人たちの行き場は失われます。

都の計画では「チャレンジスクールと昼夜間定時制による『3部制』拡大でカバーする」などとしていますが、これらは夜間定時制とは大きく性質が異なるうえ、平均応募倍率が1.66倍と狭き門で入れない人が続出する状況です。

また東京都は江北高校周辺の夜間定時制として江戸川区の葛西南高校や板橋区の大山高校などの名前もあがっていますが、江北高校の近くから通うには電車の乗り継ぎも多く、遠すぎて通いきれません。

いずれも江北高校定時制の受け皿にはなり得ず、代替できるものではないことは明らかです。

 卒業生たちは「まっすぐには進めなかった人生で、この定時制があったから今の自分がある」「自分は年をとってから入ったが良かった。仕事帰りのトラックに乗ってくる人も勉強していた」「外国人もいて、そういう人も勉強できる。心のふるさと」など思いを語り、「江北高校夜間定時制をなくさないで」の署名には多くの人が賛同したと聞きます。

 委員会で不採択の理由として「夜間定時制の初期の目的である勤労青年が減り、該当者が減少している」と述べられましたが、いま夜間定時制に通っている方のほとんどがアルバイトを含め働いていて、この指摘は全くあたりません。

様々な境遇の中で学びたいという気持ちをすくい上げ、学びの場を保障していくことを投げ捨ててはなりません。生徒に必要とされ、素晴らしい教育があり、地域に愛され、支えられている江北高校の定時制を廃止するべきではありません。

 本陳情を採択し、江北高校定時制を存続して、学びの安全網を広げていくことを呼びかけて討論といたします。