Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

あなたの質問にお答えします!#3(会社員Cさんからの質問)

2020-05-08 | 質問にお答えします
Question:
「訪れる」はvisitが一般的ですが、pay a visit to という表現もありますね。この2つの表現にはどんな違いがあるのでしょうか?

Answer:
基本同じ「意味」であることは間違いないですね。ではニュアンスに、あるいは、その使い方に少しでも「違い」(?)があるのか。ネイティブスピーカーの間でも意味的(Semantic)な違いはないとの意見が多いですが、少し違った意見として、pay a visit toあるいは、pay+人(あるいは物)+a visitというのは、何らかの緊急性、必要性、義務等を伴う事態、あるいは、普通の出来事ではない時にpay a visit toやpay+人(あるいは物)+a visitを使い、通常の「訪れる」「行く」等の時はvisitを使うという人もいます。その例として挙げられているのが以下の文です。

I just chipped my tooth on something hard in that salad, it might have been a piece of walnut shell. I'm going to have to pay the dentist a visit.
(サラダの中にあった何か堅い物を噛んで歯が欠けちゃった。クルミの皮の一部だったかもしれない。歯医者さんに行かなきゃいけないな。)

If those bullies have been stealing your lunch money, we're going to have to pay the principal a visit.
(そんないじめをする連中が君のお昼ご飯のお金を取り続けているようなら、校長のところに行かなきゃいけないな。)

同じ「意味」を持つ一つの動詞(verb)を使うのと、その同じ意味を表すために動詞と名詞句を使うのでは、当然、後者の方が認知的不可は大きいことになりますよね。つまり、脳としては、その処理の方が多少面倒くさいってことです。ということは、そのような言い方をするには、それなりの動機、あるいは、意味があると考えるのが妥当と思います。なので、私は上述のネイティブスピーカーの考えが的を得ていると思います。以下をご覧ください。

[pay a courtesy visit to] or [pay a courtesy call on]
「儀礼的に訪問する」という意味の表現です。

pay+a+(some kind of)+call/visit+to/onというように、pay a visitを使うと、aの後に、visit/callの内容を表す形容詞が付くスペースができますね。つまり、visitの中身(どんな訪問であるのか)を示す形容詞を不可することができる、あるいは、それを言わなくも(つまり、pay a visit toでも)、その構文(表現)を使うということは、その内容を示そうとする意図は少なくともあったと考えられます。なので、その形を使う時は、単にいつものvisitではなく、何らか「普通ではない、いつも行っているものではない」visitであるという意味がその形の中に包含されていると考えることができると思います。

なんか理屈っぽい、ややこしい言い方ですみません…。なので、僕の意見は、前述のあるネイティブスピーカーの考えの通り、「普通の出来事ではない時にpay a visitを使い、通常の「訪れる」「行く」等の時はvisitを使う」であるという意見です。僕が話すときにも、その表現([pay a visit to] or [pay someone/something a visit]は、そのようなニュアンスを持って話しますね。皆さんはどうでしょうか?一度自分でvisitだけの文章と、pay a visit to/ pay+人(あるいは物)+a visitの二つの文章を作ってみて、それを言う時の感じ、ニュアンスの違いを感じてみてもらうといいと思います。その結果、「違いはない」か、僕や一部のネイティブスピーカーが感じるように、pay a visit to/ pay+人(あるいは物)+a visitは、何らかの緊急性、必要性、義務等を伴う事態、あるいは、普通の出来事ではない時に使うのか、自分で判断してもらえたらと思います。

それらの違いはともかく、今回は、少なくとも、pay a visit to/ pay+人(あるいは物)+a visitの表現を分かってもらい、使ってもらえたらと思います。最後にその表現を使った例文を幾つか挙げておきます。

The other day, I have paid a surprise visit to my mother to give her some flowers.
(先日、私は母を突然訪問し、花を手渡した。)

On my way back home, I paid Jim a brief visit to say hello.
(家に戻る途中、ジムのところにちょっと寄って、挨拶をしてきた。)

I am going to pay you a visit before long.
(近いうちに会いに行くからね。)

Mr. President will pay a formal visit to Hiroshima.
(大統領は、広島を公式に訪問する予定です。)

Okay, guys. All for now. Take good care and stay well! Nao


あなたの質問にお答えします!#2(学生Bさんからの質問)

2020-05-03 | 質問にお答えします
Hello, everyone! I hope this message finds you well not impacted much by the new coronavirus that is rampant in Japan. Since I got a question from one of my students about an English sentence, I have decided to write about it. It is rather a simple one, but I hope you will learn something from this article. I wish you all the best in this difficult moment of our life. Take good care, guys, and STAY HOME! Naoki

Question:
今英語ですごく気になってることがあって!一つは映画の中で流れていた曲の歌詞なんですが、Don't you forget about me. というフレーズがありました。意味も、伝えたいこともわかるんですが、文法というか、なんか構造的によくわからないなと。このDon'tは後ろの文全体にかかっているんでしょうか?付加疑問文みたいなものなんでしょうか…?

Answer:
その文章は、普通に言えば、Don't forget about me.(僕のことを忘れないで!)という文章で、youは入りません。例えば、Don 't leave me alone(私を1人にしないで!)と同じね。では、Don't とforgetの間にあるyouはどんな意味があるのか、どのような役割をしているのか、ということですが。文構造上の機能はというと、それは強調です!Don't you forget about me.ができあがる(実際に発話される)際のベースの文(深層構造文(base文):頭の中で生まれる最初の文構造)を見てみましょう。

(base文) you do not forget about me
(あなたは私のことを(について)忘れない)

この文章の主語(主動詞forgetの主語の名詞)はyouですね。そして、その文章を、〜しないで!という、いわゆる命令形の文構造にすると、相手(you)に話しかけるので、その主語のyouは言う必要はないので、それを省略するという規則が適用されます。そして、以下の文になります。

「規則1:主語が話し相手にわかる場合はその主語は省略する。」
(you) do not forget about me

上記が頭の中でできる文になり、そしてそれを発話する(それが表層文になる)と…

(表層文)Do not(Don't) forget about me.

と、主語は省略されますが、言われた相手には意味は通じます。では以下の質問の文章にはなぜyouがあるのか。

Don’t you forget about me.

しかも、そのyouは、ベースの文では文の最初にあったのに、上の文ではdon’tの後にある。まず、youが表に出てきた理由は先ほど述べましたが、それは相手に自分の意思を強調するためです。以下を見てください。

I love you. = I do love you.

I love you.のベース文は、I do love you です…が、普通は助動詞のdoは発話されません。でも、I do love you.と言うこともあります。それは、doという、本来は言わなくてもいいことを言うことで、loveを強調することになるのです。ちなみに、句構造文法の考え方では、全ての動詞にはその時制を表すためにそれぞれに合った助動詞(doやdoes)が深層構造文(base文)には一緒に付いていると考えます。以下がその一例です・

(base文) he does speak english →(表層文)He speaks English.
(base文) he did speak english →(表層文)He spoke English.

それと同じ原理が「do not forget about me」という文に適用され、話している相手に、「「君に!」忘れてほしくないんだよ」という意味を伝えたいために、言わなくてもいいyouを表に出す、発話することになるわけです。もちろん、You don't forget about me. Okay?といった言い方もできますが、一文で相手の自分の言いたいことを強く告げたいので、いわゆる命令形(imperative)の文構造を使います。そうなると、助動詞のdon’tが前に出ますよね。では、もともとは文の最初にあった主語のyouはどこに入れるか、というと…助動詞の後、主動詞の前になります。つまり、通常の疑問文の形と同じですね。

(base文) you love me ? →(表層文)Do you love me?
(base文) he doesn't like ice cream? →(表層文)Doesn't he like ice cream?

しかし、上の例文をみると、don’t you forget about meは、疑問文にならなくもないですよね〜。「私のことを忘れない?」てね。その際は、youは主語として必ず表面に出なければいけません。出ないと、非文法的な文になってしまいますね。でも、今回の質問の文は、疑問符(?) がつかない文としてもともと出来ていて、最終的に疑問符(?)がなく発話されているので、文は命令形の文(imperative)になりますね。ですから、本来は主語として頭の中にあるyouは発話される必要はない。でも、それが余計ながら表面に出て発話されたわけなので、そのyouは、話手が相手に自分の気持ちを強く伝えたいための強調の役割を持って使われたということになるわけです。「この気持ちを君に伝えたいんだよ!」という感じですかね。どうかな?分かってくれたかな?

というのが今回の質問に対する回答です。いつもながら、ちょっと説明がくどくて、すみません!でも、Please don't you forget about what I told you. Okay? Thank you! Nao