(2)News Mediaを使った勉強法について
僕たちが英語を勉強していた時には、その材料となるものが本当に少なかったです。特に英語を聞く、あるいは、英語が話されているのを見る機会は特に少なく、英語の勉強のためのテープを買うか、映画を見に行くくらいしかなかったものです。僕は英語のリスニングのためにはアルクのEnglish Journalを買っていました。あ、アルクさんとは縁があり、現社長のご好意でこのブログをまとめた本(電子書籍とオンデマンド印刷本)を出していただきました。興味のある方は見ていただけたら幸いです。
http://wepublish.jp/products/list.php?category_id=19
それと、研究社の「時事英語研究」も僕の大事な勉強道具の一つでした。毎日大学の行き帰り(4時間程)で聞いていたものです。しかし、今は時代が変わり、リスニングやビデオは、ネットに入ればいつでも無料で好きなだけ聞く、あるいは、見ることができますよね。それらを使わない手はありません。英語のニュースは枚挙にいとまがない(they are too numerous to enumerate, or too many to count, or too numerous to mention)程ありますが、以下にその中の幾つかを挙げます。
http://www.npr.org/
http://www.cbsnews.com/
http://abcnews.go.com/
http://www.nbc.com
各サイトにはインタビューを含む多くの記事がビデオ化されてあります。聞くだけならどれを見てもリスニングには役立ちますので、是非見てほしいと思いますが、その中でも特定のニュース番組(例えば、CBS Evening News, 60 Minutes 等)のニュースによってはスクリプト(文字化されたもの)があるものも多くあります。それを見れば、文字で内容の意味を理解・確認し、また、それを音声で聞く事ができるとともに、話している人たちの非言語的特徴(表情やジェスチャー等)も見て理解することができます。また、口の動きを見ることで、発音の仕方(筋肉、舌の動き)も自分なりに研究できます。要は、彼らネイティブのように発音すれば、“いい発音”ができるわけですから、それを見て真似すれば、基本いいわけです。最初は「真似る」からスタート、それから徐々に自分の発音、スタイルにしていけばいいのです。しかし、最終的には、世界で通じる自分なりの「日本語英語」を話す。それでいいのです。
では、それらのニュース、ビデオをどう英語の勉強に役立てるのか。せっかくそんな生きた教材があるのですから、それを出来るだけ有効に使っていきたいですね。では、ここからはその活用法について書いていきたいと思います。バランス良く英語のスキルを上げるためのステップは以下の通りです。
Step 1)スクリプトがあるビデオ(あるいは、音声の)ニュースを探し、そのスクリプトを印刷する。
Step 2)何度かニュースを聞いて、漠然とでもいいので、その理解に努める。
-その際、どういうことを言っていたのかを聞き終わった後に自分なりにまとめてみる(「日本語で」言ってみる、あるいは、書いてみる)。次に、理解したことを「自分なりの英語で」言ってみる、あるいは書いてみる。わからなかった単語のうち、音が頭に残っているものがあれば、それをカタカナでいいからメモしておく。
Step 3)印刷してあるスクリプトを読み、理解する。
-わからない単語・表現は、以下のサイトで調べる。
http://www.alc.co.jp/(英辞郎on the WEB)
単語・表現を調べた際は、必ずそのページに書いてある別の意味合いについてもチェックし、それらが使われている文例から、その単語・表現の概念を理解し、頭に入れるよう努力する。
文を理解する(頭で訳す)時には、主語(主部)が何で、述語(述部)がどこで、修飾する部分(前置詞句、副詞句等)がどこで、それがどこをどう修飾して全体としてどんな意味になっているのかを理解するよう努める。関係代名詞(省略されているものも多い)や分詞(現在分詞、過去分詞)の理解なしでは文構造はわからないはず。どこまでが一文で、どの意味の固まり(句)がどの部分と関連しているのか、どこを修飾しているのかがわからなくなったら、まずは英文の基本構造(主語+(助動詞)+動詞+目的語+前置詞句)に戻り、文を区切って理解するよう努める。そこからはみ出しているものは、なぜそうなっているのかを調べる。調べる項目がわかっておれば文法書を調べる手もあるが、わからない時は、そのわからない箇所をコピーしてGoogleやYahooで検索すると、結構それに呼応した文法を教えてくれるサイトに行くことが出来る。そこでわかればよし、もし、わからなければ、その部分を理解すべく、誰かに聞いて理解する(サイトでも聞くところがある)。しかし、聞くところがないと思った場合は、そのままにしておいてもいい。この後何度か同じ文章を見聞きしていると、そのうちわかってくることが多い。
Step 4)英文のスクリプトを見ながらビデオを見る(音声を聞く)。
-この際、出来るだけ英文をじっと見るのではなく、目を英文に向けつつも、音声に注意を払う。音の強弱、イントネーションから、先ほど理解出来なかった英文の区切り、その意味が理解できることが多々ある。意味のある部分(内容語:名詞、動詞、形容詞、副詞等)が強く発音され、文法語(助動詞、前置詞、関係代名詞等、文の意味を補うような役割を担う語)が弱く、また、早く発音されていることに気づく。
Step 5)英文のスクリプトをネイティブが発音したように真似て読んでみる。
-読むと、そこまでの自分の理解の程度がわかるものである。意味がわかって読むと、ネイティブが読むのに近いイントネーションを使うようになっているはずである。本来の意味を表現するには、その方が自然だからである。
Step 6)ビデオ(音声)と一緒に(同調しながら)スクリプトを読む。
-ピッチ、イントネーション等を極力真似しながら、自分がそのニュースを話しているかのごとく振る舞い、話す。“ネイティブ”になりきる。この「真似」は、大人になればなるほど難しくなり、第二言語修得を難しくしている原因となっている。それは、人の「真似」は、自我(エゴ)を低くする、あるいは、捨てることを意味すると感じられ、自我を守ろうとするメカニズムから、大人はそのことに強い抵抗感を感じるからである。しかし、脳に英語の音、文の構造、発想、意味の体系を植え付けるためには、優れた「真似」は欠かせない。
Step 7)スクリプトを黙読する。
-すでに意味がわかっており、また、自然な音読ができるようになっていれば、読む際にリズムが生まれるため、早く読めるようになっているはずである。文の構造及び意味の固まりを早く視覚で認知でき、処理できれば、リーディング力は自ずとついていく。またこの時、あえて早く読むようにこころがけると、脳にさらに付加をかけることになるので、リーディング能力の更なる向上に繋がる。
Step 8)頭を休め、勉強後はスクリプトについては忘れる。
-前述のことを全てしたからといって、全てのことを覚えている、そこで学んだ単語・表現が即身についているわけではない。それらが頭に定着していつでも自分が思った時に、あるいは、見た時に思い出すようになるためには、時間と更なる記憶の強化が必要となる。なので、後で「復習」と思って再度読んだり、思い出したりすると、それらが頭に入っていないことに気づき、愕然としたり、やる気がなくなったりするものである(僕の経験から)。なので、勉強したマテリアル(スクリプト等)については、どこかにスクラップしたり、ファイルに入れておくことは重要だが、「やった!」という満足感を感じたら、後は忘れて、次は新しい材料を求めてStep 1に戻ることである。
以上、ざっとNews Mediaを活用した英語学習法について書きました。各Stepは決して固定したものではないので、自分なりに応用して、また、自分なりのさらなるStepを考えてみてください。要は、同じ学習材料をいかに異なった方法で頭に処理させるかということです。できるだけバラエティーに富んだ方が脳を刺激することになるのでベターです。また、面白ければ面白いほどモティベーションが上がりますから、自分なりの「面白い」方法を考えて、いくらでもある無料のNews Mediaを英語学習に役立ててください。もちろん、その過程で社会の勉強、また、多くの情報、知識も得ることになるので、一石二鳥(Killing two birds with one stone.)ですよね。
では、今回はこの辺で。See you guys in the next story. Goodbye! nao
僕たちが英語を勉強していた時には、その材料となるものが本当に少なかったです。特に英語を聞く、あるいは、英語が話されているのを見る機会は特に少なく、英語の勉強のためのテープを買うか、映画を見に行くくらいしかなかったものです。僕は英語のリスニングのためにはアルクのEnglish Journalを買っていました。あ、アルクさんとは縁があり、現社長のご好意でこのブログをまとめた本(電子書籍とオンデマンド印刷本)を出していただきました。興味のある方は見ていただけたら幸いです。
http://wepublish.jp/products/list.php?category_id=19
それと、研究社の「時事英語研究」も僕の大事な勉強道具の一つでした。毎日大学の行き帰り(4時間程)で聞いていたものです。しかし、今は時代が変わり、リスニングやビデオは、ネットに入ればいつでも無料で好きなだけ聞く、あるいは、見ることができますよね。それらを使わない手はありません。英語のニュースは枚挙にいとまがない(they are too numerous to enumerate, or too many to count, or too numerous to mention)程ありますが、以下にその中の幾つかを挙げます。
http://www.npr.org/
http://www.cbsnews.com/
http://abcnews.go.com/
http://www.nbc.com
各サイトにはインタビューを含む多くの記事がビデオ化されてあります。聞くだけならどれを見てもリスニングには役立ちますので、是非見てほしいと思いますが、その中でも特定のニュース番組(例えば、CBS Evening News, 60 Minutes 等)のニュースによってはスクリプト(文字化されたもの)があるものも多くあります。それを見れば、文字で内容の意味を理解・確認し、また、それを音声で聞く事ができるとともに、話している人たちの非言語的特徴(表情やジェスチャー等)も見て理解することができます。また、口の動きを見ることで、発音の仕方(筋肉、舌の動き)も自分なりに研究できます。要は、彼らネイティブのように発音すれば、“いい発音”ができるわけですから、それを見て真似すれば、基本いいわけです。最初は「真似る」からスタート、それから徐々に自分の発音、スタイルにしていけばいいのです。しかし、最終的には、世界で通じる自分なりの「日本語英語」を話す。それでいいのです。
では、それらのニュース、ビデオをどう英語の勉強に役立てるのか。せっかくそんな生きた教材があるのですから、それを出来るだけ有効に使っていきたいですね。では、ここからはその活用法について書いていきたいと思います。バランス良く英語のスキルを上げるためのステップは以下の通りです。
Step 1)スクリプトがあるビデオ(あるいは、音声の)ニュースを探し、そのスクリプトを印刷する。
Step 2)何度かニュースを聞いて、漠然とでもいいので、その理解に努める。
-その際、どういうことを言っていたのかを聞き終わった後に自分なりにまとめてみる(「日本語で」言ってみる、あるいは、書いてみる)。次に、理解したことを「自分なりの英語で」言ってみる、あるいは書いてみる。わからなかった単語のうち、音が頭に残っているものがあれば、それをカタカナでいいからメモしておく。
Step 3)印刷してあるスクリプトを読み、理解する。
-わからない単語・表現は、以下のサイトで調べる。
http://www.alc.co.jp/(英辞郎on the WEB)
単語・表現を調べた際は、必ずそのページに書いてある別の意味合いについてもチェックし、それらが使われている文例から、その単語・表現の概念を理解し、頭に入れるよう努力する。
文を理解する(頭で訳す)時には、主語(主部)が何で、述語(述部)がどこで、修飾する部分(前置詞句、副詞句等)がどこで、それがどこをどう修飾して全体としてどんな意味になっているのかを理解するよう努める。関係代名詞(省略されているものも多い)や分詞(現在分詞、過去分詞)の理解なしでは文構造はわからないはず。どこまでが一文で、どの意味の固まり(句)がどの部分と関連しているのか、どこを修飾しているのかがわからなくなったら、まずは英文の基本構造(主語+(助動詞)+動詞+目的語+前置詞句)に戻り、文を区切って理解するよう努める。そこからはみ出しているものは、なぜそうなっているのかを調べる。調べる項目がわかっておれば文法書を調べる手もあるが、わからない時は、そのわからない箇所をコピーしてGoogleやYahooで検索すると、結構それに呼応した文法を教えてくれるサイトに行くことが出来る。そこでわかればよし、もし、わからなければ、その部分を理解すべく、誰かに聞いて理解する(サイトでも聞くところがある)。しかし、聞くところがないと思った場合は、そのままにしておいてもいい。この後何度か同じ文章を見聞きしていると、そのうちわかってくることが多い。
Step 4)英文のスクリプトを見ながらビデオを見る(音声を聞く)。
-この際、出来るだけ英文をじっと見るのではなく、目を英文に向けつつも、音声に注意を払う。音の強弱、イントネーションから、先ほど理解出来なかった英文の区切り、その意味が理解できることが多々ある。意味のある部分(内容語:名詞、動詞、形容詞、副詞等)が強く発音され、文法語(助動詞、前置詞、関係代名詞等、文の意味を補うような役割を担う語)が弱く、また、早く発音されていることに気づく。
Step 5)英文のスクリプトをネイティブが発音したように真似て読んでみる。
-読むと、そこまでの自分の理解の程度がわかるものである。意味がわかって読むと、ネイティブが読むのに近いイントネーションを使うようになっているはずである。本来の意味を表現するには、その方が自然だからである。
Step 6)ビデオ(音声)と一緒に(同調しながら)スクリプトを読む。
-ピッチ、イントネーション等を極力真似しながら、自分がそのニュースを話しているかのごとく振る舞い、話す。“ネイティブ”になりきる。この「真似」は、大人になればなるほど難しくなり、第二言語修得を難しくしている原因となっている。それは、人の「真似」は、自我(エゴ)を低くする、あるいは、捨てることを意味すると感じられ、自我を守ろうとするメカニズムから、大人はそのことに強い抵抗感を感じるからである。しかし、脳に英語の音、文の構造、発想、意味の体系を植え付けるためには、優れた「真似」は欠かせない。
Step 7)スクリプトを黙読する。
-すでに意味がわかっており、また、自然な音読ができるようになっていれば、読む際にリズムが生まれるため、早く読めるようになっているはずである。文の構造及び意味の固まりを早く視覚で認知でき、処理できれば、リーディング力は自ずとついていく。またこの時、あえて早く読むようにこころがけると、脳にさらに付加をかけることになるので、リーディング能力の更なる向上に繋がる。
Step 8)頭を休め、勉強後はスクリプトについては忘れる。
-前述のことを全てしたからといって、全てのことを覚えている、そこで学んだ単語・表現が即身についているわけではない。それらが頭に定着していつでも自分が思った時に、あるいは、見た時に思い出すようになるためには、時間と更なる記憶の強化が必要となる。なので、後で「復習」と思って再度読んだり、思い出したりすると、それらが頭に入っていないことに気づき、愕然としたり、やる気がなくなったりするものである(僕の経験から)。なので、勉強したマテリアル(スクリプト等)については、どこかにスクラップしたり、ファイルに入れておくことは重要だが、「やった!」という満足感を感じたら、後は忘れて、次は新しい材料を求めてStep 1に戻ることである。
以上、ざっとNews Mediaを活用した英語学習法について書きました。各Stepは決して固定したものではないので、自分なりに応用して、また、自分なりのさらなるStepを考えてみてください。要は、同じ学習材料をいかに異なった方法で頭に処理させるかということです。できるだけバラエティーに富んだ方が脳を刺激することになるのでベターです。また、面白ければ面白いほどモティベーションが上がりますから、自分なりの「面白い」方法を考えて、いくらでもある無料のNews Mediaを英語学習に役立ててください。もちろん、その過程で社会の勉強、また、多くの情報、知識も得ることになるので、一石二鳥(Killing two birds with one stone.)ですよね。
では、今回はこの辺で。See you guys in the next story. Goodbye! nao