Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

One Point Expression (3)

2010-03-24 | Weblog
One Point Expression (3): I'm hearing things.(うわさ、聞いてるよ。)

昔学校の英語の時間に、「知覚動詞」って勉強しましたよね。え?覚えていない?ほら、seeとかhearとか、人の感覚を表す動詞のことですよ。「それが?」はい、僕はそれらの動詞は現在進行形には絶対にならないと信じていたんですよね、ずっと。つまり、I am seeingとか、I am hearing とかは言わないということです。だって、「見る」とか、「聞く」とかは、その状態を表しているので、「進行している」わけないですものね。それで、納得!していたわけです。ところが、高校のいつか、知覚動詞も進行形を取ることがある、と教わり、「なんでや!」と思った記憶があります。今回は、その「なんでや!」のおさらいです(微笑)。

この事について書こうと思ったのは、この間ドラマを見ていたら、ある登場人物が、I'm hearing things. と言っていたから。文法の時間で習ったことが実際に使われるのを聞くと、「あ~、やっぱ使うんだ~」って、変に納得しますよね。え?僕が使ったことないのかってですか?う~ん、人のうわさについて言ったことないですからね~。それはともかく、では、どんな時にseeやhearが進行形になるのか?それは、あることを「習慣的に」あるいは、「日常的に」見たり(see)、聞いたり(hear)しているという「状態が存在する」ことを伝えたい時、です。つまり、「習慣的及び日常的状態」がキーワードになります。

英語のthingsは、ちょっとあやふやな言葉でして、「もろもろの事」「いろいろなもの」「なんやかんや」みたいな意味を表します。ですので、I'm hearing things.は、「いろんなこと」を日常的(習慣的)に聞いている、つまり、なんらかの事を日頃うわさとして「聞いている」という意味になるわけです。

「じゃあ、I am hearingは、うわさを聞くってことで…」ちょっと待った!確かにそういう意味で使っていいんですが、それが、常に「うわさを聞く」かというと、そうではありません。例えば以下の二人の会話文を見てください。
Bob: Did you hear anything?
(なんか聞こえた?)
Joan: Nope. I heard nothing.
(別に。何も聞こえなかったよ。)
Bob: I heard a strange sound. I wonder what it is?
(なんか奇妙な物音を聞いたんだ。一体なんだろう?)
Joan: You must be hearing things, Bob.
(空耳に違いないよ、ボブ。)

ということで、この場合は「うわさを聞く」ではないですよね。ただ、何かわからないもの、つまり、実際には存在しない(あやふやな)もの(things)を聞いている状態が続いている、という意味合いを表していることから、日本語では「空耳」という訳になっているわけです。ですから、ある文脈では「うわさを聞く」になるし、また別の文脈では、「空耳」にもなる…でも、その両方に、「何かをずっと聞いている」という共通概念があることはわかりますよね。では、I am seeing things.の場合は?

これも基本的概念は同じです。ただ違うのは、この場合は何か実際には存在しない、あやふやなもの(things)が「見る」対象になるわけです。つまり、何か実際には存在しない、あやふやなもの(things)を「日常的、習慣的に」見る(seeing things)ということです。「え?何か奇異な感じがする…」おっしゃる通り!以下をご覧ください。

Bob: Look, Joan. Did you see that?
(ほら、ジョアン。あれを見たかい?)
Joan: What? I saw nothing. Are you okay, Bob.
(何を?何も見えなかったわよ。大丈夫、ボブ。)
Bob: Maybe not. To tell you the truth, I have been seeing things since I was a kid.
(じゃないかもね。本当のことを言うとさ。僕は子供の頃からいろいろなものが見えるんだ。)
Joan: You mean, ghost?
(幽霊ってこと?)
Bob: You can say that.
(そう言ってもいいかな。)
Joan: Oh, my God.
(ちょっと待ってよ~。)

この場合はそんな感じになりますが、「幽霊をみる」が、ただ「幻想をみる」といった意味に使われる場合もあります。例えば、

(Lisa is in bed at the hospital.)
Lisa: I've been seeing my dad standing over there.
(この頃、パパがあそこに立っているのを見ているの。)
Mother: You must be seeing things, Lisa. Your father has been dead for 5 years.
(あなたは幻を見ているのよ、リサ。お父さんは5年前に亡くなっているのよ。)

といった具合ですかね。幽霊も幻想も、同じと言えば同じなんですけどね。話す意図、文脈によってどちらの意味にも取れるということで理解すればいいと思います。結論としては、I'm hearing things.とI'm seeing things.に使われる知覚動詞(hearとsee)の進行形の持つ意味合いはどちらも同じで、また、hearing thingsとseeing thingsの意味合いも同じということになりますね。もちろん、hearとseeの違いはありますが…。

いかがでしたか?え?そんなことは前から知っていた?すみません…(冷汗)。ま、復習ということでご勘弁を。Let's refresh our memory, shall we? Umm…okay. See you in the next fresh story, folks. Goodbye for now! nao

One Point Expression (2) He is a pain in the ass.

2010-03-23 | Weblog
One Point Expression (2): He is a pain in the ass.(やつは面倒だよね。)

今回はちょっと俗っぽい言い方についてのお話です。そもそも、ass(ア~ス/お尻)なんていう言葉は、基本、使っちゃあいけません。「え、じゃあ、お尻のことは、普通はなんて言うの?」普通の会話では~bottom(ボトム)が一番安全ですかね~。軽い言い方では、butt(バット)かな?例えば、
She pinched my butt!
(あの女、おれのお尻をつねったんだ!)
このbuttという言葉は、buttock(バトック/臀部(でんぶ))という言葉から来ています。buttock自体は、右と左の二つの部分があるので、通常はbuttocksと複数で使われます。その他、堅い言い方としては、the rear(リア/後部)、あるいは、婉曲的にthe backsideという場合もあります。「ヒップは?」あ、そうそう、ヒップもありますね。しかし、英語では、hipではなくて(もちろん単数形もありますが)、hipsがお尻を意味します。つまり、buttocksと同じ考え方ですね。あと、behind(バハインド/日本語ではよく「ビハインド」と言いますが、英語の発音はバハインドの方が近いです)。通常はbehind you(あなたの後ろに)のように前置詞として、あるいは副詞として、I am so behind.(仕事がすごく遅れている)、You are very behind.(きみ、時代に超遅れてるよね~。)のように使われることが多いですが、名詞として「お尻」の意味も持っています。

ということで、普通の会話でお尻のことを言う場合には、絶対にassを使わないでくださいね。例えば、お尻にできものが出来ちゃったなんて場合には、I have a boil on my behind/bottom.と言うように。外国で医者にかかって、I have a boil on my ass.なんて言うと、「ま、なんと下品な人!」って思われちゃいますからね。くれぐれもご注意を…。

「お尻の痛み」にあたる英語であるa pain in the assは、まあ、上品な言葉ではもちろんありませんが、日常の軽い会話の中やジョークを言うような場合には、私たち日本人も使って問題ない言葉だと思います。事実、僕も時々使います(笑)。あ、意味ですか?これが極めて幅広い意味を持ち得ます。冒頭の文では、「面倒な人」という意味合いで使っていますが、ともかく、「お尻の痛み」と同じように、やっかいなもの、じゃまくさいもの、いやなもの、そんな感覚のある物、人、あるいは、抽象的なものまで、a pain in the assで表現できます。

ただ、使う際の注意事項としては…真面目な顔で言わないこと。ア、ペイン、インディ、ア~スとはっきり発音しないで、軽く、困った顔をして、どちらかと言うと早口で言ってください。アペインインディア~スとね。そうすれば、その言っている物、事、人等が「嫌なんだな~」って思ってもらえます。特にジョークで軽くこの言葉を使えるようになると、英語がネイティブに自然に響いて、彼らの「仲間」になれますよ。彼らは(特にアメリカ人は)この表現をユーモアを交えて(時には本当に嫌そうに)よく使いますからね。では、最後にいくつかの例文を見てもらいましょう。
I have a math exam tomorrow. It is a pain the ass.
(明日数学のテストがあるんだ。本当に嫌だね。)
Joe becomes a pain in the ass when it comes to talking about politics.
(ジョーは政治の話になるとやっかいなんだよね。)
He always causes troubles. He is a pain in the ass.
(彼はいつもトラブルを引き起こすんだ。厄介な男だよ。)

といった具合でしょうか。今回は若干下品に響く表現、でも、英語圏の文化にとけ込むためには使えるようになった方がいいであろう口語表現、a pain in the assについてのお話でした。え?英語の勉強が…a pain in the assですって!?大丈夫。それをずっと我慢していると…「18歳以上の方のみ読み進んでください」、きっと快感になる時が来ますよ(失礼…(冷汗))。

Okay, guys. This is it today. Hope to see you soon in the next story. Goodbye! nao

「いい言葉」から学ぶ英語(15)

2010-03-18 | Weblog
いい言葉(15)☆ Memorize the「いい言葉」☆
Whatever you think, be sure it is what you think; whatever you want, be sure that is what you want; whatever you feel, be sure that is what you feel.
(どんなことを考えようとも、それが自分が本当に考えているものかどうかをはっきりさせることだ。どんな物を欲しようとも、それが自分が本当に欲しいものかどうかをはっきりさせることだ。どんな感情を持とうとも、それが自分が本当に感じているものかどうかをはっきりさせることだ。)
(by T.S. Eliot)

これはイギリスの詩人で劇作家(文芸批評家とも言われる)であった、トーマス・スターンズ・エリオット(Thomas Stearns Eliot, 1888-1965)、通称、T.S.エリオットの言葉です。彼は1948年にノーベル文学賞を受賞しています。大変有名な詩人であるため、その詩は世界中の多くの人たちに読まれているわけですが、実は私も大学時代に自分で彼の本を買って読んだ…はずだったのですが、あまりにもわからず、芝生の上でその本を広げたまま顔に載せ、寝たことをよく覚えています(笑)。「で、結局読んだの?」という質問に対しては、No.と言わざるを得ません(情けない…)。いや、あまりにも難解で、日本人の大学生が一人で読んで理解できるものではありません。「本当に~?」という声も聞こえるような気がするので、以下の彼の詩人観を訳した文章をご覧ください。
(以下は、フリー百科事典「ウィキペディア」より引用)
「詩人とは表現するべき個性を持たず、特定の表現手段を持つ人で、それは個性ではなく手段であり、その中で印象や経験が特殊な予期せぬ状態で結合する。」
(評論「伝統と個人の才能」(Tradition and the Individual Talent(1919年)より)

どうです?こういうことが英語で書かれているわけです。わかりませんよね~。え?日本語もわからない?That makes two of us./I could not agree more.(同感です。)

今回のT.S.エリオットの言葉は、難解ではありませんよね。同じ文型の繰り返しで、何事をするにあたっても、それが本当に自分がしているもの、あるいは、したいものなのかをしっかり理解・確認することが大事だということを言っています。人は常にその場その場の考えや感情に支配されがちだが、実はそう考えている、あるいは、そう感じていることの実体を知らずにそう考えている、あるいは、感じているのかもしれない。その自分の思いが真に自分の思いなのかをしっかり把握、認識することが、その行為に真実の価値をもたらすことになるのである。というのが、僕のこの言葉の理解です。「わからない…。」と思われる方は、そのままの英語を覚えてくださいね(冷汗)。

英語的には、whatever you think/want/feel(何を考え(る)/欲し(がる)/感じ(る)ようとも)という形と、be sure(~を確かにする)と、関係代名詞のwhatを使った句、what you think/want/feel(あなたが考える/欲する/感じること)の組み合わせでできている文章ですので、わかりやすいですよね。それが滑らかに繋がると以下のようになります。

Whatever you think, be sure it is what you think; whatever you want, be sure that is what you want; whatever you feel, be sure that is what you feel.

何度も何度も読むと、whateverの使い方、what(~すること)の使い方がわかるようになるでしょ。できれば覚えてくださいね、他の「いい言葉」と同じように。そうすれば、文型、文法、英語のリズム等、多くのことが自然に頭に入っていくはずですよ。それでは、今日の「いい言葉」はこの辺で。I will see you in the next story very soon. In the meantime, have a good one! nao

「いい言葉」から学ぶ英語(14)

2010-03-17 | Weblog
いい言葉(14)☆ Memorize the「いい言葉」☆
Always render more and better service than is expected of you, no matter what your task may be.
(by Og Mandino)
(いつも自分に期待されている以上のより多くの、また、より質の高い仕事を提供することです。それがたとえどんな仕事であっても。)

これは、Og Mandino(オグ・マンディーノ/1923-1996)の言葉です。皆さんはオグ・マンディーノをご存知でしょうか?僕はつい最近(昨年)まで彼のことを知りませんでした。実はアメリカでは大変有名なinspirational(インスピレィショナル/人を鼓舞する)author(作家)であり、その著作は生涯(といっても引退したのが52歳とのことですが)で19冊あり、そのうちの16冊はまだ印刷されているとのことです。また、彼の多くの本は世界25カ国語以上で翻訳され、売り上げ総数は、なんと5000万冊以上にも及ぶとのこと(WIKIPEDIA, The Free Encyclopediaより)。僕はその中の一つである「12番目の天使(The Twelfth Angel)」という本を読みました。彼の著作はBook OffやBook Martにあるかと思いますので、一度読んでみてはいかがでしょうか。

Og Mandinoは、その著作の中で人を鼓舞する言葉(inspirational words)をたくさん書いています。これから彼の言葉を時々取り上げていこうと思っていますが、その最初の言葉が今回の言葉です。以下で再度ご覧ください。

Always render more and better service than is expected of you, no matter what your task may be.
(いつも自分に期待されている以上のより多くの、また、より質の高い仕事を提供することです。それがたとえどんな仕事であっても。)

この言葉は、人生を前向きに生き、社会で成功するためには、あるいは、人から信頼を得るためにはどうしたらいいのかに対して一つの答えを与えてくれています。人生を適当に生きていくなら、与えられた仕事をそれなりにこなしていけばそれでいいかも知れません。しかし、自分自身の成長のためには、また、人から信頼を得、どんな分野であっても成功したいのであれば、期待されている以上のことをしなければならない。あるいは、そう思って精一杯頑張ることが大事であることをこの言葉は教えてくれています。確かにそうですよね。また、適当にやろうと思うと結局いい仕事はできませんから、常にOgが言っていることを念頭に事に臨むことが大切ではないかと思います。あ、英語の勉強でしたね…。

では、もう一度今回の表現を見てください。
Always render more and better service than is expected of you, no matter what your task may be.

renderとは、「与える、提供する」といった意味の言葉で、giveより堅い、形式張った印象を与える言葉です。どちらかというと文章によく使われます。とはいっても、会話でも少しフォーマルに響くだけで使われる言葉なので、覚えて使ってみてくださいね。次に問題なのが、than is expected of youという部分。まず、expectの使い方から。自分が相手に何かを期待する場合は、I expect you to do~という形になりますが、その期待されていることが主語になった場合は、something is expected of youと、期待されている人(この場合はyou)は、ofの目的語となります。理解の仕方としては、「~(何々)があなたから期待されている」と、ofを「(あなた)から→(あなた)に」という意味と捉えるといいと思います。

thanの後にいきなりbe動詞がきているのは、その前の名詞が言わなくても理解されるため省略されているからです。省略されている部分を含むと、以下のようになるかと思います。
more and better service than (the service that) is expected of you
このような省略は比較の文に多く見られます。thanとともにasが率いる句にそれが顕著に現れますので、注意が必要です。

最後の部分、no matter what your task may beについて。これは以下の文章構造で理解してください。あ、ちなみにtaskは「タスク、仕事、役割」と言う意味ですね。
[no matter what+名詞+may be](いかに[何々(名詞)]がなんであろうとも)
この句の最初の部分、no matter whatだけでも、「何があっても、何がなんでも」の意味があります。例えば、
I will do it, no matter what.(僕はそうするよ。何がなんでもね!)
のように使います。この場合、no matter whatはその前の語句の意味を強調するために使われる言葉なので、必ず後に来ますので、ご注意を。

ということで、わかっていただけたでしょうか、今回の表現。わかったかどうか、最後にもう一度ご覧ください。
Always render more and better service than is expected of you, no matter what your task may be.
意味はもういいですよね。でも、「え~と…?」と思っておられる方のためにもう一度…。
「いつも自分に期待されている以上のより多くの、また、より質の高い仕事を提供することです。それがたとえどんな仕事であっても。」そうです。そして、その英語が…
Always render more and better service than is expected of you, no matter what your task may be.

I think we all should bear this in mind and live our life to its fullest. All for now and I will see in the next story, folks. In the meantime, have a good one! nao



「使える英語表現」(No. 154)

2010-03-16 | Weblog
表現154)You look out of it.(ボーッとしてるように見えるよ。)

英語を勉強し始めた中学校の頃からよく聞いてはいたものの、その正体がわからなかった文法用語(?)が「気候のit」、「時間のit」、「形式主語のit」のitでした。「正体がわからなかった、ということは、今はその正体がわかったってこと?」いえいえ、未だにその「正体」はわかりません。ただ、その「イッ」(it)という短い音を持つ単語が様々な内容を持つ言葉(単語、句)を導くための便利な言葉の道具として使われていることはわかりました。つまり、それ自身には特定の意味がなく、他の意味をもった言葉を表現する(口に出す)ための音調を整えるために必要な構成要素となっているということです。あ、ちょっと理屈っぽい?ですよね~。

もちろん、itがいつも意味がないわけではないですよね。指示代名詞として「それ」と特定のものを指し示す場合もあるし、三人称単数の名詞の代名詞として「それ」となる場合もある。では、今回の表現にあるitは何を表しているのでしょう?何かの代名詞でしょうか、それとも気候、時間、形式主語のit?

itを含む特定の意味の固まり(句)は、out of itですよね。itを代名詞として句全体を直訳すると、「それから出る」って感じ?でも、それじゃあ「それ」って何かさっぱりわかりませんよね。ということは、これは何かの名詞や句の代わりではなく、時間のitとかの、それ自体には意味がないitの部類?まあ、そう考えるのが自然だと思います。

僕の感覚では(あくまで僕の感覚ですが)、時間のitも天候のitも、itが導いているのはその言葉が使われている時点での空間や時間の状態と言えます。言い換えると、このような場合のitは、現在のある状態を示すとも言えます。その理屈から言うと、今回の表現のポイントであるout of itのitは、それらと同様、現在の状態、この場合は「正常な状態」を表し、「それから出る」ということは「普通ではない状態」を表すことになります。そして人が「普通ではない」時は、「ボーッとしている」「心ここにあらず」「元気がない」「うつろである」等表現されますよね。そのような意味を表す表現がout of itというわけです。「そんな理屈必要?」と聞かれれば、答えにつまりますが…。要は、out of it を「ボーッとしている」等の意味と理解すればそれでいいんですけどね、本当は(苦笑)。では、会話で今回の表現を確認してください。Here you go!

Nick: Hi, Paul. What's the matter? You look out of it.
(やあ、ポール。どうかしたかい?ボーッとしてるように見えるよ。)
Paul: Nick? As a matter of fact, I'm totally out of it today.
(ニック?本当のところ、今日は完全にボーッとしてるんだ。)
Nick: Hangover?
(二日酔い?)
Paul: No. I couldn't sleep much last night.
(違うよ。昨日よく眠れなかったんだ。)
Nick: Okay. Go on.
(そう。続けて。)
Paul: What?
(何を?)
Nick: The reason why you couldn't sleep much last night.
(昨日よく眠れなかった理由だよ。)
Paul: Oh, that. Pete called me last night and kept talking and talking. He was just out of it.
(あ~そのことね。ピートが昨日の晩電話かけてきてさ。まあ、話すのなんのって。あいつ、わけがわかんなくってさ。)
Nick: What happened to him?
(やつに何があったんだい?)
Paul: He was dumped by Mary.
(メアリーにふられたんだってさ。)
Nick: Poor Pete. He was madly in love with Mary.
(かわいそうだな~ピート。やつはメアリーに夢中だったものな。)
Paul: I don't feel sorry for him at all.
(おれはやつに全然同情してないよ。)
Nick: Why is that?
(どうして?)
Paul: He cheated on Mary and had a date with Janet.
(やつが浮気してさ。ジャネットとデートしてたんだぜ。)
Nick: He should be shot.
(銃殺だね。)

まあ、そこまでは…ねえ。男子だれでも…いや、決してそんなことをしてはいけません(冷汗)!ということで、今日はふられてout of itになった(取り乱した)男と、その話をずっと聞かされて眠れず、朝out of itになった(ボーッとなった)男の話でした。何かで神経が集中できず不安定な状態でいる、四字熟語でいうと、「茫然(呆然)自失」(ぼうぜんじしつ)にあたる英語表現が、out of itと言えますね。「英語の方が簡単すぎる!」おっしゃる通り…。This is it today, guys. See you soon in the next story. Goodbye! nao

「使える英語表現」(No. 153)「私の言う事わかったわよね?」

2010-03-15 | Weblog
表現153)Do I make myself clear?(私の言う事わかったわよね?)

この表現、もともとは軍隊なんかで上官が下士官に対して使っていた表現らしいですが、今はきわめて一般的に使われています。ただし、そのトーンは軍隊で使われているのと変わりませんので、言う相手に対してはかなり強く響くことは間違いありませせん。「どんな風に?」かと言うと、何らかの話をしていて自分の意見を相手に伝えたにもかかわらず、相手がそれについてつべこべ、いや、失礼…いろいろとまた言ってくる。そんな時に再度自分が言いたいことをはっきり言って、その後こう言うわけです…「(これで)私の言っていることはっきりわかった?」=Do I make myself clear?とね。

文章構造的には、[make+目的語+形容詞]で、「~(目的語)をして~(形容詞)させる(make)」という一般的な使役用法のパターンですね。今回の表現は、「私自身を(myself)はっきり(clear)させる/させている(make)」つまり、I make myself clearという文章…これ自体は意味をなしませんが…が疑問形になることで、日本語でいう反語の意味を持ち、Do I make myself clear?が、意味上は疑問文ではなく、相手に対しての「念押し」を意味することになります。つまり、「私は私自身(の言っていること)をはっきりさせている?」→「(私は私自身(の言っていること)を)はっきりさせているわよね~!」、換言すると、「私の言うことわかった?」→「私の言うことわかったわよね!」(今日は女性言葉で…)となるわけです。

覚えるのは簡単ですし、意味もわかりやすい…ただ、それを使う時は相手との人間関係をしっかり把握して使うこと。それが唯一の留意事項ですね。その言い方によっては怒っているようにも聞こえるし(「わかってるの!」)、皮肉にも聞こえる(「わかってるわよね(微笑)」)。また、軍隊や警察、あるいは病院でもどこでも、何らかの指示を出した後にその確認を行う時に使う場合(「(指示/命令を)わかったの?」)もあるわけです。つまり、気をつけないと相手に食ってかかっているように聞こえるので、その使用には注意が必要というわけです。

アメリカ映画やドラマを見ているとしょっちゅう出てくる表現なので、そのトーンとともに使い方に注意して理解し、自分の言葉にしてほしいと思います。ちなみに、この表現(Do I make myself clear?)を使わないで同様の意味を表すとしたら、以下になりますね。
Do you understand what I am saying?
あるいは、
Do you understand me?
この二つの表現は、純粋な(?)疑問文です。なので、怒っているわけでも、命令でも、皮肉でもありません。ですから答えはYes, I do.とか、No, I don’t.の部類になります。では、Do I make myself clear?の答えは?Yes、Okay、All right、Sure等の肯定の答えはあっても、Noはありません。「言えば?」喧嘩か、首か…ですかね(笑)。命令している人にNoは言えないし、怒っている(感情的になっている)人にNoと言うのは得策ではありませんよね。まあ、皮肉に対しては…普通放っておきますよね(笑)。

あ、最後にもう一つ。Do I make myself clear?に近い表現として、Did I make myself understood?という表現もあります。こちらの方は、「わかってもらえたかな?」という感じで、疑問を表します。もちろん、それを強く言うことで、「わかったの!?」という感じにもなりますが、Do I make myself clear?のような高圧的トーンはありませんので、使いやすいと思います。覚えておくといいと思います。

Well, I wonder if I made myself clear about the way “Do I make myself clear” is used? Do you understand what I am saying? Hope so. Then, see you again soon, folks. In the meantime, have a good one! nao


「使える英語表現」(No. 152)「偶然なんていうものはないのさ。」

2010-03-13 | Weblog
表現152)There is no such thing as coincidence.(偶然なんていうものはないのさ。)

「偶然などない」とは、日本語でもよく聞く言葉ですね。その英語版が今回の表現です。There is no~は「~がない」で、such thing as~は、「~というようなもの」。その二つが結合すると、There is no such thing as~となり、「~というようなものはない」になります。そして、asの後に偶然を意味するcoincidence(コーインシデンス)が来るので、There is no such thing as coincidence.となり、全体の意味は「偶然というようなものはない。」になるわけです。難しそうに言っていますが、実は簡単な構造ですね。

ちなみに、co-は「共同、共通、相互、同時」等を意味する接頭辞(語の始めにきて、その後に続く語(語幹)にその持つ意味を付加するもの)。incidenceは「発生(率)、出現」という意味です。なので、coincidenceは、何か別々のものが共に起こることを意味し、「偶然」という概念を表します。coincidence=偶然と覚えてくださいね。では、今回はちょっと長い会話をご覧いただきましょう。しっかり音読してみてくださいね。では…Here you go!

Brian: You look pretty happy today. What happened?
(今日はずいぶん楽しそうだな。何かあったのか?)
Scott: I went to the conference in New York last week. You know that, don’t you?
(先週ニューヨークであった会議に行ってたんだけど、知ってるよね。)
Brian: Sure. It is the biggest annual conference in our business, isn’t it?
(もちろん。毎年行われるうちの業界では最も大きな会議だろ。)
Scott: Right. I was sent to the conference for the first time.
(その通り。今年始めて会議に出張になってさ。)
Brian: Okay. But, I’m confused. What does your attendance at the conference have to do with your feeling?
(そう。だけど、わかんないんだけど。その会議に参加したことと今の気持ちと何の関係があるわけ?)
Scott: I met my first crush in high school.
(高校の時の初恋の相手に会ったんだよ。)
Brian: Is that right? What a coincidence!
(そうなんだ。すっごい偶然だな~。)
Scott: Brian. There is no such thing as coincidence.
(ブライアン。偶然なんていうものはないのさ。)
Brian: What do you mean?
(どういうこと?)
Scott: It was destined to happen..
(そうなる運命だったのさ。)
Brian: You mean karma thing again?
(またカルマとか何とかの話かい?)
Scott: Believe it or not, yes, that is what I am talking about.
(信じられないかも知れないが、そう、そのことを言っているんだ。)
Brian: When you met Julia for the first time, you said the same thing, didn’t you?
(ジュリアと最初に会った時にも同じこと言っていたよね。違う?)
Scott: That was then, this is now.
(昔は昔、今は今さ。)
Brian: How convenient.
(都合がいいね~。)
Scott: In fact, she gave me her telephone number and email address.
(事実、お互いの電話番号とメルアドを交換したしさ。)
Brian: Have you called her yet?
(彼女にもう電話したのかい?)
Scott: No, not yet.
(いや、まだだけど。)
Brian: Okay. Then, call her.
(そう。じゃあ、電話かけろよ。)
Scott: Sure.(making a call using his cell phone)Hello…Um?
(いいよ。(携帯電話で彼女に電話をかける)もしもし…ん?)
Brian: What happened?
(どうした?)
Scott: It says, the number you have just reached is not available any more.
(今おかけになりました番号は、現在使われておりません、だって。)
Brian: You still have her email address.
(まだメルアドがあるじゃん。)
Scott: Okay. …Bounced back. There’s got to be some technical problems.
(だよね。…戻ってきた。何か機械的な問題があるに違いない。)
Brian: Both her telephone number and email?
(電話番号とメルアドが同時に?)
Scott: Just a coincidence, I guess.
(ただの偶然だよ、きっと。)
Brian: There is no such thing as coincidence, Scott.
(偶然なんていうものはないのさ、スコット。)

ブライアンの言う通り!それは偶然ではなくて、彼女が意図的にした(She did it on purpose.)ってことですね。Poor Scott.(かわいそうなスコット。)彼女からよっぽど嫌われていた…いえいえ、彼女にはケミストリー(chemistry)が合わないと思われたんでしょうね。しかたないことです(It can’t be helped.)。僕は今回の表現は真理だと思っています。何事にも偶然はない。すべての事象には何らかの原因(cause)があって、その結果(result)がある。何事においてもいい結果を求めるのであれば、そのための原因を作らなければならない。つまり、努力しなければならないということです。皆さん、お互いに頑張りましょう!There is no such thing as coincidence.(偶然なんていうものはない。)We should always remember this, guys. Having said that, this is it today. See you in the next story, guys. See you! nao

「使える英語表現」(No. 151)「仲直りのためにここに来たの。」

2010-03-12 | Weblog
表現151)I came here to bury the hatchet.(仲直りのためにここに来たの。)

(at the cafeteria on campus)
Sally: Is this seat taken?
(この席空いてる?)
Jessi: Sure. Oh, hi, Sally. What are you doing here.
(空いてますよ。あ、やあ、サリー。ここで何してるの?)
Sally: I wanted to talk to you about last night.
(昨夜のこと話したかったの。)
Jessi: As I told you, that was your misunderstanding. I was not dating with Sue. It was just…
(言ったように、あれは君の誤解だって。スーとデートしていたわけじゃないよ。あれはさ…)
Sally: Listen. I came here to bury the hatchet.
(聞いて。仲直りのためにここに来たの。)
Jessi: So you believe what I said?
(じゃあ、僕の言ったこと、信じてくれたんだね?)
Sally: It doesn't matter. Do you want to make up with me or not?
(そんなことはどうでもいいの。仲直りしたいの、したくないの?)
Jessi: I don't understand. You want to make up with me not believing what I said?
(わかんないよ。僕の言ったことは信じてないのに仲直りしたいってこと?)
Sally: Everyone makes a mistake. In fact, I once had a date with Peter.
(誰にでも間違いはあるわ。実際、私も前にピーターとデートしたことあるし。)
Jessi: Peter? He is my best friend, Sally. How could you…
(ピーター?僕の親友だよ、サリー。なんでそんなこと…)
Sally: Tomorrow is my birthday. Remember?
(明日は私の誕生日よね。覚えてる?)
Jessi: I do.
(もちろん。)
Sally: I can bury the hatchet if you take me to a brand new French restaurant. What do you say?
(あなたが開店したばっかりのフランス料理店に連れて行ってくれるのなら、仲直りしてもいいけど。どうする?)
Jessi Reconciliation in exchange for an expensive meal, huh.
(高価な食事と交換に仲直りってわけ。)
Sally: It's up to you, Jessi. Deal or we keep fighting?
(あなた次第よ、ジェシー。手を打つの、それとも喧嘩続ける?)
Jessi: You win. Let's bury the hatchet. By the way, how much is the meal for two?
(君の勝ちだよ。仲直りしよう。ところで、食事二人分でいくらなの?)
Sally: A couple of hundred dollars, give or take.
(だいたい、200ドルってところかしら。)
Jessi: Sally. Could you call 911? I think I will have a heart attack.
(サリー。911に電話かけてくれる?心臓発作起こしそう。)

いつも男の方が弱いような気がしますね~男女関係は。あ、そんなことじゃなくて、英語の勉強、勉強…。今回はまず会話文から見てもらいました。「仲直りをする」がテーマの会話で、今回の表現は、bury the hatchet(ベアリー、ダ、ハチェット)でしたね。でも、その他にも「仲直りをする」を意味する表現が出ていましたよね。覚えてます?そう、make up (with)ですね。「まだありましたよ~」ん?あ、「仲直り」を意味する名詞の、reconciliation(レコン、シリエイション)ですね。動詞は、reconcile(レコンサイル)ですね。

では、bury the hatchet(ベアリー、ダ、ハチェット)についての説明です。hatchet(ハチェット)とは「手斧(おの)」のことです。斧(おの)って言っても、この頃見た人はあまりいないですよね。映画の中くらいかな?だいたい殺人事件が起こるやつですね(恐!)。イメージはあると思いますが、その斧(おの)をbury(ベアリー)する。つまり、「斧(おの)を埋める」を意味するのが、bury the hatchet(ベアリー、ダ、ハチェット)ということです。「斧(おの)を埋める…が仲直りする…?」その通り。

この表現はアメリカインディアンの慣習から来た表現です。部族間での争いをおさめる際、つまり、平和条約等を結ぶ際に、互いの部族の長(おさ)は自らのhatchet(斧)を土に埋め(bury)、それを平和の象徴的儀式としたとのこと。この行動、bury the hatchetが、その後一般的語彙となり、「仲直りする」を意味するようになったものです。聞いてみると、あ~なるほど、って思いますよね?

ということで、今回は、アメリカインディアンのお話…いや、bury the hatchet(ベアリー、ダ、ハチェット/仲直りする)のお話でした。Okay, guys. This is it, today. See you soon. nao


「使える英語表現」(No. 150)「ニュースは見ていません。」

2010-03-11 | Weblog
表現150)I don't keep up with the news.(ニュースは見ていません。)

今回は、あまり目新しい表現ではありませんが、ぱっと使えるかというと、どうかな~と思う日常会話表現のお話です。日本語訳を見ていただければおわかりの通り、言いたいことは、「ニュースは知らない」「ニュースには関心がない」「テレビとかは見ているけど、ニュース番組は見ていない」「新聞は見てるけど、記事は読んでない」等、とかく最近起こっていることには「うとい」ということを言いたいわけです。そんな時には皆さんならどんな日本語が頭に浮かび、そして、それをどう英語にするでしょうか?

頭にはきっといろいろな英語が浮かぶと思います。例えば…
I don't know much about recent news.
I don't read news articles.
I'm not interested in news.
I don't know what is going on these days.
I don't read newspapers.
I don't watch news programs on TV.

どうでしょう?皆さんだったらどう言うでしょうね~?上の文が決してダメなわけではないですよね。それなりに意味はわかりますから。ちょっと日本語的発想もある…かな?でも、わかるのでいいでしょう。でも、それらをひとまとめにしたような英語らしい表現があれば、それは知っておいた方がいいですよね。と思ってご紹介するのが今回の表現、I don't keep up with the news.です。

句動詞(動詞が単独でなく、他の語と一緒になって動詞の役割を果たすもの/群動詞という場合もあります)であるkeep up withは、高校(中学かな?)で学びましたよね。意味は、「~に遅れずについて行く」等の意味ですね。僕が覚えている文章は…We have to keep up with the times.(我々は時代(時勢)に遅れてはいけない/時代とともに生きなければならない)だったような。それと、「スケジュールを守ること!」という意味で、You must keep up with the schedule.というのも覚えた記憶があります。皆さんはいかがでしょう?

まあ、その「遅れずについて行く」ものがニュースだというだけのことなのですが…この表現、しばらく前にデミー・ムアが主役の映画(「Jury」だっかな?)を見ていたときに、彼女が陪審員選出のための面談で、弁護士から「今回の事件を知っていますか」と聞かれた時に、笑いながら、I don't keep with the news.と言ったのが、なぜが印象に残っていて、それで今回それを取り上げたわけです。「じゃあ、別に私たちの勉強のために書いたわけじゃないってこと?」おっと、そんなわけではないですが(冷汗)。僕と同じように印象に残る方もおられるかと思って…。「映画見たわけでもないのに?」まあ、知っておられた方にはここまで読んでいただき、すみません…(平身低頭=I beg your pardon on my knees)。

なぜか書きたかった今回の表現(なぜだろう?)、知らなかった皆さんは語彙が一つ増えたということでプラスとお考えいただき、知っていた皆さんについては…一度デミー・ムアのこの映画を見てもらうと僕の気持ちがわかるかも?ということで、今回はこの辺で。(何か怒られそう…)Smile, guys. And have a good one (^ ^)! See ya. nao

「使える英語表現」(No. 149)「ちょっと考えさせてよ。」

2010-03-10 | Weblog
表現149)Let me sleep on it.(ちょっと考えさせてよ。)

カジュアルな(くだけた)会話(casual conversation)ではよく使われる表現です。どこでも、誰に対しても使えるいい方としては、Let me think about itですよね。この、Let me sleep on it.は、相手と対等な関係か上の立場にいるなら使ってもいいですが、上司やあまり親しくない目上の人には使わない方がいいです。生意気に聞こえますから。不思議なことに…同じ人間の発想なのでそんなに不思議じゃないですが…日本語でも同じような表現がありますよね。「一晩寝て考える」って言い方ですね。

この表現を覚える上では、何らかのこと(it)をまくらにして、その上で寝る(sleep on it)、と考えれば簡単に覚えられますよね。少し理屈っぽく考えると、on itですから、それ(it/何らかの事)に頭がくっついた(on/触れていることを意味します)まま、つまり、それを頭から離さないで寝る(sleep)、だから、考えながら寝る→寝て考える→一晩おいてみて(寝て)考える、といった意味になるとも言えます。もちろん、誰もそんなこと考えて言っているわけではないですけどね。感覚の問題です。

この表現、日本語訳では「一晩」という言葉を入れましたが、決して「一晩寝たら答えを出す」という意味合いがはっきり含まれているわけではありませんので、ご注意を。基本的には、「短時間ながらしっかり考える」という意味合いと考える方がいいと思います。だって、眠る時にもそのことを考えながら寝る(sleep on it)わけですからね。そりゃあ、じっくり考えますよね。つまり、「まあ、そのことについては、とにかくちょっと時間が欲しい。とりあえず一晩じっくり考えてみる」と言う時に使う表現と考えましょう。そして、そんな意味を前提にして、「ちょっと考える」「少し考える」という訳になることもあることを覚えておいてください。

ちなみに、辞書によっては、「一晩寝たら頭がすっきりして次の日に結論がでる」という意味で「一晩考える」ということになるという説明もあります。さて、どちらが正しいか…これはネイティブの感覚の問題ですので、正直わかりませんが、僕は自分なりの観察を信じたいと思います。では、会話で今回の表現を確認してくださいね。Here you go!

Bill: Hey, Tom. Are you free this coming Saturday?
(やあ、トム。明日ひまかい?)
Tom: I think I have something to do on that day. But, why?
(その日は何かあったと思うんだけどな。でも、何で?)
Bill: There is going to be a bowling tournament and I want you to be my partner.
(ボーリング大会があってさ。君に僕のパートナーになってほしいんだ。)
Tom: It's a pair match, isn't it.
(ペアマッチってわけか。)
Bill: Right. I know you are a pretty good bowler. I count on you, Tom. Please.
(そうなんだ。君はけっこうボーリングうまいからさ。君が頼りなんだ、トム。頼むよ。)
Tom: Let me sleep on it. I will give you a call as soon as I can.
(ちょっと考えさせてよ。できる限り早く電話するからさ。)
Bill: All right. I'm looking forward to a positive answer, Tom.
(わかった。いい返事を期待してるよ、トム。)
Tom: Talk to you later, Bill.
(また後でね、ビル。)

簡単な言い回しながら、知らないと何の事かさっぱりわからない英語って結構いっぱいありますよね。書き言葉ではそれほどでもないですが、話し言葉は生活文化がもろに出ますから、簡単な単語、表現でも状況や文脈によっていろいろ意味が違ってきます。それらを理解する早道は…ありません。一つ一つ着実に覚えていくしかないです。今日の表現も簡単ではありますが、しっかり頭に入れて、できれば適切な相手に対して使ってみてくださいね。英語の勉強は、毎日コツコツと、でしたよね。え、もう聞き飽きた?では別の言い方を…Well, let me sleep on it. All for now, folks. Goodbye! nao